今どきの「働く30代女性」の生態を数字から読み解く「BAILAキャリア女子総研白書」。今回は、働く30代女性の変化にフォーカス!
2014年(平成26年)と2024年(令和6年)、働く30代女性は10年でどう変わった? 「BAILA」の中川友紀編集長とビデオリサーチの土屋慶子さんの対談をお届けします。ビデオリサーチによる日本最大級のマーケティング調査「ACR/ex」の客観的なデータと、女性ファッション誌「BAILA」編集部が雑誌づくりを通して長年蓄積してきた編集の“肌感覚”を擦り合わせ!
BAILAブランド統括/編集長
中川友紀
1997年に入社。「MORE」、「SPUR」を経て2010年より「BAILA」編集部に在籍。2023年より「BAILA」編集長。プライベートでは二児の母で大の野球好き。
ビデオリサーチ
土屋慶子
2011年にキャリア入社。リサーチを通じて広告主や広告会社の個別課題解決業務に従事。2018年より、ラジオ、雑誌、CM調査のサービス運用・開発業務に従事。2人の女児の母。
●「ACR/ex」とは:
ビデオリサーチによる、日本最大級のマーケティングデータ。約15,000項目の調査データより、「ヒト」「メディア」「ブランド」の切り口で生活者を捉えることが可能。調査対象は、全国7地区の男女12~69歳。(10,700サンプル ※2024年時点)
30代女性全体の経済力は2014年→2024年の10年でアップ!
土屋:まず前提として、日本の30代女性全体の社会的背景が大きく変化しました。進学率が高まり、働く女性が増え、収入が増えて、経済力が上がっている状況がビデオリサーチのACR/exのデータから分かります。30代女性のうち、正社員として働く人の割合は倍以上になり、世帯年収、個人年収ともにアップしています。
参考データ:「ACR/ex(エーシーアールエクス)」
2024年4月~6月調査・2014年4月~6月調査データ
中川:10年前と比べ、30代の女性の大卒率はぐっと増えていますね。「BAILA」は創刊以来ずっと働く女性をメインターゲットにしているのですが、読者組織のスーパーバイラーズの方を見ていても、責任ある仕事についてポジティブに働く女性が増えてきているように感じます。また、結婚して仕事を辞めるという人は減り、生涯働く前提で物事を考えているのが今の30代。経済力の向上とともに、自立して能動的に働いている印象を受けます。
働く30代女性は、仕事もプライベートも自分でコントロールしたい
土屋:ここからは「働く30代女性」に絞って見てみましょう。
土屋:ワークライフバランスを重視する人の割合は10年前も、2024年の今も、高いのですが、この10年で転職をためらわない人が増加。一方で、仕事より余暇を優先して考える人や、趣味やライフワークに時間を費やす人が増えており、仕事には前向きな一方で、プライベートをより大切にする傾向が強まっているようです。
参考データ:「ACR/ex(エーシーアールエクス)」
2024年4月~6月調査・2014年4月~6月調査データ
中川:人生のワークライフバランスを自分でコントロールしたい、だから転職もいとわないといった人が読者にも増えていますね。収入も上げていきたいのだけれど、でも休日はしっかりキープして、自分の時間も働き方もきちんとコントロールしていこうという意思が強くなってきていることを感じます。
そんな今の働く30代女性の特徴を言い表すなら“知的”で“アクティブ”。読者の方を見ていても、平日は意欲的に働きながら、休日になればブランドのポップアップに出かけたり、音楽を聴きに行ったり、韓国へ旅行したり。フットワークが軽いし、楽しそう。自分の意思とお金で動き回るって、軽やかでいいですよね。
資産運用への感度が10年で飛躍的に上昇
中川:今の30代女性は、経済力が上がっている分、お金の使い方がより賢くなっていますね。
土屋:はい。例えば投資に関して、資産運用に関心がある人は25.8%から61.5%に、積極的に資産運用している人は5.4%から35.6%に、飛躍的に増加しています。
今回「BAILA」が実施した調査でも、NISAを活用している人が半数以上と、かなり高い印象がありました。
参考データ:「ACR/ex(エーシーアールエクス)」
2024年4月~6月調査・2014年4月~6月調査データ
中川:そうですね。「お金」の特集は、誌面でずっと人気のあるコンテンツなのですが、10年くらい前のマネー特集では、投資の記事が最後の2ページ程度だったんですよ。あくまで、どう貯めるかがベースで。今の読者はよりアクティブに、稼いだお金をうまく動かして増やしながら、賢く使うときはきちんと使う。ただ流行っているからというだけでは簡単にモノを買わなくなり、本当に自分に合っているか、気持ちがワクワクする買い物か、ちゃんと見極めている。それを判断するための情報収集も怠らない。今も将来もきちんと見据えたお金の使い方をしている感じがします。
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本記事でご紹介したBAILA×ビデオリサーチ対談や、編集部によるインサイト分析を掲載した「BAILAキャリア女子総研白書2024【抜粋版】」、ならびに、アンケート調査結果全体をグラフにまとめたデータ集「BAILAキャリア女子総研白書2024【詳細版】」は、下記よりご覧いただけます。