ドラマも好評の本作。ちゃんとできない大人たちの群像劇『来世ではちゃんとします』
みなさまこんにちは、スーパーバイラーズ清水まやです。
今月のマンガ部ですが、お題は「#めくる手が止まらないマンガ部」です。
突然ですが、みなさんは日常を計画的に『ちゃんと』送ることができますか?
それとも、仕事に趣味に友人に恋愛、色々手一杯になって汚くなった部屋を見ながら『来世に託した』となるタイプですか?
清水は圧倒的に後者です。そんなみなさまにおすすめしたい本があります
『来世ではちゃんとします』
アラサーになっても、出来ないものは出来ないんです。
そんなものは来世に託してしまいたい。でも、趣味に仕事に毎日を楽しんでいる登場人物たちは魅力的。
早速語っていきましょう。
CG制作会社「スタジオデルタ」を舞台に様々な癖強キャラクターが繰り広げる大人の群像劇
何処か拗らせたクリエイターたちの日常。
CG制作会社を舞台に描かれる『様々な大人たちの群像劇』
CG制作会社「スタジオデルタ」を舞台に、
性依存系女子・大森桃江、隠れ処女ギャル・高杉梅、女たらしなイケメン・松田健、処女厨のセカンド童貞・林勝、ソープ嬢にガチ恋中・檜山トヲルなど、
性的にこじらせた者たちの生態を描く。
舞台は「CG制作会社・スタジオデルタ」と言うオフィス。
アニメ制作関連とあり、かなり多忙ななか日々を楽しむ人々の群青劇を描いたオムニバス形式の物語になります。
物語のポイントと言えば、やっぱりキャラクターが、みなみなどこか拗らせているということ。
主人公の桃ちゃんは、たくさんの『そういう異性友達』のいる女の子。
でも本人はいい年をしてそうなってしまった自分にどこか罪悪感と苦しさを覚えながら生きています。
また、私の一番好きな登場人物である、主人公の同僚で友達の梅ちゃんは、見た目は派手であるものの、異性に興味がなく、彼氏が居なくても二次元やそれ関連の創作活動に勤しむことで、楽しい日常を送っています。
この物語ではそんな『普通』の物差しから少し溢れてしまった人々の『あるある』な日常を窺うことが出来ます。
自分が拗らせているという自覚のある人間からすると、まさしく共感の嵐。
私自身は、この梅ちゃんのライフスタイルに非常に近く、彼氏が居なくても全く持って平気。
偏食家かつオタクなため、自分の趣味と友人さえあれば万事オッケーなタイプなのですが、時折、『周りからは理解されがたいもの』を感じることがあるため、傷ついたり少し疲れた際に梅ちゃんに自分を重ね合わせて作品を読むことが多いです。
(梅ちゃんは作中でアリを飼っていますが、私はカメを一匹飼っています)
こちらの漫画の良いところは、こんな形で『自身のマイノリティに寄り添うキャラクター』が必ず見つかるので、自分にとってもエールになるところ。
時代のありかたも変わったのですが、『ダイバーシティー』が推奨される世の中で普通の方っているのでしょうか。
何をもって普通と言って、何をもって普通ではないと判断されるのか。
難しいことがささやかれる世の中でも、自分の好きなことを全力で楽しみ、様々なことに一喜一憂するキャラクターたちは現実よりも遥かにリアル。
そんなスタジオデルタの日常は、自身が生活を送る上で励み、あるいは「エール」になるのではないかと思います。
2020年には内田理央さん主演でドラマ化。
原作に忠実の同じオムニバス形式で作られているため、通勤時間などにも良いかなと思います。漫画が苦手な方にはドラマから入ることもおすすめです。
何と言ってもキャストが豪華。原作の解釈と寸分たがわない。
3期まで放送されており、Amazon Prime Videoなどの媒体でも配信されているので、ぜひドラマもあわせてご覧ください!
オムニバス形式がうれしい。 作中のキャラの成長は必見。
ドラマも連載も大好きな本作。
基本オムニバスなので、時間のない現代人にもサクッと読めるのがありがたいですよね。
しかし、それぞれのお話が繋がっているため後で伏線回収が来たりするのでとても気持ちの良い本作。
個人的には物語は終盤に入ってきているのかなと感じているのですが、それぞれのキャラクターが物語を通し、当初からかなり違った姿を見せているのが『人間らしくていいな』と思います
ぜひみなさまも一緒に本作を読んで『大人のあるある』を体験しませんか?
それではまた漫画のお話しさせてください!