女性の体に関する“もやもや”を専門家に尋ねる連載企画。今回のお悩みは、月によって変化する生理&PMSの症状。産婦人科医の松村圭子先生に、原因と対処法を聞きました!
月によってPMSと生理痛の症状にかなりムラがあります。重たくなってしまう原因は何ですか?
数カ月に一度、PMSと生理の症状がひどくなります。悩まされない月もあるのですが、重いときは仕事に支障が出るほど。これは私の「生理じゃないときの過ごし方」によって、重かったり軽かったりするのでしょうか? またPMSの重さと生理の重さには関係がありますか? 生理の症状を安定させるコツがあれば知りたいです。(34歳・メーカー事務)
産婦人科医
松村圭子先生
2010年に成城松村クリニックを開業。院長として、婦人科診療とエイジングケアの最先端治療を行う。『女性の悩みはFemtechで解決! オトナ女子のためのカラダの教科書』(宝島社)、『女性ホルモンを整えるキレイごはん』(青春出版社)など、著書も多数。
不定期に生理の症状が重くなる原因は、生活習慣の乱れ! 重い症状が3カ月以上連続したら、婦人科を受診してください
まず、PMSと生理痛の関係性はありません。PMSは、排卵が起きてホルモンが変動することによって生じ、あくまでも正常に体が機能していることの表れ。一方、日常生活に支障をきたすほどの生理痛や過多月経は、正常な生理の症状の範疇を超えています。同様の症状が3カ月以上、連続して現れる場合は、子宮内膜症や子宮筋腫といった病気を疑ったほうがよいでしょう。
相談者さんのように、不定期に起きる場合は、生活習慣の乱れが原因になっている可能性が高いです。仕事の繁忙期などで、体の冷えやストレス、睡眠不足、運動不足などが重なり、体の負担が一気に生理の不調として現れているのかもしれません。
同じような悩みを抱える患者さんから、「隔月で痛み方が異なるため、左右ある卵巣のどちらかの状態が悪いのではないか」と相談を受けることがありますが、これはまったくの間違い。なぜなら左右、交互に排卵しているとは限らないからです。
30代は生理のサイクルや症状が安定しているのが一般的。従来の生理のパターンが急に変わって悪化した場合は、異常事態だと思ってください。最も注意すべき症状は経血量の増加。量の多い日に、昼用ナプキンを1時間未満で替えている人は過多月経です。もうひとつは、鎮痛剤が効かないほどの生理痛。鎮痛剤は、飲んでいるうちに効果が弱まることはありません。いつもと同じ鎮痛剤が効かないのは痛みが増しているから。それらの症状が3カ月以上続いた場合は、一刻も早く婦人科を受診してください。
私たちが日常で実践できること
「からだ日記」に日々の生活を記録
「生理の症状が変わる原因を突き止めるのには、ライフスタイルを記録するのがいちばんの近道。睡眠、ストレス、運動などの項目ごとに、◎、○、△、×と記入するだけでOKです。生理が重く感じたら、それ以前の生活を振り返ってみると、改善点が見つかるかもしれません」
イラスト/green K 取材・原文/中西彩乃 ※BAILA2024年11月号掲載