ひょうひょうとしていて、あまのじゃくで、一見クール。でもその中身は、周りの人を気づかう包容力でできていた! そんな中村倫也さんの優しい言葉の数々に、惚れ直すこと間違いなし。3月12日に公開される映画『ウェディング・ハイ』の新郎役にも注目です。
結婚式に消極的な新郎を演じてみて感じたことは?
映画『ウェディング・ハイ』で僕が演じた新郎の彰人は、率先して式の内容を決めない優柔不断な男。それが人によっては頼りなく見えたり、冷たく見えたり、キャイキャイ言ってる彼女につきあってがまん強い男だなーと感じる人もいると思います。僕から見た彰人は「悪い奴じゃねーな」って感じ。本音では「どっちでもいーよ」と思っていても、ことを荒立てないように立ち回る要素は僕の中にもある。それに、隣にいる人の気持ちをおもんぱかることは人づきあいをする上で大事だと思いますからね。
いつかしてみたい理想のプロポーズのシチュエーションは?
どうせやるならドヒャーッとしたアホなことをして笑わせたい。リングを中に仕込んだ花束を海辺で渡して、それが突然爆発! 砂浜の中からリングを探すのが初の共同作業…みたいなね(笑)。
もしも自分が結婚するなら結婚式を挙げると思う?
僕自身はやってもやらなくても、どっちでもいい。結婚する相手がどうしたいかによるかなあ。でももし、彼女もどっちでもいいって人だったら「やっておこうか?」って言うと思います。季節の行事でもイベントでも何でも、やらないよりは人生やっておいたほうがいいんですよ。あとでやっておけばよかったって思うかもしれないし、いいことも悪いことも経験してみないとわかんないから。神父さんに「誓いまーす!」って言って、あとは家族で写真を撮る。それくらいはしたいよね。
相手のために本音を言う派?言わない派?
恋人や夫婦に限らず、仕事の関係においてもあけすけに本音を言うのがいいとは思わない。しょせん他人なわけだから、文化も価値観も正義も違うのは当たり前。それでも一緒にいるってなったら、多少ハマりの悪いパズルもハマっているふりをしたほうが絵は成立すると思うな。だって、“みんな違ってみんなダメ”だからね。相手を否定するより、全部肯定して好きになりたいと思って生きています。不満の芽も愛せるようになったらいいよね。名言!(笑)
これまでに経験した人生最大のイベントは?
誕生かなあ。誕生と死ぬことだったら誕生のほうがデカいイベントだよね。ということは、人生最大のイベントはもう、みんな経験ずみってことだと思う!
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中村倫也
なかむら ともや●1986年12月24日生まれ、東京都出身。’05年映画『七人の弔』で俳優デビュー後は、舞台やドラマなど幅広く活躍。近年では、ドラマ「この恋あたためますか」「珈琲いかがでしょう」、舞台・いのうえ歌舞伎『狐晴明九尾狩』(劇団☆新感線41周年興行秋公演)などに出演。現在、ドラマ「No Activity /本日も異状なし」がPrime Videoにて配信中。3月12日に映画『ウェディング・ハイ』が公開。待機作に映画『ハケンアニメ!』(5月公開予定)、配信作品「仮面ライダーBLACK SUN」(’22年)などがある。エッセイ集『THE やんごとなき雑談』(KADOKAWA)も好評発売中。
『ウェディング・ハイ』
出演/篠原涼子、中村倫也、関水渚
公開/ 3月12日(土)より全国公開
彰人(中村倫也)と遥(関水渚)の結婚式では、スピーチに命を懸ける上司などクセ者参列者が大暴走。プランナーの中越(篠原涼子)は数々の問題を解決しようと奔走する。
撮影/峠 雄三 ヘア&メイク/Emiy スタイリスト/戸倉祥仁〈holy.〉 取材・原文/松山 梢 ※BAILA2022年4・5月号掲載