伝授してくれたのは…
心療内科医・医学博士 姫野友美さん
ひめのともみクリニック院長。ストレスによる病気・症候群等に関するコメンテーターとしてテレビ番組や新聞・雑誌等で活躍。女性の立場に立った適切でわかりやすいアドバイスは多くの支持を集める。
曹洞宗徳雄山建功寺住職 枡野俊明さん
禅の思想と伝統文化に根ざした「禅の庭」の創作活動を行い、国内外から高い評価を得る。大学教授、庭園デザイナーとしても活躍。ニューズウィーク誌日本版にて「世界が尊敬する日本人100人」に選出。
イラストエッセイスト 犬山紙子さん
鋭い洞察力とユーモアあふれる視点のコラムが人気。雑誌、テレビ、ラジオなどで幅広く活躍。2018年には「#こどものいのちはこどものもの」を発足させ、児童虐待をなくすための活動も行っている。
Case.1 会社の飲み会で、隣の席に座ったたいして仲よくない同僚の愚痴が止まらない
「(心の中で)あ~、チベットスナギツネがしゃべってるな~…」もしくは、思い切り相槌を打ちながら、携帯を見ちゃう
長々と続く愚痴は、何か好きな動物が話していると思えば可愛いもの(笑)。相手はとにかく自分の話を聞いてほしい気持ちが強いので、同僚や友達ならば携帯を見ながら聞くぐらいでも充分だと思います。(犬山さん)
Case.2 後輩に「先輩って本当に“いい人”ですよね~」と言われたら
「えっ!うれしい、ありがとう!どこがどこが?(笑)」
少し含みのあるニュアンスだったとしても、図太道では褒められたら裏読みせず素直に「ありがとう!」が基本。その後冗談交じりに「どんなところがいいと思う?」と尋ねることで、後輩が“先輩のいいところを見つけよう”と考えるきっかけにつながり、結果よりよい関係に。(姫野さん)
Case.3 不機嫌を表に出す人が近くにいてつらいとき
(心の中で)「あっ、そう」
バリアを張ったシェルターを心の中でイメージして、クールにひと言言いましょう。相手に配慮をお願いするのではなく、自衛するかたちで不機嫌を体内に入れない”のがコツです。(姫野さん)
「わっ!(ひとりごとで)びっくりした~」
ビクッと驚くのは条件反射なので仕方のないこと。決して反論しているわけではなく、素直にリアクションをすることでこちらの気持ちを相手に気づかせることができるとベター。(犬山さん)
Case.4 むちゃな締め切りで仕事を大量に振ってくる上司に
「△△は無理ですが、○○ならできます」
自分の現状を伝えるときに“できない”“できる”の両面を伝えると「ではできる部分をお願い」となって、円滑に断れます。(枡野さん)
「えっ⁉(考え込んで)…。(10秒無言)」
すぐ肯定せず「えっ」と一拍おくことで、相手に「今お願いしたのは『えっ』と言われることなんだ」と伝わる。無言も立派な意思表示です。(犬山さん)
Case.5 会社帰りに女友達と「何食べる?」の相談中
「○○か△△か□□なら、どれがいい?」
自分の行きたいお店の三択を作り相手に選んでもらうと、みんなは選ぶ楽しみがあり、どのお店も自分の好きなお店なので、「なんでもいいよ」と答えるよりも、お互いにWin-Winです。(姫野さん)
Case.6 真剣に婚活していることをみんなの前でネタにされた!
(千鳥・ノブさん風に)「私をおもちゃにすな~!(笑)」
ノブさんの、突っ込んでもやわらかくて愛せるキャラクターは図太返しにもってこい。つい自虐コメントで返してしまいがちですが、ネタにした相手に、さりげなくこちらのうれしくない気持ちを伝えるのが大事ですね。(犬山さん)
Case.7 「そういう服が似合っていいね。私なんて○○だから、全然似合わなくて…」と先輩のいつもの自虐が始まったとき
「先輩にそう言っていただけてうれしいです。ありがとうございます!」
相手に嫌な思いをさせず話を切り上げる最適な図太返しは「ありがとうございます」。自虐に対して褒めて返し続けるとキリがないので、先輩を立てたうえで“つきあいすぎない”図太さを。(姫野さん)
イラスト/平松昭子 取材・原文/佐久間知子 構成/山岸成実〈BAILA〉 ※BAILA2020年2月号掲載