知らずしらずのうちに酷使している目。今からケアをしないとどんなトラブルが待っているのか、美と医療のプロフェッショナルが、侮れない眼精疲労について教えてくれました。
かじわら アイ・ケア・クリニック院長
梶原一人先生
丁寧な診察とわかりやすい解説で、雑誌やテレビなど、あらゆるメディアでひっぱりだこ。
トータルビューティアドバイザー
水井真理子さん
エステティシャンとしても活動し、ルーティン化しやすい手軽なマッサージを提案。
Q 今、働く30代の目はどんな状態ですか?
A まばたき不足でオーバーワークぎみです!
健康 の視点から
ドライアイによる眼精疲労が深刻化。若くして緑内障になる人も増えています!(梶原先生)
「スマホやタブレットなどの普及が進み、眼精疲労という言葉が多く知られるようになりましたが、眼精疲労でクリニックを訪れる人のほとんどはドライアイが原因なんです」と語る梶原先生。
ドライアイが起こる原因とは?
「ずばり、涙の分泌量が少ないのが原因です。涙とは、目尻にある涙腺から分泌される水分と、白目表面の結膜から分泌される粘液、まつげの生えぎわにあるマイボーム腺から排出される油脂が混ざったもの。まばたきの回数が少なかったり、メイクなどの汚れで腺をふさいでしまうことで涙の量が減り、角膜を均一に保護できないためにドライアイになってしまうんです。
また、バイラ世代から気づかないうちに緑内障になる人も。緑内障が進行すると視界が欠けたり失明する可能性もあるので、ドライアイの治療も兼ねて定期的に眼科へ」
美容 の視点から
たくさん働いた分しっかり休ませる。肌と同じく、目もとにもいたわりが大切!(水井さん)
バイラ世代の働く目を目の当たりにして、「みんな頑張りすぎ!」とコメントしたのは美容家の水井さん。
「遠くを見たり近くを見たり、現代人の目はとにかく大忙し。そのピント調整のたびに筋肉に負荷がかかり、筋肉が疲れることで血液やリンパの流れが滞ってクマやむくみなどの症状が現れるんです。
また、目まわりの皮膚はとても薄くてデリケート。ちょっとした乾燥や摩擦が大きなダメージとなり、そのダメージが蓄積してくすみやたるみといった加齢悩みを引き起こします。
『目は口ほどにものをいう』という言葉どおり、瞳がくっきり開いているか、瞳がうるんで輝いているかどうかで見た目の印象が大きく変わります。日中の目はたくさんの情報をキャッチし続けているので、その分しっかり休息を取ってあげるように心がけて」
アイコさんの労働環境改善のために今日からできること
目の疲れを改善するには、まず瞳の潤いを取り戻すことが第一! 目を乾かさない生活習慣をマスターして。
1. まばたきを意識的にちゃんとする
「PCやスマホなど、画面を見ることに集中するとまばたきの回数が減り、涙不足の状態に。目が乾く前にまばたきをする習慣をつけて」(梶原先生)
2. なるべく視線を下げて生活する
「まぶたが開くほど露出する面積が増え、角膜が乾燥しやすい。モニターなどを低くし、目線を下げれば露出面積が減り、乾きにくくなります」(梶原先生)
3. エアコンなどの空気の流れを避ける
「一年中エアコンがついている今、その風も目の乾きの大きな原因に。ドライアイの自覚があるならできるだけ風にじかに当たらないように」(梶原先生)
撮影/新谷真衣 イラスト/HONGAMA 取材・原文/野崎千衣子 ※BAILA2023年1月号掲載