「行ったほうがいいと思いつつ、積極的に行く気になれない」。そんな私たちの本音を産婦人科医の善方裕美先生に相談。今回は、「子宮頸がんワクチンは30代でも打つべき?」「どのくらいの頻度で行くのが正解?」などの疑問にアンサー!
![善方裕美先生](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/22/227bca13-f738-4880-b5b6-5f84c0ef76d5-298x303.jpg)
よしかた産婦人科 院長
善方裕美先生
横浜市立大学産婦人科客員准教授。医学博士。生理にまつわる様々な悩みに、カウンセリング、ホルモン治療、漢方薬、食事、運動など多方面のアプローチで治療を行う。
![『女医が教える 閉経の教科書』](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/29/295dfe32-5c8d-480b-b61c-046211c77c2c.jpg)
『女医が教える閉経の教科書』
秀和システム 1760円
できれば行きたくない気持ちを先生に聞いてみました
子宮頸がんワクチンが必要なのは若い人でしょ?
![子宮頸がんワクチンが必要なのは若い人でしょ?](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/50/507bce73-8a11-4953-a610-da6dad3e5d0e.jpg)
がん化しやすいHPVに未感染ならワクチンを打つことで予防できます
子宮頸がんはセックスによってHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染することが原因で、それを防げるのがHPVワクチン。「このワクチンはセックスの経験がない若い頃に受けないと意味がないと思っている人も多いようですが、そういうわけではありません。HPVにはがん化するタイプとしないタイプがあるので、すでにセックスの経験がある人でも、現時点でがん化するタイプのHPVに感染していないのであれば、HPVワクチンを打つことでその感染を防げるので打つ意味はあるのです。HPVに感染しているかどうかや、どのタイプに感染しているかは婦人科で調べることができます」
「薬」を飲むことに抵抗が…
薬で不快な症状をコントロールするのはむしろ賢い選択です
“結局薬を飲むだけなら行きたくない”という人も。「昔は依存性がある鎮痛剤もあったので、抵抗感があるのかもしれません。でも現在は、生理痛の原因となるプロスタグランジンという物質の合成を抑える作用が主流で、痛みが起きる前に飲んでおくとよく効きます。服用しても数時間後に尿とともに排出され体にたまることもありません。“痛みは耐えるべきもの”ではないし、薬で自分を楽にしてあげるのはポジティブなことですよ」
どのくらいの頻度で行くのが正解?
子宮がん検診は年1回が理想的。何か症状がある場合はもう少し早めに受診を
「婦人科検診の中でも、子宮がん検診は基本的には年1回受けるのが理想的。あとは何か症状があったり、異常が見つかった場合はもう少し短いペースで受診が必要になることもありますが、適切な頻度を担当医に確認すれば大丈夫です。受診し始めると、心のハードルも下がるはず。自分の体をケアする方法のひとつに婦人科があると思っていただけたら」
お金がかかるのも躊躇する理由です
症状があって受診した場合は保険がきき、低用量ピル1カ月分でも1000円未満
金銭的な負担が理由で受診を躊躇する人もいるけれど、費用は高い? 「症状があって受診をした場合は保険がきくので高くありません。たとえば低用量ピルは月経困難症や子宮内膜症の治療には保険適用で、1カ月分1000円未満に抑えられます。ただ検診は自費なので、医師に相談して今必要な検査にしぼったり、自治体の補助を利用するのがおすすめ」
イラスト/いいあい 取材・原文/和田美穂 ※BAILA2022年12月号掲載