コロナ禍で私たちの働き方はどう変わった? 転職・副業・起業を経て自分らしく働くバイラ世代の4人をルポ。30代で初めての転職をしたという本田さん。仕事観を明確にし、業種は絞らずに転職活動をしたことで理想的な職場に出会い、「30代の転職は遅くない」と実感したよう。
【転職】30代で初めての転職にチャレンジ。職種は変えずに異業種に飛び込み出会いと視野が広がりました!
本田未希さん(35歳)
野原ホールディングス(株)にて、秘書業務を担当。役員の執務がスムーズに運ぶよう庶務やスケジュール調整、会議準備をサポート。
キャリアヒストリー
吸収する20代から可能性を広げる30代へ、31歳で初めて転職を決断
9年間勤めた会社から、異業種への転職を果たした本田さん。
「20代では働くなかで社会人としての基本を濃く吸収できたので、転職する考えはありませんでした。ところが30代に差しかかる頃、秘書業務に就いて5年たち仕事のルーティン化を感じるように。業務内で仕事の幅を広げられず、転職エージェントに相談しました」
転職の決断までに2年かかった。
「当初はまだ迷いがありました。ただ、転職活動が自分と向き合ういい機会に。今までのキャリアを洗い出す過程で、『人の役に立つのが好き』『秘書業務を続けたい』『視野を広げて成長したい』といった自分の仕事観に気づいたんです。『一歩踏み出したい』と確信したタイミングで転職を決断しました」
職種は秘書にしぼり、業種はしぼらず転職活動をスタート。3カ月目に働きたい会社に巡り合った。
「大切にしたのは社風です。スピード感がありオープンで一人ひとりが自立している今の会社の雰囲気に魅了されました。出産後の復職率が高い点も決め手に。転職後は業界の違いにプレッシャーを感じましたが、秘書業務の基盤があったことと、周囲のフォローのおかげで日々乗り越えられています」
その後、職場結婚し出産。現在育休を経て、働きながら子育て中。
「復帰して働きやすさを実感しています。社歴の浅い私も『おかえり』と温かく迎えてもらえ、先輩ママさんのお話を聞くのも励みに」
30代の転職は遅くないと語る。
「私にとって30代は、20代で培った社会人としての基本を生かした応用ステージ。そこに立ったところで転職できたことでブレずに新しい一歩が踏み出せました」
Q.転職に必要なのは?
A1 勇気
A2 勢い
A3 正直さ
私も“今はタイミングじゃない”となかなか踏み切れませんでしたが、経験した今勇気を持ち一歩踏み出す大切さを知りました。それには勢いも必要です。仕事に対する自分の想いと向き合い、転職先でも正直に自分を出すことも大事だと思います。
Q.何のために働いていますか?
A.社会や人と自分がつながるため。
自分が生き生き過ごすために必要な時間です。
Q.10年後の自分は?
A.今より仕事の幅を広げて意欲的に取り組みたい
秘書業務にとどまらず、株主総会など役員が携わっている会社の行事でも役に立つことが目標。その伸びしろも含め、今の満足点は9点。子育ても今に比べたら手が離れていることを期待しつつ、仕事と育児をバランスよく頑張っていきたいです。
取材・原文/佐久間知子 構成/田畑紫陽子〈BAILA〉 ※BAILA2021年10月号掲載