30代・40代の生理のお悩みや疑問に、人気産婦人科専門医がお答え 今回は、「生理を減らすこと」について聞きました。
生理を止めてしまいたい……。ピルや避妊リングで減らすのってアリですか?
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30代・40代女性の、生理を減らすことに関する「リアルな生理悩み&疑問」!
・「3カ月に一回くらいひどい生理痛で仕事を休むはめに。生理3日目にはケロッと元気になるので、職場ではただのサボりと思われている気がして……。生理痛に効くあらゆることを試していますが、効果なし。病院では低用量ピルをすすめられますが、自然に反すること=体に悪そうと思って、踏み出せません……」
・「以前から生理の血が多いのが悩み。夜用も1時間で埋まったり、ゼリー状のものがドバドバ出てきたりとつらい! ピルを飲んでいたときはラクになったのですが、結婚を機にやめました。40代になり、ピルは血栓症のリスクをあげると医師から説明を受けたので断念。出産は経験がないのですが、ミレーナ(避妊リング)に興味を持っています」
医師がお答え!
帝京大学医学部卒業。1992年、いけした女性クリニック銀座を開業。2020年、東峯ラウンジクリニックへ移転。2021年、月島でいけした女性クリニックを開業。ストレスや加齢などによって起きる女性の心身トラブルに向き合い、幅広い年代の女性たちの相談に乗る。
ピルやミレーナの使用は、婦人科系病気の予防にもつながる
「毎月の生理痛に悩まされている患者さんは、本当に多いです。仕事のハンディキャップになるケースも多いと日々実感しています。また、昔に比べて出産回数が減った現代では、生理の回数が増えたことで、子宮内膜症などの病気にかかる人が増えています。
生理の体への負担を考えると、低用量ピルの服用や、ミレーナは有効です。どちらも続けることで生理の頻度や経血量が少なくなっていくので、かなりラクになります。ピルは飲んで3〜4カ月でだいぶ経血が減る人が多いです。ミレーナは装着して半年ほどはちょこちょこ生理が来ますが、以降は半年に1回程度の人が多いですね。1回の生理期間の出血量が150ml以上ある過多月経や、生理痛に悩まされている人は検討してみてください。
生理は妊娠・出産の準備のために起こるもの。妊娠を希望している時期以外は、自然のままの“月のもの”ではなく、3〜4カ月に1回でも十分だと思います。生理を完全にとめるのではなくて、回数を減らして子宮と卵巣を休ませてあげると考えてみてはいかがでしょうか。
40代半ば以降であれば、ホルモンの値も検査して更年期の時期を念頭に置きながら治療を考えられるので、安心です。毎月の生理がつらい人は、自分のホルモンバランスを知る上でもぜひ婦人科で診察を受けてみてくださいね」
生理悩みがつらい人は、生理の回数を減らすという選択肢も!
取材・文/櫻木えみ