自力のオーラルケアではなかなか解決できないホワイトニングの悩み。クリニックに行く前に、まず知っておくべき対処法やメカニズムを解説します! どんなにほかのパーツに気を使っていても、歯がくすんでいたら台無しに。定期的なホワイトニングを取り入れて、清潔感のある白い歯を手に入れて。
アンチエイジング デンタルクリニック恵比寿
小川朗子先生
一般歯科から矯正歯科、審美歯科に精通し、口腔内のエイジングケアを提唱。丁寧なカウンセリングと診察に定評があり、講演会やTV出演など、幅広く活躍している。
Q.ホワイトニングで歯はどこまで白くなる?
A.生まれ持った歯よりも明るくすることができます
「歯の色には生まれつき個人差があるので、ホワイトニングの効果にも差はあります。それでも本来の歯の色よりも数段階は明るくすることが可能。シェードガイドを参考に、理想の明るさにすることが可能かどうか、クリニックで相談を」
Q.どうして歯は黄色くなってしまうの?
A.外的な要因と加齢のどちらにも理由があります
「コーヒーや紅茶、赤ワインなど、色素の濃い飲み物や食べ物を好む人は、それだけ黄ばみのリスクが高いです。また、加齢とともに光の吸収が高まり、それにより黄色く見えてしまうこともあるんです。唾液量が少ない人も、自浄作用が低く着色しやすいので注意が必要」
Q.ホームケアとクリニックでのケアは何が違うの?
A.薬剤の濃度種類が違います
「クリニックでは、ドクターの管理下でのみ使用を許可された高濃度の薬剤を用います。その分1回で感じられる効果もクリニックのほうが高いです。一方ホームホワイトニングは薬剤の濃度は低いものの、気になったときに手軽にできるというメリットがあるので、自分に合った方法を選ぶとよいでしょう」
Q.矯正をしていても、ホワイトニングはできますか?
A.矯正のタイプによっては可能です
「歯の表面にワイヤー矯正をしている場合は難しいですが、裏側のワイヤー矯正やマウスピース矯正であればホワイトニングは可能です」
Q.市販のホワイトニング歯磨き剤は効果はありますか?
A.予防、ホワイトニング後のキープのためには効果あり
「すでに沈着してしまった黄ばみはホワイトニングが必要ですが、ホワイトニング後のメンテナンスとして、着色しにくい状態をキープするという目的で使う分には効果があります。研磨剤が多いものは避け、医薬部外品と表記されているホワイトニング歯磨き剤を選ぶのが正解」
Q.そもそもホワイトニングは体や歯に悪いものではないですか?
A.むしろ歯にいいんです!!
「ホワイトニングの薬剤に含まれる過酸化水素には殺菌作用があり、歯周病菌や虫歯菌を減らす効果があるという研究結果も出ています。薬剤が歯を覆う唾液の膜を剥がすので、歯の状態が一度リセットされ、その後の歯質を強化する効果も。ホワイトニングはいいことだらけなんです!」
Q.ホワイトニングは繰り返し行わなければ元に戻る?
A.メンテナンスしないと色戻りのリスクあり
「1回でも効果は出ますが、黄ばみが強い人やもっと白くしたい!という人は1週間から10日の間隔で3回ほど行ってみて。満足できる明るさになったら、半年に1回のメンテナンスケアで歯の色をキープして。メンテナンスを怠ると、色戻りにより再び黄ばみが出てしまいます」
Q.ホワイトニングにデメリットはありますか?
A.施術中とあとに一時的に痛みが起こること
「ホワイトニングの薬剤が歯に浸透する過程で一時的に染みるような刺激を感じ、ホワイトニング後も知覚過敏になることがあります。一過性のものなのであまり気にしなくて大丈夫ですが、気になるようなら薬剤の濃度を下げたり、治療の間隔を長くするなど、医師と相談してみて」
イラスト/ツルモトマイ 取材・原文/野崎千衣子 ※BAILA2024年6月号掲載