おしゃれを楽しむためには欠かせない、日々の洋服の「お手入れ」。傷みにくい洗濯の仕方や帽子やサンダルの汚れの落とし方など、今さら聞けない素朴な疑問にスタイリストが徹底的にお答え! 今回は、「外出先でついてしまった衣類のシミを落とす方法」をわかりやすく解説します。

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読者からの疑問「外出先でついてしまったシミは、どうするのが正解?」
お気に入りの服を着ている日に限って、食事中に食べ物をこぼしてしまったり、コーヒーをこぼしてしまったりしてしまうことありますよね。読者から、外出先でついた衣類のシミを落とす方法に関する疑問が多数寄せられました。
「外出先での食べこぼし。シミを残さないためには触らない方がいいですか?」(33歳・会社員)
「シミに直接水をつけたら、シミの範囲が広がってしまいました。どうするのが正解だったんでしょうか? 外出先でもすぐにきれいにして、シミのことを気にせず予定を楽しみたかったです」(31歳・フリーランス)
そんなお悩みを解決していきます!
鷹取さんの回答「絶対に擦らないことを意識して!」
「咄嗟のことで焦ってしまいますが、絶対に擦ってはダメです! シミが繊維の奥深くまで染み込んでしまい、汚れが目立つ原因となります。まずは落ち着いて、水性/油性どちらの汚れなのかを判断し、適切な処理を行うことが大切。今回は、何も持っていないときにもできる対処方法と、便利なシミ取りグッズを活用した対処方法を解説します」(鷹取さん、以下同)
何も持っていないときの対処法
特別なものは持っていなくても、適切な処理をすれば簡単にシミを落とすことができます。汚れの種類によって使用するものと処理の方法が若干異なるので、水性と油性それぞれのシミ抜き方法を覚えておきましょう。
水性汚れの場合(しょうゆ、コーヒーなど)
しょうゆやコーヒーなどの水性汚れは、水だけで落とすことが可能。「繊維にシミが定着しないように、汚れたらすぐに対処することを心がけて。ただし、洗濯表示を確認し、水洗い不可のものは自分で処理するのは控えてください」
【手順】
① シミがついた布の下に、ティッシュペーパーを敷く

② 上から水に濡らしたティッシュペーパーでたたいて、汚れを落としていく(シミが徐々に薄くなったら、下に敷いたティッシュペーパーを取り替える)

水性汚れなら、水だけでこんなにきれいに。

外側から内側に向かってポンポンと叩くように、下に敷いたティッシュペーパーに汚れを移していくイメージで行うときれいにシミを落とすことができます。「シミの部分を直接水につけると、シミが広がる可能性があるので絶対にやめてください!」
油性汚れの場合(ドレッシング、ミートソースなど)
ドレッシングやミートソースなどの油性の汚れは、石けんを使うのが効果的です。石けんは、お手洗いなどに置かれているものでOK。食器用洗剤やメイク落としでも代用可能です。水性汚れと同様、できるだけ汚れたらすぐに対処することが肝心。「洗濯表示で水洗いできるかを確認したら即対処を!」
【手順】
① シミがついた布の下にティッシュペーパーを敷き、つまむようにして固形物を除去する

② 上から石けんをつけたティッシュペーパーでたたいて、汚れを落としていく(シミが徐々に薄くなったら、下に敷いたティッシュペーパーを取り替える)
③ シミが取れたら、水を含ませたティッシュペーパーで石けんを落とした後、濡れた部分のふちをなじませる
諦めがちな油性汚れも、水と石けんだけで汚れを落とすことに成功。「油性汚れは輪じみになりやすいので、最後③の輪じみ対策は忘れずに」

シミ取りグッズを使った対処方法
いざという時のために、ポーチに入れて持ち運べる「シミ取りグッズ」を常備しておくと安心です。薬局やコンビニ、バラエティショップで手軽に購入できる便利グッズを使った、シミ取り方法をご紹介します。
今回使用するのは「トップ シミとりレスキュー」

水性、油性どちらの汚れも落とせるシミ取り剤。専用の吸収シートが素早いシミ取りをアシスト。トップ シミとりレスキュー(吸収シート5枚入り)オープン価格/ライオン お客様センター(トップ)
【手順】
① シミがついた布の下に“吸収シート”を敷く

② 上から“シミとり剤”でたたいて、汚れを落としていく

③ シミが取れたら乾いたタオルなどを下に敷き、上から水で固く絞ったタオルなどでたたいて、残った“シミとり剤”を取り除く

シミ取りグッズを使えば、手早く簡単に汚れを落とすことができました! 「水性汚れなのか、油性汚れなのか判断に迷う場合に備え、シミ取りグッズはどちらの汚れにも対応するものを選ぶのがおすすめです」

おすすめのシミ取りグッズ

原因別で使い分ける、ティッシュタイプのシミ取り剤。しみとりーな携帯用¥231(編集部調べ)/小林製薬 お客様相談室(しみとりーな)

ペンタイプのシミ取り剤。水性、油性、不溶性のシミ、80種以上に対応。ステインペン¥770/エコンフォートハウス(ドクターベックマン)
外出先で衣類にシミがついてしまっても、この対処法を知っていれば安心! いざという時のためにぜひ覚えておいて。
撮影/柳香穂 スタイリスト/鷹取美咲 取材・文/伊佐治里保