さまざまな役柄を演じるうえで、独自のアプローチをしながら時代を牽引する男、木村拓哉。正月のスペシャルドラマ「教場Ⅱ」についても伺った。
木村拓哉
きむら たくや
●1972年11月13日生まれ、東京都出身。O型。16歳から俳優業に携わり、ドラマ、映画、舞台への出演多数。現在、「木村さ~~ん!」(GYAO! 無料配信中)、ラジオ「木村拓哉 Flow」(TOKYO FM 日曜11時30分~)でメインパーソナリティを務める。
冷酷さのなかに、強すぎる使命感と偏った信念を持つ鬼教官を熱演!
白髪に義眼。すごみのある立ち居振る舞いで、警察官として適性のない生徒をふるい落とし、恐怖に震え上がらせる冷酷な教官を木村さんが演じ、話題となったスペシャルドラマの第2弾「教場Ⅱ」が2021年1月3日、4日と2夜連続で放送される。
「前作の反響は僕の耳にも届いてきましたし、第2弾ができると聞いたときは気合が入りました。年が明けて家族団らんのほのぼのした時間が続くなかで、このような作風というか、空気感のドラマをお届けしていいものか危惧していたところもあったので、視聴者の方からの“もう一度見たい!”というお気持ちが制作サイドの熱意と通じ合ったことに感謝ですね。
風間公親という男を演じるにあたり、自分の頭の中を柔軟にしておかないと偏った表現にしかならないので、風間の目線も持ちながら、客観視する意識を常に持つようにしていました。初めて相手とセッションするときは、どこか俯瞰の目を持つようなイメージで。シーンにもよりますが、どれくらい強く表現するか、はたまた距離をとるのか、どう向き合うのがベストなのか。そこを踏まえて、自分のパートを全力でやらせてもらえたので、今回も非常にバランスよくできたんじゃないかな」
不完全な人間を世の中に送り出せないという思いで風間教官は生徒を厳しく訓練する。木村さん自身の不完全な部分とは?
「ダメな部分はたくさんあるけど、それが何かは今ここで言いたくないですよ(笑)。現場でNGを出すこともあるし、目線の先で、“おいおい!”って思う出来事があるとすぐ集中が途切れちゃうしね。自分一人なら活を入れて仕切り直すこともできるけど、多くの人とかかわる現場では、すっと気持ちを切り替えないといけなかったりもします。ただ、“しなければいけない”という発想ではなく、やりたいことに挑んでいるんだという気持ちでいれば、ストレスもたまりにくい。完璧な人間なんていないんだから、最初からすべてを求めすぎないことが大事だと思っています。試行錯誤を繰り返しながら、ともに頑張っていきましょう!」
「できないことがあってもいい。今は悔しいかもしれないけど、“できるようになりたい”その想いこそが大切」
スペシャルドラマ「教場Ⅱ」
フジテレビ系 2021年1月3・4日21時~ 2夜連続放送
出演:木村拓哉・目黒蓮(Snow Man)ほか
長岡弘樹氏による警察学校を舞台としたベストセラー小説が原作。神奈川県警察学校を舞台に、木村拓哉さんが演じる冷徹な教官・風間公親が生徒たちと向き合うさまを切り取ったエンターテインメントミステリー。
取材・原文/山中ゆうき 構成/菅井麻衣子〈BAILA〉 ※BAILA2021年1月号掲載
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