【スタイリスト加藤かすみのupdate BASICS】“今までとはちょっと違う”バランスを教えてくれる3つの「ブーツ」

加藤かすみさんの目線で綴るベーシック連載の最終回は、“今までとはちょっと違う”バランスを教えてくれる3つのブーツ。この先も変化する定番を楽しみながら私たちのアップデートは続く…。

すでにシンプルなショートブーツを持っているなら、ボリュームのあるラバーソールにジュエリー感覚の装飾が光るジミー チュウの一足を。日常に落とし込みやすいサイドゴアで今年のカーディガンやコートに新しさとクセを足してくれるデザイン性が気分。カジュアル見えしないのもいいんです。

次のスタイルチェンジャーとなるストレートな筒のワイドシャフトブーツは、日本人好みのシルエットに出会えるイタリアのコルソ ローマ ノーヴェから選択。初めて見たとき、くびれのないシルエットに驚きましたが、予想外にバランス上手。足もとを重めにしたほうが成立する服が多いのも、今、選ぶ理由。

今回セレクトしたのは、“デコラティブ”“ワイド”“シアリング”という今の気分の“個性”を持つ3つのブーツ。これまでとは違うバランスに仕上げてくれる目新しさと同時に、私たちのベーシックにふさわしい合わせやすさもあって、リアルに楽しめます。毎年同じようなデザインを買いがちで、なにかと似たようなコーディネートになってしまうことが多い人こそ、このアップデートを。共通するのは、ほどよいエッジとボリューム感。スカートにもパンツにも、これくらいキャラクターがあるほうが古く見えず、今っぽくはまります。少しクセがあることで、冬の着こなしが退屈に見えないのもメリットに。

ブーツというと、以前は大きなトレンドやひとつのブランドの流れがあって、たとえそれが足に合わなくても我慢して履いていた記憶が……。でも最近はデザインも価格帯も様々で、選択の幅が広がりました。それぞれにぴったりの一足に出会える機会がたくさんあるので、無理をする必要がなくなったのも嬉しい変化。足もとを変える動機は、世の中じゃなくて、やっぱり自分に合っているかどうかで決めて。

暖かく過ごすための、冬の私の定番に今シーズンはジャンヴィト ロッシで出会いました。ベーシックに使えるタンカラーのシアリングは足首をすっきりと見せてくれるシルエット。長く楽しめるシューズブランドへの信頼に加えて、上質感も女性らしさもすべてある大人のための贅沢なブーツです。

撮影／MELON〈TRON〉　ヘア＆メイク／中山友恵　スタイリスト／加藤かすみ　モデル／佐藤晴美　構成・原文／陶山真知子　※（　）内の数字はヒールの高さで単位は㎝です　※BAILA2023年12月号掲載