誰もが一度は経験したことのある睡眠のお悩み。今回は夜のお悩みをお届け。もう繰り返さないために、睡眠に関する研究を行う東京科学大学教授 駒田陽子先生と、睡眠改善インストラクター・公認心理師 小林麻利子さんがズバリお答えします!
寝ようと思っているのに目がさえちゃう…。疲れているのに寝つけない。

脳は疲れていても体が疲れていないと寝つきが悪くなります(駒田先生)
「リモートワークが定着したこともあり、現代人は頭ばかりが疲れて体はあまり疲れていないというケースが多くみられます。軽いジョギングやウォーキングなどで体を動かすと、疲れて眠りやすくなります。また、『眠らなきゃ!』というプレッシャーで体と脳が緊張して眠れなくなることもあるので、お風呂で温まったりストレッチしたり、心身をリラックスさせることも大切です」(駒田先生)
「脳が熱い状態なのかも。脳の深部体温が急降下すると眠りにつきやすくなるので、睡眠の1〜1.5時間前に40度のお風呂に15分、首のつけ根まで浸かる“完全浴”がおすすめです。その後体温がしっかり下がりはじめ、就寝時に体温がベストな状態になるようにコントロールするのも◎」(小林さん)
連続して朝まで眠れず夜中に目が覚めてしまう。そしてそこから眠れなくなる。

布団=眠れない場所と脳が記憶しないように一度気分を変えてみて(駒田先生)
「夜中に目が覚めてしまった場合、まずそのまま瞳を閉じてリラックスしましょう。それでも眠れない場合は、一度布団から出て気分を変え、眠気を誘うことが大切です。布団の中で携帯を触ってしまうとどんどん脳が覚醒し『一度目が覚めると眠れない』という概念ができてしまうので、布団=眠くなる場所という概念を刷り込むことが重要」(駒田先生)。
「夜中に目が覚めてスマホで時刻確認し、『あぁまた起きてしまった』と考えること自体が血圧や体温を上昇させて覚醒モードをONにします。脳波上は誰もが夜中に起きているので、まずは起きたことに気づかないふりをして眠り続けるのが正解。ゆったりと呼吸を繰り返すうちに自然な眠気が訪れるはず。焦らず、慌てず、落ち着いて行動を」(小林さん)

東京科学大学教授
駒田陽子先生
東京科学大学に研究室を構え、日々睡眠に関する研究を行うプロフェッサー。日本睡眠学会の幹事も務める。

睡眠改善インストラクター・公認心理師
小林麻利子さん
睡眠×美容の個別カウンセリングの先駆者。13年・4000人以上指導。科学的根拠に基づく指導で信頼を築き、雑誌・TV出演多数。
イラスト/澤村花菜 取材・原文/野崎千衣子 ※BAILA2025年8・9月合併号掲載

























Baila Channel



















