【医師が回答！30代・40代の生理悩み＆疑問まとめ】生理がだらだら続くのは問題？水っぽい原因は？

30代・40代の生理悩みに医師がアンサー！　今回は生理が水っぽい、膜のような塊が出た、だらだら続く…などのお悩みに、いけした女性クリニックの池下育子先生がお答え！

【監修】

「生理初日〜2日目の血が、薄ピンクでごく少量です。その後、赤黒い〜黒の出血が４〜5日ほど続きます。最初の薄ピンクは何が原因なんでしょうか？」

「絵の具の筆を洗った水のように、薄くサラサラした血で、色も鮮血より少し薄いくらいの出血の場合は、生理が始まった“おしるし”的な出血の可能性があります。一方で、病気が原因で薄い血が出ている可能性もありますので、思い当たる場合は診察が必要です。極度の貧血になっていることもあります。薄い血が出る期間が3〜4日と長めに続く場合も要注意です。卵巣機能の低下や、何らかの病気の可能性がありますので、婦人科で診察を受けましょう」

「生理中に突然2cmほどの膜のようなものが塊で出てきました。色は赤黒いのですが、形状はまるで湯葉のような。これって、子宮に何らかの病気があるということ！？ 病院に行くべきなのかと思いつつ、ナプキンを捨ててしまったので行けずにいます……」

「もともと生理の血はドロドロしているもの。単に血液だけが出るわけではなく、子宮内膜から、様々な分泌物が全部剥がれて、一緒に出てくるわけですから、膜のような塊になっていても問題ありません。手を切ったときのようなサラサラした血とは別物なんです」

「立った瞬間に生理の血がたくさん出るのですが、これっておかしいですか？ 座っているとき、子宮の中に血を溜めこんでいるということ？」

「長時間椅子に座っていたあとは、寝ていて起き上がったときと同じく、膣円蓋部に溜まっていた経血が、立ち上がったときに一気に出てきます。子宮から一気に出るわけではなく、腟内でプールしていた経血が出てくるんです。経血がドバッと出ること自体には問題はありません。また、筋肉の量も影響があるでしょうね。椅子から立ち上がるとき、下半身の力が抜けてしまいがちなのですが、骨盤底筋や腹筋で腟をキュッと締めて立ち上がるようにすると、そこまでドバッとは出ないものです」

「生理は1週間で終わるイメージなのに、最近は8日目まで出血がだらだら続くことも多くてしんどいです。子宮筋腫などの疾患はないのに、なぜ長いのでしょうか？ 生理が長すぎて、トイレに行ってナプキンを変えるのも億劫になっています。ちなみに、ここ数年は週5テレワークでずっとPC前に座っている生活です」

「生理中に寝る体勢でいる時間が長い人。体を動かさず腹筋をあまり使わなかったり、腹圧をかけないでいると、膣円蓋部に経血が溜まってしまい、生理期間が長引きます。意外と多いのが、温めすぎの人。温めすぎると子宮もゆるみがちになり、血管が開いた状態になり、経血の量は増えます。長時間の温めは生理が長引くことにつながると覚えておきましょう」

「10代、20代の頃は生理期間が5日と決まっていたのに、最近は6日目、7日目も茶色っぽい出血がダラダラ続いています。おりもの混じりでニオイも気になるし、早く血を出し切りたい！ デートもしづらいし、解決策を探しています」

「生理の終わりかけの頃に、タンポンを併用するとよいでしょう。中に溜まっている経血を吸い取ってくれるので、ナプキンのみの場合より、早めに生理が終わります。『インクリア』のような乳酸配合の膣洗浄ジェルを膣内に優しく入れるのもオススメです。生理の終わりかけに出続ける、おりものシートでも間に合うような少量の経血が、早めに出てきます。古い血の生臭さもスッキリしますよ。」

・「生理7日目、8日目は出血量が少なめ。ナプキンに血が付かない程度の量で、ナプキンを使うのがもったいないので、おりものシートに替えたいけど……大丈夫？」

「少量であれば、おりものシートに替えてもらってもかまいません。生理の終わりがけだけでなく、始まる前も大丈夫です。ただ、おりものシートであっても頻繁に取り替えてほしいですね。感染予防という観点から、長く同じナプキンやシートを当てているのはおすすめできないです。おりものシートであれば、ほとんど経血がない日や冬なら5〜6時間に1度、夏場なら3〜4時間で交換することが望ましいでしょう」

「以前は5日続いた生理が、40代になった今は3日ほどですんなり終わるように。低用量ピルを飲んでいた頃のようにあっさりしていて、すごくラクちんですが、もうすぐ結婚するので、妊活は大丈夫かな？とやや不安も。まだ更年期には早い年齢とはいえ、女性ホルモンが減っていないかと心配。とりあえず大豆製品を食べて、女性ホルモンの補充を心がけています！」

「生理が3日で終わる人は、問題のあるケースとないケース、どちらも考えられます。経血が3日間で一旦少なくなっただけで、その後も少量の出血がダラダラ続くという方も多いです。問題は、卵巣機能が低下しているケース。まず考えられるのは、経血の量が極端に少なくすぐに終わってしまう過少月経。これが3日ではなく、2日以内に終わってしまう場合は、過短月経と診断されます。甲状腺機能の病気が原因になっている場合も。毎月生理期間が短いようであれば、一度婦人科で診察してもらうことが大切です」
 

「とにかく生理期間が長いのが悩み。薄ピンクっぽい、透明感のある出血が始まってから、薄茶色になるまで、ダラダラと８～９日ほど続きます。自分の中では、生理＝1週間のイメージなので、長過ぎなのでは！？と心配」

「婦人科的には、経血が出てから透明なおりものになるまでの期間がだいたい7日間以内であれば正常。おりものシートで足りる程度の経血の日を入れて８日間、9日間でしたら問題ないケースがほとんど。ただ、赤い経血が8日以上続いている場合は、過長月経と呼び、注意が必要です。子宮筋腫や子宮内膜症、子宮頸管ポリープ、子宮癌といった病気がある可能性もありますので、必ず定期的に診察を受けましょう。」

取材・文／櫻木えみ