働く30代が抱える日々のもやもやを、一見冴えない(!?)アンガールズの田中卓志先輩にぶつける連載【隣の部署の田中先輩】第17回! 今回は彼女がいる人と遊んでしてまうという悩みに田中先輩が的確アドバイス!
《今月のお悩み》時間の無駄だとわかっていながら、彼女がいる人と遊んでいます…(30歳・アパレル関係)
昔仲よくしていた男性と久しぶりに再会し、たまに二人で会うようになりました。私は現在彼氏なし。ですが、彼には結婚も考えている長いつきあいの彼女がいます…つまり私とは浮気です。期待はしていませんが、時間の無駄とわかっていながら、その彼や彼女のSNSをのぞきにいってしまう自分がいます。
田中先輩の答え…浮気も特殊詐欺も「自分だけ大丈夫」はありえない
自分の弱さが招いた恋は自分でしっかりシメましょう
この相談者さんは「期待はしていない」とのことですが、それは本命になれなくてもいい、2番手でもかまわないということでしょうか。でも、そう言うわりにはSNSをパトロールして、相手カップルを相当気にしている様子。そこにはきっと二人の幸せそうな写真が並んでいるだろうし、そんなものを見たら「なぜ、彼の隣にいるのは私ではないんだ」とヤキモキしてしまうだろうし……。それはもう「期待していない」とは言えないというか、割り切ってつきあっているようには見えないよね。
好きな人ができれば「振り向いてほしい」と思う、それは当たり前のことです。ただ、その相手が本当に「あなたにふさわしい人なのか」まずは自問自答してほしい。そもそも、結婚を考えている彼女がいるのに浮気するような男ですよ? 正直、僕からすると「どうかしている」。どこからどう見ても「信用ならん」と思っちゃう。仮にそんな男が自分のものになったところで「結婚を考えていた恋人を捨てた」事実はいつか彼への懐疑心を生み出すだろうし。自分のものにならないなら、違う女性と結婚式を挙げる彼の姿をいずれ目にするわけで。どっちみち、このまま走り続けても幸せなゴールはない。つまり、もう詰んでいるんですよ、この恋は。
だからこそ、僕は相談者さんに尋ねたい。彼がスマホを触るたびに「彼女に連絡しているのかな」と思ったり、連絡がつかないだけで「彼女と一緒にいるのかな」と悲しい気持ちになったりする、そんな恋、楽しいですか⁉ 楽しくないでしょ⁉ もしも、それを楽しんでいたり、彼女に対して優越感を感じているならばアウト。まだ負い目を感じているだけ相談者さんには救いがあります。“人の心”があるうちに、できることならサッサと身を引いてほしい、それが僕の感想です。
何度も言いますが、この恋はもう詰んでいます。将棋にたとえるならば、負けが決まっているのに王将をずっと逃がしているようなもの。周りの全員が「早く“参りました”を言いなさいよ」と思っている、本人以外の全員には結末が見えている、そんな状況に自分がいることをまず理解してほしい。人は恋愛脳になると冷静な判断ができなくなってしまうことがあります。友達からも「やめろ」と言われているだろうし、自分でも「時間の無駄だ」とわかっている、なのにやめられないのもきっと冷静さを失っているから。そして、どこかに「私だけは違う」という気持ちがあるからだと思うんだよね。だってさ、「浮気はろくな結末を迎えない」なんて、もはや世の中の全員が知っていることで……。あれですよ、特殊詐欺と同じですよ。あんなにテレビで報道しているのに、なぜか次々と被害者が増えていく、あれも「自分だけは違う」という気持ちがあるからですからね。浮気にも特殊詐欺にも「自分だけは大丈夫」はありません。あったとしても砂漠の中にあるひと粒の砂レベル、宝くじに当たる確率より低いと思ったほうがいいよね。
わかっているのにやめられない、自分の弱さが招いたであろうこの恋は自分でシメるべき恋だと僕は思います。「彼女がいる人とはもう会えない」と伝えることができたとき、それは自信につながるだろうし。その自信がきっと次の恋愛を“素敵な恋”にしてくれるんじゃないかな。
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田中卓志
たなか たくし●1976年生まれ、広島県出身。大学時代の友人、山根良顕とお笑いコンビ「アンガールズ」を結成。「呼び出し先生タナカ」(フジテレビ系)など多数のバラエティで活躍中。
撮影/黒沼 諭〈aosora〉 ヘア&メイク/高橋将氣 スタイリスト/高山良昭 イラスト/ますこえり 取材・原文/石井美輪 撮影協力/アワビーズ ※BAILA2024年2・3月合併号掲載