これは推し活の話ではなく、生き方の補助輪の話であった

私自身、アニメとアイドルが好きで、実際に「推しが炎上する」という経験をしたことがありました。
だからこそ、多かれ少なかれ共感する部分があるのではないかと今更ながら読もうと思った。
純粋に推し活小説だと思っていた、期待は大きく裏切られた。
これは各々の持つ普通と言う物差しを問う小説であった。
物語は主人公、あかりの推しが炎上をするところから始まる。
主人公、あかりは推しを崇拝し、推しのために全てをかける高校生だ。炎上しようとも推しは世界。心血を注ぎ続けている。
しかし、炎上をきっかけに様々なものが崩れてゆく。推し活に没頭するあまり様々な要素を削ぎ落とす。結果、元々苦手であったバイトや学校がさらに上手くいかなくなってゆく。
この小説を読み終わった時、
「こういう人いるよなぁ」と「わかるなぁ」の2パターンに分かれると考えます。
普通と言う圧力は時に冷酷で、分かりづらい。
小説の中に、SNSでの描写が多く描かれています。
あかりはSNSでしか推しを知ることを出来ないが、また、そのSNSによる心無い言葉により心を削ってゆく。
その描写がとてもリアルである。SNSは居場所であると同時に、処刑場でもあった。
また、あかりはSNSの中に多くの友人を持つが、その反面リアルの孤立した描写が目立つ。
常に誰かと繋がっていて、共感を得ることも多いのに、どこにも所属はしていない。心の底からの理解を得ることが出来ないことはグロテスクだと心の底から感じた。
現代社会のコミュニケーションの在り方を問うています。
もし、世の中の「普通」に少しでも違和感を感じたことのある方だったらおすすめしたい一冊です。
その違和感を上手く言語化して落とし込んだのがこの「推し、燃ゆ」と、私は考えます。
150ページほどでサクッと読めるのも魅力のひとつ。
おすすめです。













































