映画アクティビストDIZが、“仕事終わりに映画館で観たい”おすすめの最新映画をピックアップ! 今回は、リアルすぎる15年間のマリッジストーリーを描いた映画『佐藤さんと佐藤さん』をレビュー。
映画『佐藤さんと佐藤さん』
リアルすぎる15年間のマリッジストーリー

©2025『佐藤さんと佐藤さん』製作委員会
30代になると「この先、どう生きるか」を無意識に考える夜が増えるよね。キャリア、育児、役割、期待……。社会が求める“普通”と、自分の中にある違和感の間で揺れることも。本作はそのゆらぎを否定せずそっと寄り添ってくれる、夫婦のリアルな日々を詰め込んだ、出会いから別れまでの15年間を痛いほど繊細に描くマリッジストーリー。
大学で出会って恋に落ち、同棲を経て結婚へと進む二人。子どもも生まれ、満たされる日々が永遠に続くと信じていた。しかし、ライフステージの変化とともに役割も移ろい、仕事と家庭の両立を手放したくない妻と夢を追い続けたい夫は、少しずつすれ違っていく。「このままでいいのかな」と心がゆらぐ夜、スクリーンに映し出される凸凹な夫婦の日々を見つめると、自分の人生と重なる瞬間に“見逃しそうな幸せ”に気づく。
誰かと生きるには絶え間ない努力が必要で、失えば二度と戻らないと教えてくれる本作は、変わり続ける毎日の中で幸せであり続けるために、じっくり未来と向き合いたくなる、一年を締めくくる最高の一本だ。
出演/岸井ゆきの、宮沢氷魚ほか
配給/ポニーキャニオン
全国公開中
これも映画館で見たい!
『12月の君へ』

©︎2025 Elles Films Co., Ltd.
ハン・ソヒ主演。孤独を抱えた二人の少女が出会い、友情と恋心の間で揺れ動く“純白の冬”が始まるクィア・ロマンス。
配給/Elles Films
12月5日(金)より全国公開
『エディントンへようこそ』

©2025 Joe Cross For Mayor Rights LLC. All Rights Reserved
アメリカのリアルを描く社会風刺作。承認欲求の暴走、SNSの陰謀論が引き金で大事件に。すべてを焼き尽くす炎上スリラー。
配給/ハピネットファントム・スタジオ
12月12日(金)より全国公開
イラスト/CONYA ※BAILA2026年1月号掲載

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