プロの目線で韓国ドラマのファッションを解説する連載【韓ドラ部屋】。話題作のチェックに余念がないエディターとスタイリストが今回取り上げるのは、チョン・ソミンとチョン・ヘインのダブル主演が話題の『となりのMr.パーフェクト』。
子供の頃によく遊んだ公園でぺ・ソンニュ(チョン・ソミン)を慰めるチェ・スンヒョ(チョン・ヘイン)。/Netflixシリーズ『となりのMr.パーフェクト』独占配信中
【作品紹介】韓ドラ『となりのMr.パーフェクト』は母親同士が親友の“切り離せない距離の男女”が繰り広げる幼なじみラブコメ
『となりのMr.パーフェクト』
2024年8月17日より配信開始 全16話/Netflixシリーズ 独占配信中
主人公のぺ・ソンニュ(チョン・ソミン)は、グローバル企業に勤め、アメリカで順調にキャリアを積んでいるかと思いきや、何の前触れもなく帰国し、周囲を驚かせる。完璧なルックスの持ち主で、建築家としてアトリエの代表を務めるチェ・スンヒョ(チョン・ヘイン)とは幼なじみで、家も隣同士。
幼い頃から一緒に育ち、母親同士も親友でお互いの黒歴史を共有しているという、韓ドラお約束のキャラクター設定。小さな粉食店(トッポキやキンパなどの軽食を出す店)を営むぺ・ソンニュの両親や二人を囲む友達役に、実力派俳優とライジングスターが集結し、ストーリーを盛り上げている。
勝ち気でおまけに気が短い(けれど繊細な)ぺ・ソンニュが、懸命に次のステップへと向かうために、自分と向き合う様子や、チェ・スンヒョという幼なじみとの関係に引き込まれます。彼女のリアルで、ときにコミカル!?な着こなしについてファッショントーク!
【ファッションの見所 1】ぺ・ソンニュ(チョン・ソミン)が着る、辛口カラーチェックやジャケットスタイル
ぺ・ソンニュが建築事務所開業のお祝いとしてソンニュ(ざくろ)の木をチェ・スンヒョに贈る。/Netflixシリーズ『となりのMr.パーフェクト』独占配信中
陶山:人生がこじれてしまったぺ・ソンニュはチェ・スンヒョとの幼なじみあるある的なからみで笑いを誘うけれど、とにかく口が悪くて、終始怒ってばっかり(笑)。早くハッピーになって~と願いながら、12話まで視聴完了。
イラスト/green K
池田:母と娘のバトルもすごくて、ラブコメ歴代クラスの悪態の応酬ですね。飾り気のないぺ・ソンニュはそこが可愛いのです(笑)。ファッションで言うと、ジャケットとパンツの辛めなスタイルが彼女のシグネチャー。1話でリモワのパステルピンクのスーツケースを引きながら、コソコソ帰国するシーンの服が一番気になりました。後めたい気持ちとは裏腹に、レザージャケット×ブラウンシャツ×デニムで、風船とか持ってますけど……。
陶山:確かに今季らしいジャケットをうまく取り入れている彼女。ミニリュックやローファーの小物使いも洒落てました。無職生活が続くためか、オーバーサイズのチェックシャツをラフに羽織っている姿やオフデイなスウェットスタイルもちょくちょく見かけます。今トレンドのスポーツコア気分の参考になるかも!?
【ファッションの見所 2】建築事務所の社員イ・ナユンを演じるシム・ソヨンはネクストブレイクなおしゃれガール
イラスト/green K
陶山:チェ・スンヒョに真っ向から片思いする、建築アトリエ インの社員、イ・ナユン(シム・ソヨン)も気になる存在。ぺ・ソンニュとは対照的に、働くMZ世代の服はキャラと相まった可愛げが魅力。グレーのカーディガンにパールネックレス、レースのロングスカートにエンジニアブーツという選択はきっとおしゃれ好きですよね?
池田:この子のスタイル、私も気になりました。シム・ソヨンが自身のインスタにもあげていたタンクトップ×フリルのトップス×太めデニムも惹かれます。ネックレスのレイヤードやベルトマークのすみずみまでおしゃれ。あんまり出番が多くないので、もっと彼女のコーディネイトを見たい気持ち。
陶山:今後、注目ですね。ファッション界でも羽ばたく予感♡ ぜひチェックを!
【ファッションの見所 3】スーツでさらに輝く、“Mr.パーフェクト”なチェ・スンヒョ(チョン・ヘイン)
チェ・スンヒョとぺ・ソンニュが母校で小競り合いするシーン。/Netflixシリーズ『となりのMr.パーフェクト』独占配信中
陶山:本作では、シックなモノトーンのタイドアップスタイルをまとったヘイン様がたくさん拝めるのもありがたいところ。韓国で“国民的年下彼氏”として愛されている童顔ビジュは健在だけれど、男らしく、クールで堂々とした彼もいい。実は自身とチェ・スンヒョとのシンクロ率は高めなのでは、と想像したりして。
バナナウユ(牛乳)を持つチョン・ヘイン/Netflixシリーズ『となりのMr.パーフェクト』独占配信中
池田:過去作のロマンス『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』や『ある春の夜に』では周囲に心を砕く、静かなキャラクターを演じることが多かったので、ぺ・ソンニュと口喧嘩を繰り広げるチェ・スンヒョの姿が新鮮ですよね。確かな演技力がまた新しい一面を見せてくれます。今後の展開とともにどれだけ甘くなるかも見物。
陶山:結局、甘くても甘くなくても♡ 個人的には、ラブコメとは一変、韓国で大ヒットした犯罪アクション映画の続編で、チョン・ヘインが新たに合流する『ベテラン2』の公開も待ち遠しいかぎりです。
【もうひとつのケミ】落ち着きと清潔感。チョン・モウム♡カン・ダノの好感度抜群なサブカップル
仕事帰りにお気に入りの松葉ドリンクを飲むチョン・モウム(キム・ジウン)。/Netflixシリーズ『となりのMr.パーフェクト』独占配信中
陶山:ホームドラマのように、母親たちが大騒ぎしながら、子供たちを見守る中で、救急隊員チョン・モウム(キム・ジウン)と記者カン・ダノ(ユン・ジオン)のサブカップルも話題ですよね。キム・ジウンはリーガルドラマ『わずか1000ウォンの弁護士』でどピンクのスーツをまとい、コメディの才能を開花させたペク・マリ役も記憶に新しいところ。
コンビニ前でぺ・ソンニュたちと談笑するカン・ダノ(ユン・ジオン)。/Netflixシリーズ『となりのMr.パーフェクト』独占配信中
池田:私、この正義の味方みたいな二人、好きです。ネットではこちらのケミに共感するという声も多数ありますね。チョン・モウムのシャツやスウェットのカジュアルに女性らしい外ハネセミロング、カン・ダノのトラッドなメガネ姿が可愛いんです。
本ドラマの原題は、『オンマチングアドゥル(お母さんの友達の息子)』で、母親が自分の子供に注意する際の「お母さんの友達の子の○○君はこんなに優秀なのに!」的なニュアンスが含まれているとか。日韓のタイトルに込められた意味まで深掘りしてみると、また伝わってくるものがあって面白い。
残りのエピソードに加えて、今夜も韓国エンタメから目が離せません。次回もまたおしゃれ欲まで刺激する作品をお届けします、アンニョン!