30代・40代の生理のお悩みや疑問に、人気産婦人科専門医がお答え! 今回は、「アフターピルを飲んでいても妊娠してしまうのはどんなときか」について聞きました。
アフターピルを飲んでも避妊に失敗。妊娠してしまうのはどんなとき?

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30代・40代女性の、アフターピルを飲んでも妊娠するときに関する「リアルな生理・妊娠悩み&疑問」!
・「先月アフターピルを飲みましたが、今月もちょっと不安なので、服用することに。一緒に暮らしている彼も『ドラッグストアで買えるんだし、気になるなら飲んでおけば?』と気軽な感じでアフターピルを考えているみたい。このままでは毎月アフターピルを飲むことになりそう……。こんな飲み方でも妊娠を阻止できるのか不安です」
・「子どもがすでに2人いて、経済的にもう妊娠を考えていません。低用量ピルはなんとなく体に合わず、避妊リングも最初数カ月は血が出ることもあると聞いて使わないことに。夫もコンドームを使うとうまく性交渉ができないため、避妊なしですることも……。アフターピルの妊娠阻止率が気になります」
医師がお答え!
アフターピルを繰り返し飲んでも、いつかは排卵→妊娠する可能性が
「アフターピルは、ホルモンを投与して排卵を遅らせることで妊娠を阻止しようとする薬ですが、性交渉から72時間以内に飲んだとしても、100%妊娠を阻止できるわけではないです。
排卵日前に飲めば、排卵を遅らせて妊娠を阻止。排卵日後に飲めば、子宮内膜の増殖をストップさせて、受精卵を着床しづらくする効果があります。飲むタイミングが遅く、既に妊娠が成立している段階で飲んでも、排卵や着床を止めることができないため、効果を発揮できません。アフターピルを飲むきっかけとなった性交渉ではなく、その前の性交渉で既に妊娠していた、というケースもあるのです。
性交渉のたびにアフターピルを使用すれば妊娠しない、と考えるのは間違いです。ずっと排卵を遅らせられるかというと、そうではありません。いつかは排卵するタイミングがあり、そのときに妊娠する可能性があるのです。ですから、低用量ピルやコンドームと違って、アフターピルはあくまで緊急用の薬として使われているのです。日常的に避妊用途で飲む薬ではないので、そこは勘違いしないようにしましょう」
飲めば必ず避妊できる薬ではないことを男女ともに理解した上で、使用を。
取材・文/櫻木えみ