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【働く世代が読みたい本】#堀井美香 さん推薦!“学びの入り口に立つ本”3冊

フリーアナウンサーとして活躍中の堀井美香さんは、今、どんなふうに読書とつきあっている? バイラ読者にぴったりの本とともに教えてもらいました!

堀井美香さん

フリーアナウンサー

堀井美香さん


1972年生まれ、秋田県出身。’95年にTBSに入社。’22年に退社し、フリーアナウンサーとして独立。人気Podcast番組『ジェーン・スーと堀井美香の「OVER THE SUN」』が毎週金曜日に配信中。

読書家とはとても言えないけれど、本に触れる時間は大切にしたい

堀井美香さん

堀井美香さん推薦!「学びの入り口に立つ本」

『獲る 食べる 生きる』

『獲る 食べる 生きる』
黒田未来雄著
小学館 1870円
カナダの先住民を訪ねたことがきっかけで、猟師となり、狩猟生活を始めた著者のドキュメンタリー。「大地の中を歩き、生き物と対峙した人にしか書けない文章に圧倒されます」

『母』

『母』
三浦綾子著
角川文庫 528円
小林多喜二の母・セキの生涯を追った長編小説。「私がセキさんと同じ秋田県出身という親近感もありつつ、その生き様に心打たれるものが。朗読会でも何度も読み、暗記しています」

『お茶の味  ―京都寺町 一保堂茶舖―』

『お茶の味―京都寺町 一保堂茶舖―』
渡辺都著 
新潮文庫 693円
江戸時代から続く茶舗・一保堂に嫁いだ著者が受け継ぐ、知恵と経験をつづったエッセイ。「すべての暮らしには意味があるという渡辺さんからのメッセージに包まれ、心穏やかな気分に!」

大人になるにつれ、人生の真理について問う読書も増えました

「仕事柄、資料として本を読む機会は多いほう。そしてじっくり読みたい本として選ぶのは、新たな学びを促してくれるものが多いです」と堀井美香さん。黒田未来雄さんの狩猟のノンフィクションは、書店でジャケ買いした一冊なのだとか。「普通に暮らしていると、ヒトが中心の価値観に陥りがちですが、自分も生命の循環のひとつに過ぎないんだなという気づきが。著者の黒田さんは、商社勤めから映像制作の世界に入り、現在は北海道で狩猟生活中。ジョブチェンジの仕方もすごいんです。実はこの本をいろんなところで推したところ、ご本人とも交流させていただくようになって。『皆さんに狩猟体験もしてもらっているので機会があれば』とのお声がけには足手まといになる気しかしなくて(笑)遠慮しているものの、視野を広げてもらいました」

堀井さんが、アナウンサーのキャリアの軸足としているのが「朗読」。主宰する朗読会で、読みたい一冊を探し求めるうちに出会ったのが『母』だった。

「プロレタリア作家の小林多喜二の母をモデルにした小説で、何十回と読み返していますが、そのたびにぐっとくる場所が違うんです。多喜二の存在や、約100年前の社会と今との比較に意識が向くときもあれば、主人公である母のセキさんが、信仰を得て救われる姿に心が動くことも。著者の三浦綾子さんはクリスチャンで、キリスト教をベースに小説を書いた方。信仰を持つ方の作品は、根底に深い信念や対話があります。実は若い頃、祖父や父が宗教や哲学をテーマにした本を読んでいるのを見て『一体、何が面白い?』と思っていたのですが。私も相応に人生経験を重ねるうちに、“永遠に解けないけれども、人生の真理について思索を深めたい”という境地に近づいてきたのかもしれません」

そして、こんな心なごむ一冊も。

「『お茶の味』は、京都の老舗の茶舗に嫁がれた渡辺さんがつづるエッセイ。この本は出だしの一行から癒され度満点なんですよ。ああ、私もこうして季節をじっくりと愛おしむ生活がしてみたいな、と。もちろん、伝統を引き継いでいくのは相当な覚悟と努力が必要だと思うんですけれども。読んでいるとうっとりしてしまうし、口の中がお茶の味でいっぱいになります(笑)。友達に、緑茶と一緒に贈っても喜んでもらえるかもしれません

読書は無音が基本。外界の音を遮断し、世界に集中しています

自身を「読書好きだと名乗るのは恐れ多い」と言う堀井さん。でも、本を読む時間はとても大切にしているのだとか。

「作品世界に集中したいので、読むときは無音なのが基本。カフェで好きな本をぱらぱらとめくる……なんてシチュエーションは素敵だと思うものの、私の場合は内容が頭に入ってこないので、できないんですよね。だからこそ憧れる(笑)。じっくりと読書をする場合は図書館にこもるか、ノイズキャンセリングのイヤホンをつけ、本と私だけの時間をつくります

多くの本に触れてきて気づいたのが、私はファンタジー作品やフィクションよりも、ノンフィクションが好きということ。思えば子どもの頃から、偉人伝など、人の生涯を書いた本が好きでした。偉人伝はちまちまと読んでいることに気づいた親が喜んで、10巻以上あるセットを買ってくれたんですが、武田信玄とか、当時は何の興味のない人の話まで入っていて。買ってもらえて嬉しいなと思いながらも気持ちがなえてしまい、読むのを放棄した思い出も(笑)。だから私は特別に本好きな人ではない、というのはお伝えしておきたいです。でもその頃から、リアルを基にした話は好きだったんでしょうね。そして読書から何か学びを得たい気持ちは尽きないのかもしれません」

撮影/財津裕也(人)、田村伊吹(物) 取材・原文/石井絵里 撮影協力/UTUWA ※BAILA2025年2・3月合併号掲載

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