みなさんこんにちは、バイラーズの土井陽菜花です。
#読書部の 「夜寝る前に読みたいエッセイ」 のお題に合わせて、梨木香歩さんの大好きなエッセイ 【春になったら苺を摘みに】をご紹介します。
出会いと別れの季節、春が近づくと繰り返し読みたくなる本です。
少ししんみりする夜に、ぜひ読んでみてください。

書籍情報
タイトル: 春になったら苺を摘みに
著者名: 梨木香歩
出版社名: 株式会社 新潮社
価格: 590 円 + 税
概要
"西の魔女が死んだ" でよく知られる梨木香歩さんの初のエッセイ本です。
留学先のイギリス、旅先のカナダやニューヨークなど、行く先々で出会う人たちにまつわるエピソードが作者の視点で静かに、深く語られていきます。
人と関わること、人と生きるということ、独りじゃないということ...
淡々と続く日常に、静かな光を感じさせてくれるエッセイです。
こんな時に読んでほしい
生きている限り、人と関わることって避けられないですよね。
私は人が好きだけど、人付き合いが苦手です。
全ての人が幸せに暮らせれば良いのにと願っていても、知らず知らずのうちに傷つけてしまっていたり、自分自身も傷ついたり...
生まれ育ちや考え方、価値観は人それぞれで、意見が合わないことやうまく折り合いをつけられなくても "仕方がない"
そう思えるほどには大人になったけれど、うまく人と付き合えなくて落ち込む時間は少しも減る気がしません。
「春になったら苺を摘みに」は、人間関係に疲れたとき、心を休めたい時におすすめする本です。
読み終わったあとには、人と関わることにはどんな苦しさも超える "なにか" があるんだと、静かなあたたかさが心に染み込むような心地よさがあります。
私の好きなエピソード
人を理解できなくても「受け容れる」ことはできる。
著者の梨木香歩さんが英国で下宿していた下宿先の女主人、ウエスト夫人の生き方を示した言葉です。
何度この言葉に救われたことか。
私たちは、人と関わる苦しさを知りながらも、きっと人と関わらずにはいられない。
それは人と共にいるよろこびを知ってしまっているからですよね。
そして「春になったら苺を摘みに」のウエスト夫人はその最たるものです。
どんな時もただ「受け容れる」
そう思えるだけで、勇気をもって人と関わりあっていける気がします。