洗って繰り返し清潔に使うために【布マスク】正しい洗い方&注意点をおさらい(新型コロナウイルス感染拡大防止対策)

新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大防止対策の重要ツールでもあるマスク。使い捨ての不織布マスクが手に入りにくい状況が続き、また政府によるガーゼマスク2枚(通称“アベノマスク”ですね)の全世帯配布政策もあり、洗って繰り返し使える布製マスクを使い始めた方も多いと思います。渋谷区民のエディター沖島のもとには5月頭現在、まだ“アベノマスク”が届かないので、手持ちの布製マスクを使って、末長く清潔に使える正しい洗い方&注意点をおさらいしてみました。

洗うのは、梨園染(りえんぞめ)で有名な戸田屋商店お手製の手ぬぐいマスク。熟練の職人さんたちが手染めした木綿で作ったコットン100%の伝統工芸マスクです。常備薬を処方していただく主治医先生の病院近くの薬局で販売されており、ひと目ぼれして購入(ご近所さんでもある)。そして洗い方のお手本は、厚生労働省・経済産業省の公式動画です。ではレッツWASH♡

1.布マスクの手洗いに用意するもの

生地の損傷や型崩れを防ぎ、殺菌・消毒効果を高めるため、布マスクは手洗いが推奨です◎。
●洗面器(洗い桶)
●衣料用洗剤(普段のお洗濯にお使いのものでOK、汚れやウイルス落としに使います)
●塩素系漂白剤(台所用のものでもOK、殺菌消毒に使います)
●ゴム手袋(ウイルス付着&手荒れ防止のため)
●清潔なタオル(脱水用に使います)
●プラスチックスプーン(洗剤の軽量用、慣れたら目分量で)

2.洗い①:衣料用洗剤で汚れやウイルス、花粉を落とす!

ウイルス付着防止・手荒れ防止のため、まずはゴム手袋を装着します。しゃきーん。

洗面所に移動(お風呂場でもいいと思います)。洗面ボウル内に洗面器を置いて、水(ぬるま湯のほうが汚れがよく落ちるかも)を約2ℓ(=ペットボトル大1本分)貯めます。「流水でガーッと洗ったほうが早いのでは...(; "q')?」と思ってしまいますが、マスクを洗うにあたり、ウイルスが付着しているかもしれない水しぶきをあちこち飛ばさないため(=飛沫感染防止のため)“ためすすぎ”スタイルのお洗濯をする必要があるんですね。

洗面器の中の水に衣料用洗剤を投入します。公式動画には「水2ℓに対して洗剤0.7g」とありますが、イマイチわかりにくいと思いますので(^^;)、ざっくり、コンビニスイーツを買うときにいただくプラスチックスプーン約1杯分だと思ってください。洗剤を入れたらよくかき混ぜます。

洗剤をよく溶かしたら、布マスクを投入。しっかりひたして約10分つけおき洗いします。

3.つけおき洗い10分後:優しく押し洗い!

10分経過。このマスクは梨園染なので、染料が多少色落ちしちゃいましたが仕方なし◎。

マスク全体を押し込むようにして優しく押し洗いします。汚れやウイルスを落としたいあまり、ついゴシゴシとこすり洗いしたくなりますが、布が傷んでしまうのでグッと我慢です。ひっくり返したりしてひたすら押し押し。

じゅうぶん押し洗いしたら、3回ほどためすすぎします。これも流水でガーーーッと勢いよくすすぎたくなりますが、ウイルスが付着しているかもしれない水しぶきをそこらじゅうに飛ばすことになるため、グッと我慢して“洗面器に水を貯める⇄洗剤を落とす”を3回ほど繰り返します。大丈夫、こすらなくても現代の洗剤&つけおきパワーで汚れもウイルスも落ちています◎。

すすぎ終わったら、手で押して軽く水分を落とします。マスクが型崩れしてしまうので、ぞうきんのようにギューっと絞らないでくださいね。

4.洗い②:塩素系漂白剤で殺菌・消毒する!

次に、塩素系漂白剤を使って殺菌消毒していきます。塩素系漂白剤に含まれる次亜塩素酸ナトリウムおよび界面活性剤が、新型コロナウイルス感染症予防に効果があるといわれているためです。
※同じ「ハイター」(花王)と名のつく漂白剤でも、「キッチンハイター」「ハイター 衣料用漂白剤」は塩素系、「ワイドハイター」は酵素系です。ラベルに記載されている成分表示をよく確認してみてくださいね。

動画では「水1ℓあたりに対し15㎖」と説明されていますが、だいたい洗面器一杯の水にキャップ1/2杯分だと思ってください。

ここで再び、約10分のつけおき消毒タイム。

5.10分つけおき消毒後:ためすすぎ3回!

10分たったら、最後のすすぎです。これも“洗面器に水道水を貯める⇄すすぐ”を3回ほど繰り返します。塩素のにおいがしなくなるまですすぐのが目安かと。また、水を換えるときも、漂白剤が飛び散らないようにゆっくり流し捨てるのがポイントです。

6.タオルで脱水し、形を整えて陰干し!

じゅうぶんすすいだら、清潔なドライタオルの間に濡れたマスクをはさみ、上と下からポンポン叩くようにして水気をとると、生地を傷めることなくうまく脱水できます。

布マスク、とくにコットン製は、素材の特性上、縮んだり変形したりしやすいので、形を整えてから陰干しします。耳ゴムのところをはさんで干すとゴムがびろ〜んと伸びてしまうので、必ず生地本体を洗濯バサミにはさむのが、型崩れを防いで上手に干すコツです。

7.布マスクを洗うときの注意点

最後に今回、布マスクを洗ってみて沖島が「注意していただいたほうがいいかもな(; "q')」と思ったことを下記に記しておきますので、実際に布マスクを洗う前の参考にしてみてください。

●色や柄のマスクは、色落ちしてしまう可能性がある
塩素系漂白剤が使えるものは主に“白物の繊維製品”で、水洗いできないもの・色柄物の繊維製品・ウール・シルク・ナイロン・ウレタン・アセテート・金属製のボタンやファスナーつきの製品には本来使えません(洗濯表示マークの「エンソサラシ」にバツXがついていたらNG)。今回沖島が洗ってみたマスクは梨園染=ズバリ色柄物にあたるため多少の脱色がみられましたが、無地のネイビーなのでさほど目立っていません。“アベノマスク”のように、洗うマスクが白で100%コットン製なら今回ご紹介する洗い方で問題ないのですが、色物や柄物、NG該当素材を使っている手作りマスクなどは注意が必要かなと思いました。

●衣料用洗剤や塩素系漂白剤は、ほかのものと絶対に混ぜない!
塩素系漂白剤のラベルには必ず“まぜるな危険”と書いてありますが、布マスクを洗う際もじゅうぶんにお気をつけください。とくに、酸性タイプの洗剤と塩素系漂白剤を組み合わせてしまうと塩素ガスが発生して大変危険です!!! マスク洗いに使用する洗剤と漂白剤の成分をよ〜く見て確認していただきつつ、窓のある洗面所やお風呂場では窓を開ける、換気扇をつけるなどの工夫も合わせて行ってください。

●複数枚をまとめて洗わない!
「手間かかるし、ご家族の分も1回でまとめて洗っちゃえ」と思いますが、新型コロナウイルス感染症を防止するための大原則として“布マスク1枚につき1洗い”が鉄則だそうな...理屈は理解できるので、面倒でも実行しましょう...。“自分のマスクは自分で手洗い”をご家族に義務づけるといいのでは、と思います。家族一人ひとりが自己防衛意識を高く持ちましょう。


●布マスクを洗い終わったら、洗面ボウルや洗面器も洗うと安心
ゴム手袋をしているついでに、布マスク洗いに使用した洗面ボウルや洗面器も、浴室用洗剤でついでにサッと洗い流しておくとより安心かも◎。念のため、周囲に飛び散った水汚れも拭きとっておくとなお安心ですね◎。おかげで洗面所がいつもツルピカ清潔になります☆

●マスクを洗い終わったら、必ず手も洗う!
布マスク洗いは終始、ゴム手袋を装着しての作業になりますが、全プロセスが完了したらもれなく自分の手も石けんでよく洗いましょう◎。

【参考】厚生労働省及び経済産業省公式動画:布製マスクの洗い方

経済産業省 metichannel「布マスクをご利用のみなさまへ」

今回ご紹介した布マスクの洗い方は、厚生労働省・経済産業省が作成した公式動画「布マスクをご利用のみなさまへ」を参考にしました。使い捨ての不織布マスクは相変わらず手に入りにくいですし、医療関係者のみなさまをはじめとする本当に必要としている方々に率先して行き渡ってほしいのが我々一般庶民の本音です。洗って繰り返し使える布製マスクを上手に使って、引き続き新型コロナウイルス感染拡大防止対策に励んでまいりましょう。

取材・文/沖島麻美 ※掲載されているのはすべて私物で、2020年5月7日時点での情報です。

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