より自分らしく輝くために、働き方を選択できる時代。連載第6回は、サイボウズ カスタマーマーケティング部と広報部の兼務で働く小林利枝さんにクローズアップ。一度外に出たからこそ見えてきた会社の魅力。「誰かの幸せにつながる仕事をしたい」と語る、小林さん自身の幸せな働き方とは。
多様な働き方を認める会社で二つの部署を兼務
サイボウズ株式会社 カスタマー本部 カスタマーマーケティング部・経営支援本部 広報部 兼務
小林利枝さん
山梨県出身、31歳。子どもの頃から人と違うことに興味を抱くタイプで、「クラウド製品導入1000社を記念して戦車を走らせる」など、奇抜なPRをしていたことに魅力を感じて入社。
「100人いたら100通りの働き方があっていい、という理念を持つサイボウズは“誰かの幸せにつながる仕事がしたい”と考えている私の思いを実現できる場所。
現在はカスタマーマーケティング部と広報部を兼務しています。
『お客さまが何を求めているのか?』に向き合ってきたマーケティングの知見は、広報の仕事に組み込めることもありますしメディアに向けた発信の方法を学べる広報の仕事のおかげで情報の伝え方の引き出しが増えました。
現在は自分で決めた7:3の割合で業務にあたっていますが、『これ以上仕事を引き受けるともう一方に影響が出そうです』など、要望を気兼ねなくチームに伝えられる雰囲気のよさのおかげで、無理なく、意欲的に仕事に取り組めています」
HISTORY
2015.4 | サイボウズ株式会社入社 |
2015.6 | カスタマー本部 ダイレクトマーケティング部配属 |
2018.11 | 退職 |
2021.2 | 育自分休暇 2015.4 ※を活用し、サイボウズに復帰。 カスタマー本部 ファンコミュニティ推進部へ配属 |
2022.3 | カスタマー本部 ファンコミュニティ推進部およびカスタマーマーケティング部兼務 |
2023.10~12 | 広報部に体験入部 |
2024.1 | カスタマー本部 カスタマーマーケティング部および経営支援本部 広報部 兼務(ファンコミュニティ推進部兼務解除) 現在、カスタマーマーケティング部7割、広報部3割で勤務 |
※現在は廃止。内容を変更したアルムナイ採用を開始
オープンで風通しのいい会社の魅力を広めたい
情報共有を大切にするサイボウズの働きやすさ
サイボウズは「kintone」や「サイボウズOffice」など、チームワークを支援するためのグループウェアを開発・提供している企業。カスタマーマーケティング部に所属する小林さんは、今年1月から広報部での勤務もスタートさせた。二つの部署を兼務することになったのは、2018年に一度、サイボウズを退職したことがきっかけだったそう。
「もっと自分をバージョンアップさせたいとの思いから、退職後に最長6年間復帰可能な制度『育自分休暇(現:アルムナイ採用)』を利用し、退職してニュージーランドに語学留学しました。帰国後に1年間ベンチャー企業で働いたのですが、その会社は一人ひとりが抱える情報が閉じられていて、チームで効率的に働く環境が整えられていなかったんです」
新卒入社した当時から、「サイボウズの働き方は一般的な企業と同じではないよ」と言われることがあったという小林さん。違う企業で働いてみて初めて、チームで当たり前に情報を共有するサイボウズの風土や、仕事の効率化を図るための製品に魅力を感じ、復職を決意した。
「コミュニケーションを大切にするサイボウズの考え方や製品が世の中にもっと広まったら、より多くの人が効率的に、幸せに働けるんじゃないかと本気で思ったんです。そこで広報の仕事に興味を持ち、違う部署の仕事を経験できる『大人の体験入部』制度を活用。広報部で3カ月間勤務しました。その後、もともと所属していたカスタマーマーケティング部と広報部を兼務することになったんです」
まったく違う業務を行う二つの部署を兼務するのはさぞかし大変だろうと思いきや、そこは業務の効率化を掲げるサイボウズのこと。業務アプリを作成できる「kintone」では、視覚的にわかりやすくプロジェクトが分けられているため、チームごとのコミュニケーションもスムーズに行えているという。
「情報が分散されたり閉ざされたりしていないので、欲しい情報をその都度探してインプットするといった無駄なストレスがないんです。部署内のコミュニケーションだけでなく、マネージャー陣が集まる経営支援会議の議事録も公開されますし、一般社員が経営陣に考えを伝えられるタイミングもあって、活発に意見が交わされています。社員みんなが一緒に理想に向かって歩んでいる感じがして、すごく風通しのいい文化だなと思います」
ほかの社員の頑張りがモチベーションに
現状に満足することなく常にチャレンジを続ける小林さんの原動力は?
「社内には副業をしている人も多いですし、『kintone』には『MBAの取得を目指しています』『大学院に通っています』など、毎日のように各社員のいろんな情報が流れてくるんです。透明性が高いからこそ、ほかの人の頑張りが見えてプレッシャーを感じることも(笑)。『自分もこのままではいけない!』と身が引き締まりますし、すごく刺激を受けています。私もこれから広報部でさらに経験を積んで、効率的で幸せな働き方を、広く世の中に発信していきたいと思います」
在宅勤務日のスケジュール
9:00 | 始業 |
9:35 | カスタマーマーケティング部 定例会議 |
11:05 | 広報部 案件①打ち合わせ |
12:00 | お昼休憩 |
13:05 | 広報部 案件②打ち合わせ |
14:00 | 広報部 定例会議 |
16:05 | カスタマーマーケティング部 施策打ち合わせ |
18:00 | 終業 |
時間によって二つの部署の会議や打ち合わせがランダムに入る。空いた時間に広報部のプレスリリースやマーケティング部のお客さま向けメール文面を作成。ほぼ在宅勤務ながら、月1〜5回の出社時は、栃木県にある自宅から約1時間半かけて新幹線通勤している
ON
在宅ワーク時は姿勢矯正椅子や昇降デスクを活用して、常に同じ姿勢にならないように意識。ウェブ会議ではPC画面に顔を近づけてしまう癖があるので、広角レンズでちょうどいい画角を保つのがコツ
OFF
プライベートは愛犬の「こまちよ」に癒される日々。年1〜2回は夫と海外旅行に行くのが目標で、年12万円まで補助される会社の学習支援制度「Self-learning Program」を活用し、業務時間外に韓国語も勉強中
仕事のマストアイテム
1 ウェブ会議は有線のイヤホン、作業中に音楽を聞くときはワイヤレスを使い分けるこだわりが
2 出社時は通勤時間が長いのでモバイルバッテリーがマスト。大好きな「ちいかわ」のハチワレポーチに入れて癒されている
3 乾燥対策にもなるリップはディオールを愛用
サイボウズの「大人の体験入部」制度とは?
最短1日〜最長3カ月の期間を決めて所属部署以外の部署に行き、実際の仕事を経験できる制度。所属元と体験入部先とで調整ができれば年中いつでも実施できる。現職に知見を生かすこと、もしくは将来的な異動や兼務を視野に入れたキャリア検討を目的に利用されることが多い。社内でも特に人気のある制度で、2023年は47件実施された。
撮影/花村克彦〈Ajoite〉 ヘア&メイク/小澤 桜〈MAKEUPBOX〉 取材・原文/松山 梢 ※BAILA2024年7月号掲載