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生理をもっとラクにするために自分でできる10のこと【30歳からのフェムケアノート拡大版】

生理にまつわる不調は、実は生活習慣で改善できる可能性が。おすすめの方法を予防医療・栄養コンサルタントの細川モモさんがアドバイス。こんな習慣を取り入れれば、生理はもっとラクになること間違いなし!

生理への社会的サポートはまだまだ少ないから、自分の体は自分で守って

 細川モモさん

予防医療・栄養コンサルタント

細川モモさん


「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」主宰。米国で栄養学の資格を取得。生理に関するデータをメディアや企業などに提供し、女性の健康をサポート。

約2万人の日本女性の生理を調査したという予防医療・栄養コンサルタントの細川モモさんによると、生理痛がある人は全体の約72%、PMSがある人は95.6%にも上り、無月経経験者も5人に1人という結果が出たそう。
「これは、女性の社会進出が進んだことからくる生活習慣の悪化や、ストレスの影響が大きいと思います。こういった不調を放置して不妊になる人も。それにもかかわらず女性の生理への社会的なサポートがまだ確立されていないのが現状なので、自分の体は自分で守ることが大切。最近の研究で、生理の不調を改善するというエビデンスがある食事や生活習慣はわかってきています。今から取り入れて生理の不調を改善して、不妊や病気の予防につなげて」

生理をもっとラクにするために自分でできる10のこと【30歳からのフェムケアノート拡大版】_1

『生理で知っておくべきこと』
日経BP 1705円
細川さんの最新の著書。生理にまつわる様々な最新データや、生理を軽くする食事や生活習慣など、女性が知っておくべき情報が満載。

metshod01 毎日朝食をとる

毎日朝食をとる

豆乳やゆで卵だけでもいいからとって
細川さんの調査では、朝食をほぼ毎日食べている人のほうが生理痛が軽いことが判明。「その理由は、朝食を食べると体温が上がり、血液の流れがよくなることで痛みが和らぐためと考えられます。睡眠中は体温が起きているときより1℃下がっていますが、朝食をとると体温が上がり、血流がよくなるので痛みが軽減するのです。特にたんぱく質をしっかりとると体温が上がりやすいので、卵や納豆などたんぱく質食材をとって」

metshod02 口に入る油はしっかり選ぶ

「油の選び方も重要。生理痛の原因物質の悪玉プロスタグランジンは油でできていて、特に痛みを強くするのが、サラダ油や肉などに含まれるオメガ系の油。逆に痛みを軽くするのが、青魚に含まれるDHAやEPA、亜麻仁油、えごま油などのオメガ系の油。オメガ系の油は揚げ物やファストフード、カップ麺などに多いのでこちらは控えめにし、オメガ系の油を積極的にとりましょう」

metshod03 食事でたんぱく質をとる

ホルモンの材料になるから必須!
「朝食に限らず毎日しっかりとるべきなのがたんぱく質。たんぱく質はホルモンをつくる材料になる上、筋肉の材料にもなって体温を上げるので生理痛やPMSの解消に不可欠。また、生理のたびに血液とともに失ってしまう鉄を体に吸収させる役割も。特に肉、魚、卵、乳製品などの動物性たんぱく質には体への吸収率の高いヘム鉄が豊富に含まれます。大豆などの植物性たんぱく質と併せてバランスよくとりましょう」

metshod04 ビタミンDを摂取する

女性の体にいいことだらけな成分。「ビタミンDは近年の研究で、ホルモンに類似した存在であることが明らかになっています。生理痛やPMSの軽減のほか、自然妊娠や不妊治療の成功率を上げたり、流産を防ぐ働きも。ビタミンDは、きのこ類や鮭、さんまなどの魚、卵、ツナなどに豊富。ただし食べ物からとれるのは2割のみで、残りの8割は紫外線を浴びることで体の中でつくられるので、適度な日光浴を」

metshod05 亜鉛と鉄を意識的に摂取

亜鉛と鉄も生理の不調緩和に効果が。「亜鉛は生理痛やPMSを緩和する働きが。カキ、アーモンド、牛肉、豚肉、卵、ごまなどに多いので意識してとりましょう。また、女性は生理で鉄を失うため貧血になりがち。鉄はセロトニンをつくるためにも必要で、不足するとPMSの原因に。牛肉やレバー、赤身の魚などに豊富です」

metshod06 湯船につかる

湯船につかる

生理痛が緩和しやすいよ
湯船につかるのも心がけたい習慣。「私たちの調査で、生理痛がある人で毎日お風呂に入っている人は29%だったのに対し、生理痛がない人では42%という結果が出ました。つまり毎日お風呂に入っている人のほうが、生理痛がない割合が多いのです。これは、入浴で血液の巡りがよくなるためと考えられます。シャワーですませず、なるべく湯船につかりましょう」

metshod07 カロリーを ちゃんととる

実は生理のトラブルと深い関係があるのが摂取カロリー。「最新の研究で、除脂肪体重(体重から体脂肪を除いた、筋肉・骨・内臓や血液など水分の総重量。体組成計で測定可能)1㎏当たり30〜45㎉を摂取していない女性には、月経異常が明らかに増えることがわかっています。ダイエットで摂取カロリーを減らしすぎている人は要注意。食事はしっかりとるようにしましょう」

metshod08 セロトニンを増やす

朝起きたらまず朝日を浴びよう!
PMSの原因には、精神を安定させる神経伝達物質・セロトニンが減ることも関係しているとか。「実は、女性は男性に比べてセロトニンをつくる能力が高くありません。ですから意識的にセロトニンを増やすことが大事。セロトニンは朝日を浴びると増やせます。また、バナナやチーズ、ヨーグルト、ナッツなどに多く含まれるトリプトファンという成分はセロトニンの材料になるので積極的にとって。炭水化物がセロトニンの量を増やすため、女性に厳しい糖質制限はおすすめできません」

metshod09 運動習慣をつける

運動も生理のトラブルに有効。「運動をすると血流がよくなり、筋肉がついて体温も上がるので生理痛の改善につながる可能性が。また、ウォーキングなどのリズム運動はセロトニンを増やし、PMSの改善効果が。逆に激しい運動はセロトニンを低下させるのでNG。エスカレーターでなく階段を使ったり、早歩きをしたりと生活の中でこまめに体を動かすだけでもOKです」

metshod10 睡眠は6時間以上を目指す

6時間未満はNG!
睡眠不足はPMSを悪化させるので要注意。「睡眠不足だったり、睡眠の質が下がるとセロトニンが減ってPMSが悪化しやすいことがわかっています。理想的な睡眠時間は7時間とされています。睡眠時間が6 時間を切ると風邪の発症リスクが4.2倍になり、疲れも残ります。働くバイラ世代の女性には睡眠不足の人が多いですが、最低でも6時間は眠りましょう」

イラスト/conix 取材・原文/和田美穂  ※BAILA2021年11月号掲載

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