常に襲い来る目のかゆみや鼻詰まりで、仕事に集中できずQOLまで爆下がりに…。少しでも快適に過ごすために、花粉症の基礎知識や最新の対策法を徹底取材。今年こそラクになりたい人、必見です!
1.一度かかると治らない?薬を飲みすぎると効かなくなる?花粉症にまつわるウソ?ホント

まいこ ホリスティック スキン クリニック 院長
山﨑まいこ先生
やまさき まいこ●美容的観点だけでなく、栄養学などの知識を合わせたホリスティック美容、“ウェルエイジング”を提案。
Q.花粉症の流行って日本だけなんですか?
A.「NO!」世界各国で花粉症は起こり得ますが、地域ごとにアレルゲンは異なります
「日本では花粉症を発症する人口が増加傾向にあるため“国民病”と言われることがありますが、日本だけで起きるわけではありません。寒い国では白樺、暖かい国ではイネ科やヤシ科の植物など、アレルゲンは違えども花粉症は存在しています。また、大気汚染が過酷な東南アジアなどでは、汚染物質によるアレルギーも深刻に」(山﨑先生・以下同)

Q.花粉の飛散量は毎年増えている?
A.「YES!」驚異的な猛暑などが原因で飛散量は増加傾向に
「花粉という名前のとおり、植物の開花数が多ければ多いほど飛散量も増加します。近年は温暖化による猛暑で植物の成長が促され、それにより花の開花数も増えているため、花粉の飛散量も年々増えてきています。また大気汚染も進んでいる今、汚染物質が植物に接触することで花粉が粉砕され、さらに肌や粘膜に付着しやすくなってしまうんです」
Q.花粉症のアレルゲンは、スギ・ヒノキ・ブタクサだけ?
A.「NO!」イネ科の植物など、アレルゲンは様々
「最も有名なのが、1月頃から飛散し始めるスギ花粉。3月頃から飛散するヒノキ花粉も春の花粉として有名です。そのほかに、9月にピークを迎えるブタクサ花粉に加え、あまり知られていませんが、5月と9月に増えるイネ科植物花粉、秋口に増加するヨモギ花粉など、1年を通して様々な花粉アレルゲンが存在します」
Q.「この症状が出たらが花粉症」という明確な診断基準はある?
A.「NO!」症状に個人差があるので、明確な基準はありません
「明確なガイドラインはありませんが、日常生活に支障が出るようならクリニックで受診を。眼科や耳鼻科へ行けば、粘膜の状態などから症状を判断してもらえます。また、クリニックによっては血液検査を受けることも可能。血液検査を受ければ自分がどの花粉に弱いかがわかるため、シーズンに突入する前に対処することが可能になります」
Q.春先に感じる肌のピリピリは花粉症に入る?
A.「NO!」肌のゆらぎは物理的な刺激によるものでアレルギー反応ではない可能性が
「目や鼻にも症状があれば花粉症の可能性がありますが、“肌がピリピリする”という症状だけであれば、花粉が肌に付着することで発生する一次刺激によるものが多いです。これは刺激による一過性のもので、大気汚染物質により引き起こされることもあるので、花粉症のようなアレルギー反応とは異なります」
Q.罹患者は若年化しているの?
A.「YES!」大気汚染や生活習慣の変化により、小学生から服薬を始める人も
「前述のとおり、年々花粉の飛散量は増加中。さらにPM2.5などの大気汚染物質の影響で花粉の粒子が微細化していることもあり、アレルギーを発症しやすい環境が整ってしまっているのが現状です。さらに食事が欧米化しているために脂質のバランスがくずれて、免疫機能自体が戦闘モードに。ちょっとした刺激でも過剰に炎症を起こし、子どもでもアレルギー症状が出やすくなっているんです」

Q.一度発症するともう治らないもの?
A.「NO!」大人になってから症状が和らぐケースも
「残念ながら完治は難しいのですが、年齢や生活環境によって症状が緩和するケースがあります。お肉中心の食事から野菜中心の食事に変わったり、仕事をリタイアしてストレスが軽減したり、きっかけは人それぞれ。また、年齢とともに花粉症の原因となる免疫暴走による炎症が起こりにくくなるというデータもあります」
Q.薬を飲みすぎると効かなくなるって本当?
A.「NO!」症状の進行が薬の効果を上回ると“効かない”と感じることも
「花粉症に処方される抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬は耐性ができにくいので、体が慣れてしまうということはあまりありません。薬の効きが悪いと感じるのであれば、症状がより早く進行している可能性が高いです。また、今までは鼻だけだったのに新たに目がかゆくなったり喉がイガイガしたりと、どんどん症状が複雑化していくのも薬が効かないと感じる原因かも」

Q.花粉症にならないように予防はできる?
A.「YES!」生活の見直しやストレスケアなどが有効
「花粉症は、体が異物と闘おうと免疫機能に必要以上にエンジンがかかっている状態。発症しないためには、まず免疫機能の暴走にストップをかけることが大切です。たとえばストレスがかかると自律神経が乱れて免疫機能に悪影響を及ぼしますし、暴飲暴食もその原因のひとつ。まずは生活習慣や食生活を見直すことも効果的です」
Q.できるだけ症状を軽くするために花粉の飛散シーズン前にできる対策はある?
A.「YES!」免疫を高めるビタミンDや炎症に関わる腸活を取り入れて
「大切なのはとにかく免疫ケア。ビタミンDを摂取して免疫を高めるのはもちろん、食事やサプリによる腸活もおすすめ。腸内環境が乱れると悪玉菌が増えてしまい、その悪玉菌から炎症シグナルが発信されて、血液と共に全身をめぐってアレルギー症状が起こりやすくなります。腸内環境を整え、炎症シグナルを発しにくい体づくりをしましょう」
Q.鼻水や目のかゆみ以外の症状もありますか?
A.「YES!」個人差がありますが、頭痛や発熱に悩む人も
「鼻水や目のかゆみのほか、目の充血やゴロゴロ感、喉の違和感や咳など、人によってあらゆる症状が起こります。また、粘膜が炎症ではれることで鼻が詰まり、呼吸が浅くなることも。そうすると倦怠感や集中力の低下、疲労や頭痛に発展するケースまで。炎症が強い人は発熱することもあります」

Q.薬の服薬以外に治療方法はある?
A.「YES!」免疫の舌下免疫療法もおすすめです
「アレルゲンによっては、シーズン前の舌下免疫療法で微量のアレルゲンを体内に摂取し、花粉への免疫を高める治療が可能。ただ、効果を実感するまで1~2年ほど治療を続ける必要があります。ほかには、鼻の粘膜を焼くことでアレルゲンへの過剰な反応を抑えるという治療法も。効果は永久的ではありませんが、すぐに症状が軽減することがいちばんのメリットです。まずは信頼できるクリニックで相談をしてみて」
2.これで花粉症が和らいだ!乳酸菌サプリメントほか〈食べ物&飲み物9選〉
MeToday ゼスティーレモン スーパーハニー

お湯に溶かしてハチミツレモンに♡
「レモンとプロポリスをブレンドしたハチミツは、花粉による不調が続きやすい季節のお守り的存在です」(編集ピロイ)。マヌカハニーとスーパーフードの最強タッグ。250g ¥2376/コスメキッチン
大正製薬 新ビオフェルミン®Sプラス錠

ロングセラー名品はコスパもタイパも抜群!
「アレルギーや炎症には急がば回れの腸活ケアがいちばん! 生きた乳酸菌が効率よく働いてくれるのを実感」(美容ライター 長田杏奈さん)。腸内フローラを整える4種の乳酸菌を配合。[指定医薬部外品]550錠 ¥4114
自分にフィットする黄金トリオで腸内環境整備
「花粉症対策のキモは、いかに腸内環境を良好にできるか。長年の取材を通して、自分に合った“乳酸菌+上質なオイル+食物繊維”の組み合わせにたどり着きました。腸内がスピーディに整うのが目に見えてわかり、花粉によるかゆみも鼻のぐずぐずもピタッと解消」(美容ライター 中島 彩さん)。
ニチニチ製薬 プロテサンR

1包に1兆個の乳酸菌を含有。1.2g×62包 ¥13824
THREE リズムセレニティ コールドプレスド オイル フラックス

脳と体の健康に有効な亜麻仁油を高鮮度で摂取。180粒 ¥6480
山田養蜂場 はちみつ青汁

生きたまま腸に届く有胞子性乳酸菌と独自開発のハチミツ乳酸菌を配合。4.3g×30包 ¥5076
福光屋 ANP71

甘酒の発酵パワーで健康的に花粉症対策!
「発酵食品がいいと聞き、生活に取り入れやすい甘酒を飲むように。クセがなく続けやすい!」(モデル 佐藤晴美さん)。能登地方の発酵食品から発見された植物性乳酸菌が、腸と体の健康を保つ。150g ¥324
キューピーウエルネス ディアレプラス

免疫も高まるから花粉シーズン前から投入
「お酢の成分をギュッと凝縮。鼻のムズムズやくしゃみ、喉のイガイガが和らぎました」(美容ライター 中島 彩さん)。酢酸菌GK-1が免疫機能を維持しながら、花粉やホコリなどによる鼻の不快感を軽減。60粒 ¥3780
光露園 ミントべにふうき

北海道産のミントで目も鼻もスッキリ爽快
「目や鼻の不快感がスッキリ解消。スティックタイプなので気軽に飲めるのも嬉しい」(美容ライター 長田杏奈さん)。抗アレルギー作用のあるべにふうきに、北海道産ミントをブレンド。0.4g×30袋 ¥1080/本人私物
スピック Lypo-C C+D

肌のバリア機能がアップして花粉症も穏やかに
「毎日4〜5時間おきに1包摂取すると、花粉症によるムズムズ症状が楽になる気が。疲れにも効果てきめん!」(ヘア&メイクアップアーティスト 林由香里さん)。2種類のビタミンをリポソーム化し、スムーズに浸透。30包 ¥8964
毎年花粉症の症状に悩まされているバイラモデル、スタッフが数々のトライ&エラーを経てたどり着いた対策方法を紹介! 少しでも快適に過ごすために、日々の行動にもこだわりが。ちょっとした心がけで取り入れられる生活の工夫をのぞき見!
3.よもぎ蒸し、日々の入浴、アイケアほか症状が和らいだ〈5つの行動〉
よもぎ蒸しでメンテナンス(ヘア&メイクアップアーティスト 林由香里さん)
「よもぎ蒸しをすると直後から代謝がよくなるのを実感。悪いものをデトックスできるから、鼻の詰まりや目のかゆみが格段に楽になります。もともと温活目的でしたが、春先は花粉症への効果も実感」(ヘア&メイクアップアーティスト 林由香里さん)

林さんのおすすめは…marian 三軒茶屋店

●東京都世田谷区太子堂 4の8の2 1F
☎090(5620)3600
よもぎ蒸し(初回)¥4950
@mariran_
刺激物を控える
「辛い食べ物や香辛料を使ったカレーなどは、粘膜を刺激して花粉症の症状を悪化させると聞いたことが。それから花粉シーズンはなるべく我慢するようになりました」(編集長中川)

帰宅したらすぐにコンタクトを外す
「花粉の付着による目のゴロゴロ感が気になるので、帰宅したら即コンタクトを外します。さらに抗炎症成分&抗ヒスタミン成分が入っている洗浄薬でかゆみの原因をさっぱりオフ!」(編集ピロイ)

家に帰ったらお風呂へ直行!
「目に見えない花粉ですが、衣類や髪の毛、肌についているかも……と思うと玄関からお風呂に直行したくなります(笑)。すぐシャワーを浴びるとかゆみやムズムズ感が鎮まります」(モデル 佐藤晴美さん)

髪を結んでぼうしをかぶる
「服よりも髪のほうが花粉の付着量が多いと知り、家に花粉を持ち込まないためにまとめ髪と帽子が定番に。髪の油分が多いと花粉がつきやすいので、ヘアオイルも使わないようにしています」(美容ライター 長田杏奈さん)

4.花粉をブロック!メガネや除菌スプレーなどプロテクトアイテム&自宅で使える鼻洗浄器
リセッシュ 除菌EX プロテクトガード

すぐにクリーニングに出せない衣類に愛用
「ささっとスプレーして乾かすだけでOKだから、洗濯機洗いできないお洋服もストレスなくケアできます」(モデル 貴島明日香さん)。消臭・除菌しながら花粉の付着をカット。香りが残らないタイプ 350ml オープン価格/花王
Zoff PROTECT 2WAY GLASSES

ファッション感覚で花粉対策できる超優秀メガネ
「メガネをかけるだけで花粉の付着を防ぎ、目のかゆみがかなり軽減。フレーム大きめでトレンドをしっかり押さえているのも高ポイント」(編集長中川)。着脱可能なフードが花粉をブロック。全6種 ¥8800/ゾフ カスタマーサポート
東京鼻科学研究所 ハナクリーンα

ツーンとした刺激もなく鼻の内部までスッキリ
手動ポンプ式の鼻洗浄器。専用洗浄剤を使えば、イヤな刺激なく鼻うがいが可能。「かかりつけの病院で教えてもらって以来愛用。自分ではどうにもできない鼻奥のムズムズも解消」(編集長中川)。(洗浄剤30回分つき)¥9350
dプログラム アレルバリア ミスト N

メイクの仕上げに欠かせない相棒的存在
「オイルと化粧水の2層式でしっかり潤いケアできるのも優秀」(美容ライター 長田杏奈さん)。「花粉ブロックというとケミカルなものを想像しがちだけど、赤ちゃんも使えるくらい肌に優しい処方で安心して使えます」(モデル 貴島明日香さん)。嬉しい皮脂くずれ防止成分も配合。57ml ¥1650/資生堂
キュレル 着る角層ケア・ヴェールクリエイター

花粉刺激でヨワヨワ状態の肌が一晩で健やかに
極薄ベールで睡眠中の肌を保護しながら潤いチャージ。「花粉が多い日は、日中にもヴェールをかけて付着を阻止!」(モデル 佐藤晴美さん)。「何をしても治らなかった目まわりのかゆみが、スッと鎮静」(美容ライター 中島 彩さん)。着る角層ケア(カートリッジ)¥6600、ヴェールクリエイター(本体)¥29700(ともに編集部調べ)/花王
撮影/橋口恵佑 取材・原文/野崎千衣子 ※BAILA2025年4月号掲載