人と話しづらいからこそ気になる「パンツの中の衛生問題」。読者のお悩みや素朴な疑問に人気婦人科専門医がお答えします! 今回は、「セックス前のパンツの汚れ」について聞きました。
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30代女性から寄せられたセックス前のパンツの汚れに関するリアルな悩み&疑問!
「おりものが多めで、パンツがいつも汚れているのが悩み。時間がたつと黄色っぽく変化してきます。デート中はさすがに黄色いしみのついたパンツだと彼に幻滅されそうと思い、おりものシートをつけているのですが、はがすところに彼に見られたら気まずそうで……はずすタイミングが難しい! セックスの直前、あるいはセックス中にもおりものシートをつけているのは問題ですか?」(営業・29歳)
「今つき合っている彼は、『セックスの前にわざわざシャワーを浴びにいくと、流れが中断される感じがしてイヤだ』と言うのですが、私はちゃんときれいにしてからしたい派。おりものや、おしっこ、肛門のニオイが気になって、セックスに集中できません」(公務員・32歳)
医師がお答え!
産婦人科医。日本赤十字社医療センター、済生会中津病院、都内クリニックで副院長を経て、2023年春、神谷町WGレディースクリニックを開業。すべての女性のかかりつけ医でありたいとの思いで日々診察を行う。
シャワーを浴びられない場合は、デリケートゾーン用シートや温水洗浄便座を利用して
「パンツの中は雑菌が多く、ニオイがある場所です。これは男女問わず誰もがそうですから、医療現場では当たり前のこととしてとらえています。肛門まわりは排便時に必ず菌が飛び散って付着しますし、ご自身は気付いていなくても、便の拭き残しは多いです。尿や便を拭いたときのトイレットペーパーの残りカスがついている人も意外と多いもの。デリケートゾーンのケアをきちんとしていて、トイレのたびに温水洗浄便座できれいにしているような人ほど、濡れた肌にペーパーがこびりついて残っている……というケースが多いようにも思います。
ですから前提として、性交渉前は男性も女性もシャワーを浴び、デリケートゾーンについている雑菌をさっと洗い流すのが理想です。男性の陰茎には尿、雑菌がついていますので、性交渉で男性の陰茎から女性の膣内に菌が入り、ニオイを発する細菌性膣炎の原因になることも多いです。性交渉前にシャワーを浴びることで、そういったリスクを避けることができるのです。
ですが、性交渉時は毎回必ずシャワーを浴びられるシチュエーションとは限りませんよね。
性交渉時におりものシートをつけていても、医学的には問題ありません。ですが、パートナーに見られるのはどうなのか……という気持ちになるのも分かります。
おりものシート以外で準備できることとしては、性交渉前にトイレにいって、デリケートゾーン用ウェットシートで拭いておくのもよいでしょう。
温水洗浄便座を使って、デリケートゾーンをさっと流すことも尿やニオイ対策になります。シャワーのかわりにこびりついたティッシュを流すこともできますしね。この場合、膣の中を洗い流すのはよい菌まで流してしまって、かえってニオイが増えるなどのトラブルに繋がりかねないのでNG。あくまで外側の、毛が生えている部分や、本来なら毛が生えているであろう部分のみ流すのがポイントです。洗い流す時間も短めに、さっと流す程度に。流した後、ペーパーで拭くときはやさしく。ゴシゴシ拭くとペーパーの残りカスがまたこびりついてしまいますので、気を付けましょう」(尾西先生)
【編集部のおすすめ】
パンツの中は菌多め。シャワーまたは代替案でケアを。
取材・文/櫻木えみ