数ある作品の中から「話題でもまだまだ追いつける」「手軽に読めるのにどっぷり世界に浸かれる」、既刊10巻以下のおすすめマンガを3人のマンガ好きライターが厳選。恋愛もの、旅もの、歴史ものなどなど、12作品をご紹介。
マンガ大好きマンガライター
ちゃんめいさん
マンガと旅を愛するライター
中川 薫さん
女子マンガ研究家ライター
小田真琴さん
きゅん♡
『緑の歌 -収集群風-』
台湾の作家さんの注目作。ジャケ買いが大当たり!!(小田真琴さん)
高妍著
KADOKAWA 全2巻 858円〜 完結
松本隆&村上春樹によるスペシャルな帯に思わず「帯買い」したものでしたが、大当たりでした。加齢すると縁遠くなる最たるものが恋愛と音楽。その二つのきらめきを誰もが懐かしさとともにたっぷり浴びることができる秀作です。(小田)
『WITCH WATCH』
篠原健太著
集英社 1〜7巻 各484円
ドジっ娘魔女・ニコがモイちゃんにアプローチする姿がとにかく可愛くて、二人の関係性に胸キュン! だけど、甘いだけじゃなく、ニコの魔法によって引き起こされるトラブル、爆笑必至なギャグ展開も必見。胸キュンと笑いの融合をぜひ!(ちゃんめい)
『いつもポケットにショパン』
くらもちふさこ著
集英社 全3巻 各968円 完結
私にとっての永遠の少女マンガです。愛らしい絵からあふれ出てくる音楽は、決して聞こえることはないけれど、頭の中で世にも美しく鳴り響きます。なに考えてるんだかわからないからこそ気になる「くらもち男子」の季晋ちゃんが最強。(小田)
ぞぞぞ
『ダーウィン事変』
現代社会への問題提起も。考えさせられる作品(中川 薫さん)
うめざわしゅん著
講談社 1〜4巻 各748円
人とチンパンジーのダブルであるチャーリーを中心に、現代の不寛容で矛盾した社会の問題を提起した作品。テロ組織、国家権力、そして世論の身勝手さに憤りつつ、人間の少女ルーシーとチャーリーの種族を超えた交流に救われます。(中川)
『なれの果ての僕ら』
内海八重著
講談社 全8巻 495円〜 完結
超王道なデスゲーム系のお話ですが、読み進めていくうちに各キャラクターへ抱く感情が急激に変化……! まるで私たち読者もこの“実験”に踊らされて、自身の善悪の概念が覆されていくような不思議な感覚を覚えます。(ちゃんめい)
『かんかん橋をわたって』
草野 誼著
ぶんか社 全10巻 各660円 完結
嫁姑ものの古典的名作。凡百のそれらとは異なるスケール感と熱量、作り込まれた細部と意外性あふれる展開はまさに超一流のエンタメ。やや大仰に言えば家父長制によって分断されてきた嫁と姑のシスターフッドの物語でもあります。(小田)
旅したい!
『北北西に曇と往け』
入江亜季著
KADOKAWA 1~5巻 682円〜
3つの秘密を持った17歳の青年・慧の探偵物語。舞台は活火山と氷河の島、アイスランド。ページをめくるたびに雲が、空が、山が、大地が、圧倒的画力とともに迫ってきて、驚きと憧れがわき上がる。実は、読後にアイスランド旅行を本気で検討しました。(中川)
ほっこり
『島さん』
川野ようぶんどう著
双葉社 1〜3巻 各693円
ベテランのコンビニ深夜アルバイト・島さんの日常を描く人情物語。一度の失敗で「人生詰んだ」と決めつけちゃう人、多くありませんか? 道を踏み外して転んでも、何度だって立ち上がれる。島さんの背中や目が、それを教えてくれます。(中川)
アツイ!
『フェルマーの料理』
小林有吾著
講談社 1~3巻 726円〜
数学オリンピックを目指していた少年が料理と出会い美味しさを“逆算”する、数学×料理の青春マンガ。高校生たちの物語ですが「今まで学んできたことは必ずつながる」という、社会人も心に留めておきたいメッセージ性を感じる作品。(ちゃんめい)
SF・歴史
『日に流れて橋に行く』
日高ショーコ著
集英社 1〜7巻 726円〜
時は明治時代。黎明期にあった日本の百貨店業界を描く歴史マンガです。主人公は男性ですが、これは近代的な都市の発展に伴い、女性が外へと働きに出始める時代のお話でもあります。読み始めたら止まらなくなること請け合いです!(小田)
『猫奥』
山村 東著
講談社 1~5巻 704円〜
舞台は江戸後期の大奥。猫好きなのに猫嫌いと勘違いされている滝山が他人のつれない飼い猫を愛でようと奮闘する物語。ポーカーフェイスをくずさずに「愛でたい」「好き!!」「モフモフする!」と心で叫ぶ行為に共鳴する人は多いはず。(中川)
『日本三國』
松木いっか著
小学館 1~2巻 各715円
武力ではなく“知力”で成り上がっていく、新感覚の歴史物語! 主人公・青輝が、持ち前の知力と雄弁さで敵を倒していくシーン、そして予想外の裏切りや怒濤の心理戦は圧巻。息をするのも忘れるくらい没入してしまいます。(ちゃんめい)
撮影/kimyongduck 取材・原文/東 美希 ※BAILA2022年11月号掲載