本を買ったけれども、読まずにそのままたまってしまいがちな、「積読(つんどく)」問題。編集者のコレクション&その解消方法を探ってみた!
積読は自分だけの興味が連なる「星座」みたいなものです
博報堂ケトル クリエイティブディレクター
嶋浩一郎さん
1968年生まれ、東京都出身。博報堂勤務を経て ’06年に「博報堂ケトル」を設立。「本屋大賞」の立ち上げや、書店「B&B」の開業にも携わってきた。
「人は欲望を言語化するのが難しい生き物ですが、内に秘めた探求心を引き出してくれるきっかけになるのが、書店へ行ったり、本を買う行為。タイトルや表紙、帯文に魅せられて本を選ぶ。実はこれで読書の8割は完成していると言っても過言ではありませんね。“すべて読まずに置いておく”積読に罪悪感を感じる人は多いと思いますが、ネガティブにとらえなくてもいいんですよ。むしろ『私の興味の地層が積み上がっている』と考えてください。私もオフィス、自宅といたるところに未読の本を重ねていますし、自分だけの関心事が連なった積読は好奇心の星座のようなもの。バイラ読者の皆さんも、自信を持って積読をしていきましょう」
チームBAILAの積読SNAP
幅広いジャンルの未読本は、興味の索引みたい!(副編スガコ)
「中には5年ぐらい前に買った本も入っているかも? 背表紙を眺めていると『まだこれだけの読みたい本がある』とワクワク。実は積読への罪悪感は、少ないほうです(笑)」
短歌や詩など「ことば」の本はゆっくり読みたい(編集ピロイ)
「短歌や詩など『ことば』に関する本が好き。一気に読破するよりも、その時々の環境や、気分によっていろんな味わい方をしたいので、あえて未読の本も残して積んでいます」
新書は第1章を読んで、満足することも…(編集NW)
「ジェンダー、社会学、コミュニケーションなどのジャンルが好きで、“タイトル買い”することも。プロローグや第1章を読むと内容を理解した気になってしまい(笑)、残りはいつか……と思いマイペースに積読中」
大好きな海外文学。時間が取れずにためがちに(編集長中川)
「アメリカ、フランスの海外文学を中心に積読中。翻訳ものは日本語で書かれたものより読むのに時間がかかるため、『ゆっくり読もう』と思ううちに時間が過ぎていきます」
撮影/財津裕也(人)、田村伊吹(物) 取材・原文/石井絵里 撮影協力/UTUWA ※BAILA2025年2・3月合併号掲載