30代・40代の生理のお悩みや疑問に、人気産婦人科専門医がお答え! 今回は、「生理が1カ月来ないとき」について聞きました。
生理が1カ月来ない……病院に行くべき?
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30代・40代女性の、生理が1カ月来ないことに関する「リアルな生理悩み&疑問」!
・「中学生の頃から生理は27日周期。早まったり、遅れたことがまったくなかったのですが、この間はなぜか40日来なくて……。妊娠の可能性はなかったのでそのままにしていたのですが、何か病気ではないかと心配に。ただ翌月からは普通に27日周期で来たので、病院に行くべきか迷っています」
・「昔から生理があまり来ない体質。おそらく身長のわりにかなり体重が少ないせいかと思うのですが、大体60〜90日周期くらいです。半年くらい来ないこともありますが、ラクなので放置状態です」
医師がお答え!
産婦人科医。日本赤十字社医療センター、済生会中津病院、都内クリニックで副院長を経て、2023年春、神谷町WGレディースクリニックを開業。すべての女性のかかりつけ医でありたいとの思いで日々診察を行う。わかりやすい解説で雑誌、テレビのコメンテーター、ドラマの医療監修などとしても活躍中。
生理が1カ月たっても来ない……これが2度続いたら病院を受診して
「今回だけ生理が1カ月来ていないなら、少し様子をみてよいと思います。もし妊娠の可能性がゼロではないという人の場合、まずは妊娠検査薬を使って検査をしてみて、陰性であれば様子をみましょう。
ですが、生理が来ない状態が常態化してしまっている、生理が1〜2カ月遅れることが何カ月も続いている人は、早めに病院に行ったほうがいいでしょう。目安としては2カ月続いたら、必ず病院に行ってほしいですね」
ホルモン異常、ストレス、多嚢胞性卵巣症候群など、無排卵には様々な原因が
「生理が1カ月に1回起きる理由は、排卵が1カ月に1回起こるから。何らかの理由で排卵が来ないと、生理がいつ来たらいいか分からなくなってしまって、2週間に1回来たり、逆に2カ月、3カ月あいたりするんですね。こまめに生理が来るケースと、全然来ないケース、どちらもその原因は一緒。排卵が来ていないせいなんです。
問題は、排卵をしない理由がどこにあるかです。ホルモンの異常、甲状腺ホルモンの異常でバセドウ病といった病気が潜んでいるケースもあります。
ストレスが原因という場合も多いですね。引越しや転職がストレスになって、排卵が起きない方も多いんです。意外かもしれませんが、暑さ寒さが体にとってはストレスになって排卵が起きないことも。ですから1度だけ生理が遅れたのであれば、そういった一時的なストレスが原因の可能性も考えられます。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの排卵が起きにくい体質で、何か月も生理が来なくても特に問題ないケースもあります。多嚢胞性卵巣症候群は妊娠しづらいなどの影響があるので、早めに受診をして自分の体質を知っておくことで、妊娠したいと考えたときに対策を立てやすくなるというメリットが。ニキビができやすい体質でもあるのですが、原因が分かれば適切な治療を受けられるはずです」
生理が半年来ないと子宮が小さくなって、妊娠時に不利となる可能性も
「質問者さんのように半年以上生理が来ない状態を『ラクだから』と放置して、受診しないでいた、という方も多いです。
ですが、3カ月以上生理が来ない状態の人は、子宮体癌のリスクが上がるとも言われているので、受診したほうが安心です。
また、半年生理が来ない状態が続くと、子宮が萎縮して小さくなることも。妊娠したいと思った時に不利になりますので、適切な治療を受けて、2〜3カ月に1回は生理を起こしてあげるようにしたいですね」
生理が遅れることが続く場合は、原因を知るためにまずは受診を。
取材・文/櫻木えみ