誰もが一度は経験したことのある睡眠のお悩み。今回は朝のお悩みをお届け。もう繰り返さないために、睡眠に関する研究を行う東京科学大学教授 駒田陽子先生と、睡眠改善インストラクター・公認心理師 小林麻利子さんがズバリお答えします!
休日に寝だめをする生活。たっぷり寝てもすっきりできない

寝だめはできません! 睡眠時間の急激な差で脳は時差ボケ状態に(小林さん)
「平日は24時〜6時、休日は26時〜10時など、睡眠時間と時間帯を大きく変えるのは、体内時計を乱れさせる原因に。日中の活動時間帯に2時間以上の差があると社会的時差ボケ状態に陥り、体も脳もだるいだけでなく休み明けがつらい状態になります。そもそも平日の睡眠負債が蓄積している状態なので、睡眠の質を高めると同時に、たとえ布団の中にいても平日と同時刻にカーテンを開けて光を浴びるなど、ちょっとした工夫ですっきりとした生活になります」(小林さん)
「寝だめという発想は危険! 日々の睡眠時間が安定しないことで、体のリズムはガタガタに。睡眠負債は“おまとめ返済”できないので、睡眠時間を前後に延ばしながら“コツコツ返済”することが大切です」(駒田先生)
7~8時間寝てもスヌーズ、スヌーズで二度寝。朝起きたときがいちばん疲れている

最初に目が覚めたときがいちばんベストな起床タイミング!(小林さん)
「通常朝方は自然に眠りが浅くなるので、実はいちばん最初に目が覚めたときがすっきり起きられるタイミングなんです。寝起きは誰もが“睡眠慣性”という寝ぼけ状態になりますが、それをまだ寝たりないと勘違いしてまた眠ると、深夜にしか出現しない深い眠りが出現します。脳は光でしか朝を強く認識しないので、目が覚めたらカーテンを開けることが先決! 脳の司令塔が働き体内時計が整うので、すっきり目覚めてスムーズに活動を始められます」(小林さん)
「起床時は睡眠慣性が働くので、“もっと寝ていたい”と思うのは当たり前のこと。活動するうちに眠気が覚めれば問題ありませんが、起床後1時間たっても眠気やだるさが続くなら、睡眠時間が足りていないサインかも」(駒田先生)

東京科学大学教授
駒田陽子先生
東京科学大学に研究室を構え、日々睡眠に関する研究を行うプロフェッサー。日本睡眠学会の幹事も務める。

睡眠改善インストラクター・公認心理師
小林麻利子さん
睡眠×美容の個別カウンセリングの先駆者。13年・4000人以上指導。科学的根拠に基づく指導で信頼を築き、雑誌・TV出演多数。
イラスト/澤村花菜 取材・原文/野崎千衣子 ※BAILA2025年8・9月合併号掲載

























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