おしゃれを楽しむためには欠かせない、日々の洋服の「お手入れ」。シミ抜きの方法や、傷みにくい洗濯の仕方、帽子やサンダルの汚れの落とし方など、今さら聞けない素朴な疑問にスタイリストが徹底的にお答え! 今回は、自宅で洗うのが難しいと思われがちな「リネン素材」のお手入れ方法をわかりやすく解説します。
読者からの疑問「リネン素材って自宅で洗っても大丈夫ですか?」
ナチュラルな風合いが魅力のリネン素材。シワやヨレが心配で、自宅で洗うことに抵抗があるという方は多いはず。読者から、自宅でのリネン素材のお手入れ方法に関する多数の疑問が寄せられました。
「汚れは気になるけれど、色落ちや型崩れが心配でリネン素材のものを自宅で洗うことに抵抗があります。そもそも洗濯機で洗っても大丈夫ですか?」(30歳・商社)
「自宅でリネンの服を洗うと、着られないほどシワシワになってしまいます。簡単に防ぐ方法はありませんか?」(35歳・IT関連)
そんなお悩みを解決していきます!
鷹取さんの回答「リネン素材は、自宅で洗えます!」
「リネン素材は水に強いので、基本的には自宅での洗濯が可能です。ただ、物によっては水洗いができない場合があるので、まずは洗濯表示の確認を。今回は、リネン素材を自宅でお手入れする方法と、きれいに仕上げるためのコツを解説します」(鷹取さん、以下同)
リネン素材のお手入れ方法
水に強いリネン素材ですが、色落ちや風合いを失わないよう丁寧なお手入れが必要。少しの工夫で仕上がりが変わるので、ポイントをしっかり押さえておきましょう。
「リネンを洗濯する際に使う洗剤は中性洗剤。洗濯中の摩擦で素材を傷めないために、洗濯ネットは必ず用意してください。初めての洗濯の時は桶もあると良いでしょう」
【購入後初~2回目の洗濯】手洗いで軽めに
色落ちの可能性があるため、購入してから最初の1〜2回は手洗いのみで済ませるのが無難。「水に浸かっている時間を極力短くすることが重要なので、押し洗いの後に脱水を行い、泡や汚れを落としてからすすぎ洗いをするのがポイントです」
【手順】
① 桶にぬるま湯をはり、中性洗剤を適量入れる
② ①に衣類を入れて、20〜30回ほど押し洗い
③ 衣類を洗濯ネットに入れて、洗濯機で脱水を1分
④ すすぎ洗い
⑤ 再度、衣類を洗濯ネットに入れて、洗濯機で脱水を1分
⑥ 陰干しで乾かす
【3回目以降】洗濯機洗いOK
3回目以降のお手入れでは、洗濯機を使ってOK。「手洗いコース」や「おしゃれ着コース」などの設定でやさしく洗うと、色落ちや型崩れを最小限に抑えられます。
【手順】
① ふわっと大きめに畳み、洗濯ネットに入れる
② 中性洗剤を入れて「手洗いコース」もしくは「おしゃれ着コース」を選択
③ 脱水時間を「1分未満」に設定
④ 陰干しで乾かす
リネン素材の洗濯をきれいに仕上げるコツ
「リネン素材をきれいに仕上げるコツは、洗濯後の脱水時間を『1分未満』(おすすめは15秒程度)に設定すること。水の重みを利用して、シワを伸ばすことができます! 直射日光を避け、日陰でじっくり乾かすときれいな仕上がりに。完全に乾いたことを確認のうえ、軽くアイロンを当てると、パリッとした質感を楽しめます」
おすすめの洗剤3選
おしゃれ着用の洗濯洗剤。ダメージリペア技術で繊維を内側から補修し、汚れをしっかり洗浄しながらも伸びヨレを戻して元通りに。エマール リフレッシュグリーンの香り¥400(編集部調べ)/花王
デリケート素材専用の洗剤。傷付けたくない素材の衣類をやさしく洗い上げる。爽やかなユーカリの香り。デリケート&ウールウォッシュ<おしゃれ着用>500mL¥770/エコストアジャパン(エコストア)
ナチュラルな成分でありながら汚れをしっかり落とし、洋服の風合いはそのまま残す。やわらかな洗い上がりで柔軟剤不要。ランドリーディタージェント 無香料¥2860/リブレ 三宿ストア(リブレヨコハマ)
ポイントを押さえれば、自宅でのお手入れでも美しい仕上がりに! ぜひ実践してみて。
撮影/柳香穂 スタイリスト/鷹取美咲 取材・文/伊佐治里保