音楽好きのライターが、バイラ読者におすすめの音楽をご紹介。今回は、国内外のアーティストたちとのコラボレーションで生まれた、椎名林檎初のオフィシャル・リミックスアルバム『百薬の長』をピックアップ!
ナビゲーター
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戸塚真琴
「2022 MAMA AWARDS」の会場から、今回の原稿をお届け。来年はK-POP以外のライブにも参戦したい所存。
“椎名林檎世代”といえば多くの世代が当てはまってしまうほど、日本の音楽シーンに欠かせないミュージシャンとして、絶大なる人気と影響力を誇る彼女。これまでもコラボレーションやセルフカバー作品を多数発表してきたが、今回のアルバムはそれらとも一線を画す仕上がりだ。
同作では、国内外で活躍するジャンルも世代も超えたアーティストたちが、椎名林檎の名曲たちを再構築し、新たな音楽として生まれ変わらせている。誰もが知っているといっても過言ではない、「丸ノ内サディスティック」は、韓国ソウルでDJやプロデューサーとして活躍するMisoの手により、終盤に流れる彼女の歌声とともに新たな曲へと進化を遂げた。石野卓球や砂原良徳、STUTSやKID FRESINOなどなど、多様なジャンルで活躍する豪華な面々が自由に解釈した作品群は、椎名林檎という音楽家の楽曲だからこそ成立しているといえる。劇薬にも良薬にもなりえる刺激的な“処方箋”は、必聴だ。
『百薬の長』
¥3300 UNIVERSAL MUSIC/EMI Records
機知に富んだ国内外のアーティストたちとのコラボレーションで生まれた、初のオフィシャル・リミックスアルバム。左右の耳から服用マスト!
椎名林檎
演出・音楽家。1998年にシングル「幸福論」でデビューし、2004年から2012年までは東京事変としてグループ活動も並行して行っていた。
イラスト/ユリコフ・カワヒロ ※BAILA2023年2・3月合併号掲載