2026年夏の話題作、
スーパー歌舞伎『もののけ姫』を
歌舞伎初心者、ジブリ好きな私が原作愛を感じたポイントや、歌舞伎ならではの演出など、印象に残った場面をまとめました。
正しい情報をお伝えしたく、リサーチはしたものの歌舞伎初心者につき、知識や表現が及ばない可能性がありますが、ご容赦いただけますと幸いです。
CONTENTS
はじめに
⚠️本記事はネタバレありです。
⚫︎ジブリオタク目線(原作との比較)
⚫︎エンタメ好き目線(舞台演出の考察)
⚫︎歌舞伎初心者目線(歌舞伎らしい表現の発見)
の3つの視点からスーパー歌舞伎もののけ姫の感想をまとめていきます。
観劇前の方、まだ観るか迷っている方はこちらのネタバレなしレビューを👇🏻
本記事もこちらを読んでからの方がわかりやすいかと思います。

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ジブリオタクが最初に驚いた「歌舞伎との融合」
まず、
「原作リスペクトがすごい…!!」
セリフはほぼ原作通り、シーンは舞台化にあたりセットや時間の関係でカットや変更があるシーンもありますが、逆に追加されているシーンもあり、スーパー歌舞伎もののけ姫を観ることで私はもののけ姫への理解がさらに深まったと感じました。
原作へのリスペクト×歌舞伎ならではの表現
が絶妙な好バランス◎
原作ものであるあるな
「なんか思ってたのと違う…」
「解釈違いだ…」
は一切ありませんでした。
キャラクターは歌舞伎でどう表現された?
見事なもののけたちの擬人化

モロの君
市川 笑三郎さん

乙事主
市川 中車さん
山犬、タタリ神、乙事主などのもののけたちをどう人が演じるのかがわたし的注目ポイントの一つでしたが、歌舞伎らしさとキャラクターらしさが見事に両立されていました!
・豪華な生地を贅沢に使用した衣装
・隈取り(歌舞伎のメイク)
・原作へのリスペクトが感じられるセリフ回し
・歌舞伎らしさを感じられるポージング
など、原作と歌舞伎がここまで美しく融合するのかと驚かされてばかり。
特に流血シーンやタタリ神に変容するシーンなどは衣装に装飾や小道具が追加され、視覚的にもわかりやすかったです。
大きなデイダラボッチや小さなコダマ
シシ神の夜の姿、ダイダラボッチの大きさや迫力は、大道具や照明を用いて、会場全体で表現。
一方、コダマは子役たちによるコミカルな衣装、振り付け、楽器演奏で具現化されていました。
ヤックルが大活躍!
ヤックルが想像以上にヤックル!🦌笑
わたしが1番お気に入りだったのが、ヤックルがアシタカとともに地侍と戦い、アシナカと一緒に見栄を切るところ。笑
原作後半、アシタカが地侍の妨害を受けつつもエボシとサンを森へ探しに行く場面が逃走から戦闘へ変更されたシーンです。
(あの時ヤックルのお尻に矢をいった侍のことを、もののけ姫の中で1番の悪いやつ認定をしています。勝手に。笑)
「ヤックルも戦うんだ!」「アシタカとヤックルがんばれ!」「2人とも見栄切ってるー!!!笑」といった感じで会場も大盛り上がり。
アシタカとシシ神、同じ役者でどう演じ分けた?
主演の市川團子さんは、
アシタカとシシ神の2役と聞いて、両者が一緒に存在する場面はどうするんだ?と、注目していました。
大道具や衣装を着たマネキンを使って幻想的なシシ神を表現したり、場面転換によって観客に連想させたり…
1番おっ!となったのは、アシタカが高六たちを連れて森を抜ける途中、シシ神と初遭遇するシーン。
アシタカがいるのに森の奥にシシ神が登場するではありませんか!
私の見立てだと、アシタカが入れ替わったのでは?と考えています。
高六たちが舞台中央で観客の視線を集めている間に、市川團子さん演じるアシタカが、森を歩きながら舞台奥へ一瞬捌けていきます。すぐにアシタカは戻るのですが、ずっと後ろを向いている状態。
おそらく出てきたアシタカは別の役者さんで、市川團子さんはシシ神の衣装に早替え中。
その後舞台奥から市川團子さん演じるシシ神が登場し、先ほどとは逆の手順で市川團子さんがアシタカとして戻ってきたのではないでしょうか。
ジブリオタク兼エンタメ好きとしては配役発表からずっと気になっていたポイントだったので、舞台ならではのさまざまな工夫を発見することができ、嬉しかったです。
※あくまで私の考察です
久石譲さんの音楽×歌舞伎が想像以上だった
久石譲さんのオリジナル楽曲がふんだんに使用されており、音が記憶を呼び覚まします。
開演時に♪アシタカせっ記が流れ、シシ神の森の緞帳があがっていく様は鳥肌ものでした。
戦いのシーンでは、舞台袖で「ツケ」と呼ばれる附け木を打ち付ける音が役者さんの動きとぴったり重なります。足音や斬り合いの一撃一撃に重みが生まれ、まるで映画の効果音を生で体感しているような迫力でした。
歌舞伎役者さんが本当にすごかった
市川團子さん(アシタカ・シシ神)
特に印象に残った出演者の方々をご紹介します。

原作のタイトル案は当初もののけ姫ではなく、アシタカせっ記だったことはご存知でしょうか?
スタジオジブリ鈴木敏夫さんが宮崎駿さんに相談なく勝手にもののけ姫に変えてしまったというエピソードはジブリ好きの中では有名ですが、アシタカせっ記というくらい、もののけ姫はアシタカの冒険談なのです。
それゆえ膨大なセリフ量、ほぼ全てのシーンに出ずっぱりなアシタカを最初から最後まであの出力で演じ続けられることに感動しました。
発声?セリフ回し?がどこか原作のアシタカに似ていて、ジブリオタク大歓喜。
また、ラストのシシ神の宙乗りは、圧巻。
ひとりで観客を釘付けにする堂々とした姿。
衣装や紙吹雪の演出も相まって、とても印象に残ったシーンでした。
気になって市川團子さんについて終演後調べてしまったのですが、スーパー歌舞伎創始者、二代目市川猿翁さんの孫にあたり、俳優の香川照之としても知られる市川中車さんのご長男。
(中車さんは今回乙事主役で親子共演をしています。)
NHK大河ドラマ豊臣兄弟!にも出演している今注目の花形スターで、BAILAでも何度か特集されたことも。
中村 時蔵さん(エボシ御前)

タタラ場の皆に慕われる温かさと弱きを守る正義感、強いカリスマ性と時に非情な決断を下す冷厳さを合わせ持つエボシ御前を演じるのは、中村萬壽さんのご長男、六代目中村時蔵さん。
凛としたセリフ回しとそのすらりとした体格が、エボシ御前そのもの。
市川 笑三郎さん(モロの君)

もののけ姫サンを育てシシ神の森を守ってきた山犬のモロの君を演じるのは、市川笑三郎さん。
山犬としての勇ましさと、サンに向ける母性の2つの面があるモロの君を見事に演じ分け、「黙れ小僧!お前にサンが救えるか」に代表される森の洞窟でアシタカと対峙するシーンは原作からそのままモロの君が飛び出してきたかのような迫力と再現度。
乙事主との対決シーンも、葛藤が伝わってきました。
TBSドラマ「VIVANT」にも出演中!
市川 寿猿さん(猩々の翁)

森の賢者、猩々の翁を演じるのは、市川寿猿さん。
なんと現役歌舞伎役者では最高齢の96歳!
登場シーンは短かったものの、重みのある演技と存在感で、会場を沸かせていました。
ジブリ好きだからこそ刺さったポイント
風の演出
ジブリ作品では、「風」は単なる自然現象ではなく、感情や世界の変化を表す大切な要素とされています。
原作もののけ姫でも、アシタカがサンと初めて出会うシーンでも風が吹くのですが、なんとスーパー歌舞伎でも風が…!
舞台装置に送風機を組み込み、ちゃんと衣装が風にそよぐ仕様にする…そこまでして原作の再現をしてくれたことに感謝です🥲
終盤で再登場 タタラうた
タタラ場の女達がタタラを踏みながら歌う♪エボシ タタラうたがスーパー歌舞伎版では物語終盤で再登場します。
歌舞伎役者さんたちの表現力、群衆のパワーにより、再興を志す気持ちと、タタラ場への未練の両方が感じられ、良い歌舞伎オリジナル表現だと思いました。
終わりに

劇場内にはメッセージボードも
スーパー歌舞伎もののけ姫は、「歌舞伎版」ではなくさらに原作に深みをだす「もう一つのもののけ姫」でした。
ジブリが好きだからこそ観てほしい。
歌舞伎が初めてでも、きっと”もののけ姫”の世界に引き込まれると思います。
※出演者の方々のお写真は
公式サイトより引用しています。





















































