ファッションを生業とするおしゃれプロの確固たるスタイルには、強い愛と強い言葉がありました。そんな彼女たちが心を燃やすファッションを披露していただきます!
1.スタイリスト辻直子さんの「黒」のこだわり
スタイリスト
辻 直子さん
つじ なおこ●女性らしく、独自の美学がある世界観にファン多数。本誌をはじめ、数多くの女性誌、広告で活躍するスタイリスト。
ずっと変わらない黒
「自分に似合う“どうってことない黒”を吟味するのがすごく好きなのかもしれない。20代からずっとベースにあるのは、「体にフィットするマットな黒」のアイテム。それをちゃんと見つけられたら、あとは簡単、そのときの「好き」をかけ合わせればいい。探し当てた自分だけの黒が、私らしさをしっかり支えてくれます」
今の気分の黒
「レザージャケットなどの「艶のある黒」に惹かれています。ハードな感じが合わないと思っていたけれど、先入観だけで着ずにいるのはもったいない。私の好きなたくさんの鮮やかな色や、定番の赤いリップを加えると、私らしいスタイルの着地点になるのです。目指している芯の部分をブレさせずに、今の気分に合うものを自由に取り入れて」
スタイリスト
百々千晴さん
どど ちはる●抜群のセンスと審美眼で大人気のスタイリスト。YouTubeやインスタライブで見せるキャラクターにもファン多数。
“気に入ったらとことん。好きなデニムは減価償却できるまではき倒す”
「パッと合わせやすくて、手入れもいらない、自分にとってストレスがないのがデニム。だからというか、同じものをずっとはき続けるクセがあるんです。でも、たまには挑戦しないとファッションが止まっちゃうし新しい定番に出会う機会を失うのも嫌。飽きるまでとことんはきつつ、意識的に次に切り替える。その繰り返しですね」
今のお気に入りはこれ!
最愛デニム5days
《DAY1》オールブラックで打ち合わせへ。レイヤードしやすい丈感にこだわりが
《DAY2》ロケの日にキリリ。ベージュワントーンは満足のいく発色がキー
《DAY3》インスタライブのアイディアを練るのは、きれい色でリラックス中に
《DAY4》ストレッチ入りのリーバイスは、動きやすさも
《DAY5》借用の日のワンツーコーデに、新しく買ったワイドを投入
スタイリスト
吉村友希さん
よしむら ゆき●上品で好感度高く、スタイルアップもかなうスタイリングが大好評。理論的なワードローブ術を駆使するスタイリスト。
“ワンピの長所は、悩まずにスタイルが決まること。真のエフォートレス服なんです”
「『簡単におしゃれでいられること』。ワンピに求めるのはこれに尽きます。一枚で決まるテキスタイル、スタイルよく見えるシルエット、シーズンレスに着られる素材感など、チェックすべきポイントをクリアした一着に出会えたら、至福!」
Q.いちばん使えるのはどんなワンピですか?
Q.一枚でスタイルアップ、本当にできる?
Q.一年中、同じワンピで過ごせますか?
A. 《プリントキャミワンピ》なら、4シーズン着倒せます!やってみました!
《冬》はスポーティ。スカート風に着こなして!
One-piece/christian wijnants
Coat/ATON
Tops/SONO
Bag/BALENCIAGA
Shoes/SALOMON
Q.冬シーズンの最後までマンネリせず着られる?
Q.これから狙うべきワンピースはどれ?
Q.ワンピでつくる、最新の甘辛バランスを教えて!
フレイ アイディー プレス
三谷麗子さん
みたに れいこ●フレイ アイディーのプレスとして、各女性誌に登場。公式サイトでも、TPOに合わせたファッションを提案。
“服の素材を熟知し、肌やボディの見せ方でムードを加味。大事なのは「質感」づくりです”
「ブランドのプレスとして、やはり服の魅力を引き出したい、という気持ちは常にあります。自分の体や肌も、ファッションの一部として考えて、普段の着こなしには「女性らしさ」を意識。そうすることで自分らしく、みんなにも提案しやすいスタイリングが自然に浮かぶのかもしれません」
ざっくりニットはヘアと肌を艶っぽく
フィット&フレアでボディラインを強調
アシメな襟元で、視線をとらえて
ポロカラーこそボディコンシャスに
タック&ボウタイなど縦の落ち感で大人の甘さを
きれい色のセットアップは、とろみと光沢感重視
ジャケットのインにはシアーなインナーを
エディター
東原妙子さん
ひがしはら たえこ●数々のファッション誌、カタログなどを手がけるエディター。「uncrave」クリエイティブディレクターも務める。
“アウター丈とインのテイストは“短×甘”“長×辛”のバランスを守れば間違いなし”
「ここ何年も、クローゼットにはロングかショート、両極端の長さのアウターしかありません。体をきれいに、さらに高見えするデザインを手に入れたら、仕上げはインのコーディネート。アウターの丈に合わせて、バランスよく見える甘さと辛さの配分をマスターしておけば、トレンドが変わっても大丈夫!」
【LONG】柔らかなロングガウンのインはシャープにコーディネート
【SHORT】カジュアル感のあるブルゾンはガーリーなニットワンピを
ビームス プレス
三條場夏海さん
さんじょうば なつみ●ビームス プレス。社内新規事業コンテストの優勝企画として、「ビームス サロン」のディレクターに就任。
“着なきゃいけないからじゃなく、自分のためのドレスアップは、楽しい!”
「コロナ禍で華やかな集まりの場は減り、逆に働き方は多様化した今、お仕事服にこそちょっとドレスアップ要素が必要なんじゃないかなと思います。一枚で主役感がある、日常+αの服を選ぶようになってから、何着て行こう?と悩んだり、あれ着なきゃ!と義務感で着ることがなくなりました」
@ミーティング
@デスクワーク
@ランチタイム
[辻 直子さん] 撮影/金谷章平(人) ヘア/shuco〈3rd〉 メイク/Nagisa〈W〉 ⒸEverett Collection/アフロ、ZUMA Press/アフロ [百々千晴さん] 撮影/川﨑一貴〈MOUSTACHE〉(人) ヘア&メイク/山本夏未 [吉村友希さん]撮影/花村克彦(人) ヘア&メイク/YUMBOU〈ilumi.ni 〉 [三谷麗子さん・東原妙子さん]撮影/イマキイレカオリ(人) [三條場夏海さん]撮影/花村克彦(人)
撮影/魚地武大〈TENT〉(物) 取材・原文/久保田梓美 構成/岩鼻早苗〈BAILA〉 ※BAILA2021年2月号掲載
【BAILA 2月号はこちらから!】