より自分らしく輝くために、働き方を選択できる時代。連載第7回は、カルビー グローバル調達本部で働く駄場﨑唯さんにクローズアップ。二人の子どもたちとの時間を大切にしながらさらなる高みを目指す、駄場﨑さんの働き方とは。
理想の働き方を認めてくれるから、もっともっと夢が広がっていく
カルビー株式会社 グローバル調達本部 調達部 調達3課
駄場﨑唯さん
兵庫県出身、38歳。入社の決め手になったのは採用面接で感じた会社の雰囲気のよさ。その印象は今も変わらず。大学時代に半年間の留学経験があり、語学力を買われて現職に。
「『ポテトチップス』で有名なカルビーですが私が担当しているのは、じゃがいも以外の原材料を海外から調達する業務です。
『おさつスナック』に使用するさつまいもや『さやえんどう』に使用するえんどうまめなどの輸入をメインで担当しています。海外の方とやりとりすることもありますがフルフレックスタイム制のおかげで子育てをしながらでもスケジュールをうまく調整できるので助かっています。
2年前まで約10年間所属していた営業とは違い、直接売り上げにつながる業務ではありませんし、原材料はあって当たり前のものなので褒められることはあまりありません。それでも、製品のクオリティに関わる仕事の重要性にやりがいを感じています。 気候変動や国際情勢の影響を受ける業務でもあるので、様々な問題と向き合いながら対応する、勉強の日々です!」
HISTORY
2009 | 新卒入社 新宇都宮工場 物流部門に配属 |
2011 | 東京支店に異動 |
2013 | 第一子を出産 |
2016 | 中部支店(名古屋)に異動 |
2019 | 第二子を出産 |
2021 | 本社営業企画部門に異動 |
2022 | グローバル調達部門 |
子育ても、海外出張も、やりたいことをガマンしない
会社のサポートを活用し子どもとの時間を大切に
1991年に「フレックスタイム制」を、2017年には「モバイルワーク制度」を導入するなど、早い段階から社員の働きやすい環境整備に力を入れてきたカルビー。海外からの原材料の調達業務を担当している駄場﨑さんも、2020年にコアタイムが廃止された「フルフレックスタイム制」を活用し、二人の子育てとの両立をパワフルにこなしている。
「仕事はもちろん大切ですが、今はまだ小さい子どもたちと過ごす時間も大切にしたいと思っているので、会社のサポートをフル活用させてもらっていますモバイルワーク時には一日3回まで外出が認められているので、習い事の送り迎えや寝かしつけに活用するなど、子どもの都合に合わせた生活スタイルで自由度高く仕事ができています。10歳になる長女が大きな病気をしたときは、1カ月間の入院に付き添うために夫と時間を調整。仕事と子どもの付き添いを二人でバトンタッチしながら乗り切ったこともありました。現在の上司には小さなお子さんがいるので、こちらの事情をすぐにくみとってくれることが本当にありがたいです」
理想の働き方は、その時々で変化していくもの。2013年に第一子を出産した際は、営業職では前例の少ないフルタイムでの復帰を希望したそう。
「時短勤務で復帰してそのサイクルに慣れてしまうと、フルタイムに戻すのが大変なのではないかと不安だったんです。男性の営業担当と肩を並べて頑張りたいという、変なプライドもあったと思います(笑)。上司に相談したときも、『やってみて無理だったらやめればいいよ』と言ってくれて。挑戦したいことを快く受け入れ、臨機応変に対応してくれる環境に助けられました。とはいえ急に子どもが熱を出し、おんぶをしながら必死で見積書をつくったこともありました(笑)。おかげでどんなことがあっても『あのときよりはマシだよね』と思えるくらい、強くなれたなと思います」
いずれは夫婦そろって海外でチャレンジしたい
現在の部署では、年に3回ほどインドネシアなどに海外出張することも。
「まずは『夫や子どもとの時間を犠牲にしてまで行く意味があるか?』ということを冷静に考えます。その上で『このチャンスは生かすべき』と思ったら社内交渉ならぬ家庭内交渉をします(笑)。出張中は夫に子どもの送迎とごはん、寝かしつけなどすべてをやってもらわなければいけないので、どの時期なら可能か、お互いのスケジュールを見ながら最終的には“覚悟”を決めるという感じ。夫が出張の場合もあるので、夫婦でサポートしあっています」
同じ会社で働く夫とは、いつか実現したいと思っているプランがあるそう。
「子どもの事情で今すぐにというわけではないのですが、数年後には海外での業務に携われたらいいなと話し合っています。この2年間、英語の専門用語が理解できずに悔しい思いもしてきました。まだまだ海外との交渉スキルを身につけている最中ですが、以前携わっていた営業のスキルも含めて、今後のキャリアに生かせたらと思っています。すでに上司にも相談をさせてもらっているので、いつか家族みんなで挑戦できたらいいですね」
出社の日のスケジュール
6:00 | 起床 |
8:00 | 子どもを保育園に預ける |
9:00 | 出社 |
17:00 | 退社 帰宅後はリモートで作業 |
18:30 | 終業 |
21:30 | 子どもと一緒に就寝 |
出社するのは月3〜10日ほど。メーカーやサプライヤーと直接話し合いの場を持ち、トラブル対応をすることが目的。海外とのやりとりは時差が少ない東南アジアが多いため、オンラインミーティングなどは無理なく行えているそう。通勤時間はアプリで英語学習を
リモートの日のスケジュール
6:00 | 起床後、すぐに始業 |
7:00 | 仕事を切り上げ、子どもの出発準備 |
8:30 | 保育園に送ったあと、再び仕事開始 |
16:30 | 習い事の送迎 |
18:30 | 保育園のお迎え |
19:00 | 終業 |
21:30 | 子どもと一緒に就寝 |
21:30には寝るため、子どもが起きる前の6:00に起床して業務開始。お迎えなどのときは仕事を都度中断し、時間を縫って子どものサポートを。保護者会なども率先して参加しているそう
ON
さつまいもを輸入しているインドネシアへ定期的に現地視察。加工工場のほか、農家の話を聞いて品質に問題がないか目で確かめるのも重要な業務。出荷の時期を逆算し、苗を植えるタイミングまで指示!
OFF
10歳の娘さん、4歳の息子さんとともに休日は家族で出かけて思い出づくり。同期の夫とは夫婦というより同志の感覚。夫は釣り、駄場﨑さんは友人とカフェに行くなど、お互いの自由な時間も尊重している
仕事のマストアイテム
1 オンラインミーティング用のワイヤレスイヤホン
2 前部署の仲間から送られた名前入りのタンブラー。仕事終わりにビールを飲むのが楽しみ
3 商談の前など小腹が空いたときは「フルグラビッツ」をパクリ
カルビー株式会社の「フルフレックスタイム制」とは?
2020年7月にコアタイム(10:00〜15:00)を廃止。5:00〜22:00の間で柔軟に働くことができる制度。一日1時間以上出勤すれば出勤扱いとなる。コロナ禍に社員の声から生まれた「Calbee New Workstyle」の一環で、「モバイルワーク制度」との併用により、働く“時間”と“場所”を社員自らが自由に選択できるようになった。
撮影/木村 敦〈Ajoite〉 ヘア&メイク/小澤 桜〈MAKEUPBOX〉 取材・原文/松山 梢 ※BAILA2024年8・9月合併号掲載