30代・40代の生理のお悩みや疑問に、人気産婦人科専門医がお答え! 今回は、「生理中の貧血」について聞きました。
生理中の出血が多いと貧血になる?
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30代・40代女性の、生理中の貧血に関する「リアルな生理悩み&疑問」!
・「とにかく生理の血の量が多い私。多い日は、昼間に夜用ナプキンを使用しても漏れるほど。とはいえ、体育会系だし、筋肉質な体型なので貧血の心配はなさそう。鉄分が多そうなほうれん草のおひたしも好物で、よく食べてます」
・「生理の経血が多いせいか、生理中は気持ちが悪くなったり、だるくて寝込んでしまうことも。職場は女性が多いのですが、私みたいなタイプはいないので『生理中だからって毎月休むのはどうなの?』と怠けているようにみられています。だるいのは貧血のせいでしょうか?」
医師がお答え!
産婦人科医。日本赤十字社医療センター、済生会中津病院、都内クリニックで副院長を経て、2023年春、神谷町WGレディースクリニックを開業。すべての女性のかかりつけ医でありたいとの思いで日々診察を行う。わかりやすい解説で雑誌、テレビのコメンテーター、ドラマの医療監修などとしても活躍中。
経血量が多いと貧血に。ほかの病気が見つかる場合も!
「生理の経血量が多いと貧血になる、これは本当です。出血の多い目安としては、日中でも2時間に1回以上ナプキンを変えなくてはいけないとか、昼間でも夜用ナプキンを何度も変えなくてはいけない場合は、過多月経で貧血の可能性が高いです。
貧血になるほど経血量が多い場合、子宮筋腫や子宮腺筋症が隠れているケースもあります。過多月経であれば、貧血はもちろんですが、子宮筋腫や子宮腺筋症の治療もしたほうがよいと思います。筋腫があっても、必ず手術でとる治療を行うわけではありません。ホルモン剤などで筋腫が小さくなるようコントロールするといった治療もあるのですが、ピルの服用で逆に筋腫が大きくなる人もいるので、細かくみながらその人に合った治療を選択します。
生理の経血量が多くて貧血になっている女性、本当に多いです。治療では鉄剤を飲むことが第一。それでもダメなら点滴。最初の診察で鉄分の数値がものすごく少ない場合、輸血をすることも。治療を受けて数値が倍程度になると、フラフラする症状が治り、ものすごくラクになった、と皆さん喜ばれます。貧血は心臓に負担がかかり、心不全や心筋梗塞など怖い病気の原因にもなりますので、過多月経で貧血が疑われる方には、早めの受診をオススメします」
経血量の多さが不安という人は、貧血の治療も考えて。
取材・文/櫻木えみ