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#尾上右近”とうらぶ歌舞伎”でも大活躍! 自主公演『 #研の會 』が8月に開催【歌舞伎沼への誘い♯51】

「落ちるの一秒、ハマると一生」と言われる歌舞伎沼。その深淵をのぞき、沼への入り方を指南するこの連載。今月ご紹介するのは、現在、新橋演舞場の新作歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』で、八面六臂の大活躍を見せている尾上右近さん。若手の花形の中でも、声よし、顔よし、芝居よしプラス踊りの名手という超実力派。さらに立役(男役)も女方もこなす、マルチプレーヤーとして引っ張りだこだ。そんな大注目の右近さんの自主公演 第七回『研の會』が、8月2日、3日の2日間、浅草公会堂で開催。豪華な俳優陣とともに、『夏祭浪花鑑』『京鹿子娘道成寺』という歌舞伎を代表する人気演目に挑みます。6月の制作発表の様子とともに、自主公演の見どころをバイラ歌舞伎部が語りつくします!!

歌舞伎俳優の尾上右近の目線あり撮りおろし写真

↑総勢100人近い取材陣が集まった取材会。「すべてのカメラに目線がいくように」と、根気よく撮影に応じてくれたサービス精神旺盛な右近さん。そういうところ、本当に素敵です。カメラマンのとみやんもカンゲキ♪

■七回目の自主公演『研の會』は浅草公会堂で!!

まんぼう部長 小僧、さっきから熱心にスマホを見てるけど、何見てるのかしら?

ばったり小僧 7月2日から新橋演舞場でスタートした新作歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』の感想をツイッターであさっているんです。

部長 ”とうらぶ歌舞伎”ね!! 尾上松也さんが主役で演出もやっていて、尾上右近さんも大事なお役で出ているのよね。

小僧 書き込みを見ているとみんなの興奮が伝わってきます。ストーリーがわかりやすいし、キャラクターの完成度が高くて、その上、歌舞伎らしさがギュギュッとつまっている、と歌舞伎ファンにも、”とうらぶ”ファンにも大好評みたいですよ。

中でも、二役やっている右近さんは、運動量がハンパないらしいです。こっちに右近さんがいたと思ったら、あっちにいるみたいなことになっているようで、それがまさに「突然の尾上右近」(©アートネーチャーCM)だと(笑)。

部長 なるほど~!!  早替わりって、衣裳もメイクも超特急で変えなくちゃいけないから、めっちゃ体力がいるのよね。右近さん、舞台裏をものすごい形相で走ってるんじゃないかしら。そういう俳優たちの熱量が客席に伝播して、熱く盛り上がっていくのよね。とくに今回の舞台では、初めて歌舞伎をご覧になる方も多いだろうから、新鮮な驚きをもって観てくれるはず。

歌舞伎俳優の尾上右近さんの正装写真

↑これまで自主公演の取材会では、竹馬に乗ったり、サンタのコスプレをしたり、趣向を凝らしていたけれど、今回は紋付袴の正装。「今回、場所も浅草公会堂に変わって、客席も増えます。初心に返って、まっさらな気持ちで真摯に取り組もうということで、正装にしました」とのこと。キマってます! 「道成寺の蛇の被り物っていうのも見たかったけどね~」とつぶやく小僧だった(笑)。

小僧 これでますます右近さんファンが増えちゃいますね。8月2日、3日の自主公演『研の會』も熱気に包まれそうです。 第七回の今年は、浅草公会堂での開催なんですね。

部長 そうなの。しかも先月、制作発表に行ってビックリ。だってね、たった2日間の自主公演なのに、出演者が超ゴージャスなのよ。

まず一つ目の演目が『夏祭浪花鑑』で、坂東巳之助さん、中村種之助さん、中村莟玉さん、尾上菊三呂さん、中村米吉さん、そして中村鴈治郎さん……ってすごくない!? 

小僧 マジですか!? そのまんま、本興行ができそうですけど(笑)。右近さんの人徳ですね。『夏祭浪花鑑』っていうのも夏にぴったりです。

部長 右近さんは、立役と女方の二役よ。浪花の俠気・団七九郎兵衛と一寸徳兵衛の女房・お辰。団七は粋な色男だし、お辰は、肝が据わっているいい女。どっちも右近さんの「ニン」だと思うの。超楽しみ♪ あ、「ニン」っていうのは、俳優さんの個性と役のキャラクターがぴったり合うっていう意味ね。

小僧 なるほど~。で、団七の舅で、強欲で意地悪な義平次が坂東巳之助さんなんですね。右近さんと巳之助さんって3歳違いなのに、舅役なんて、さすが歌舞伎です!

歌舞伎俳優の尾上右近さんの笑顔写真

↑「団七は幸四郎のお兄さん(松本幸四郎)に教わって、最終的に白鸚のおじ様(松本白鸚)にもご覧いただくことになっています。お辰は、先代の雀右衛門のおじ様(四世中村雀右衛門)の型を中村京蔵さんに直接うかがって、勉強させていただきます」とのこと。幸四郎さんとは、『荒川の佐吉』で、兄貴分、弟分の関係だったから、きっと通じるところがあるに違いない。

部長 制作発表で言っていたけれど、『夏祭浪花鑑』をやると決まったとき、いろんな人に「義平次はどうするの?」と聞かれたそう。それくらいこの演目で、義平次は大事なお役ってことよね。

右近さんは、「義平次は、癖の強いお役で、僕らの世代では、巳之助さんが圧倒的に癖が強い(笑)。自分が団七をやるときは、義平次は巳之助さんにやってもらいたいと以前から思っていた」そうよ。「同世代の俳優が、義平次をやるというのは驚きをもって見ていただけると思うし、巳之助さんもおもしろがって引き受けてくださった」って。

小僧 巳之助さん、本当にきめ細かいお芝居をなさるから、老け役も絶対うまいはず。だけど巳之助さん、8月5日からは歌舞伎座に出演するんですよ! それなのに直前まで右近さんにつきあうなんて、愛ですね、愛。

部長 右近さんも言っていたわ。「巳之助さんとは、先輩・後輩の関係だけれど、目と目で思いが通じ合う特別な絆がある」「中村壱太郎さんは、心の恋人みたいなところがありますけれど、巳之助さんは、男同士の友情で結ばれている」って。

小僧 ブロマンスですね♥ ところで、『夏祭浪花鑑』の出演者で、ひとりだけ知らないお名前が。羽鳥嘉人さんって誰でしたっけ?

部長 歌舞伎の演出や振付もよくなさっている、日本舞踊尾上流の家元・尾上菊之丞先生のご子息だそうよ。歌舞伎の舞台に出るのは初めてだとか。

小僧 えっ、あのハンサムで、やさしそうで、とっても素敵な菊之丞先生の!? それは見逃せませんっっ!

歌舞伎俳優尾上右近の取材会の写真

↑3歳のときに、初めて踊りのお稽古に行ったところから始まったという右近さんの歌舞伎俳優としての人生。「『京鹿子娘道成寺』はこれまで所化(修行僧)として、何度も舞台に出演して、花子の踊りを間近で勉強させていただきました。今回は、 宗家藤間流家元の藤間勘十郎先生に見ていただきますので、これまでの経験を生かして勤めたい」とのこと。これは必見です!

■特別版公演ポスターは、アート界の巨匠・横尾忠則さんが制作

小僧 『研の會』では、もうひとつ、『京鹿子娘道成寺』もやるんですよね。 これは歌舞伎を代表する舞踊ですね。

部長 そうね。白拍子花子が道成寺の鐘供養に訪れて、次々と舞を披露するうちに鐘に上がって、蛇の正体を現すというお話。恋する娘の様々な姿を色とりどりの衣裳や小道具を使って踊りわけるのが見どころよ。踊りだけで40分くらいあって、踊りきるだけでも大変といわれる女方の大曲。でも、「踊りきることが目標ではなくて、大評判を取ることが目標です!!」って右近さん、言っていたわ(笑)。

小僧 さすが右近さん、踊りの名手ですもんね。『京鹿子娘道成寺』は、種之助さんと米吉さんもご出演されますね。

部長 二人は修行僧の役で、右近さんが踊り続けるのをずっと見ているお役なのよね。種之助さんと米吉さんは、右近さんと同い年で、気の置けない同級生。いくら右近さんでも『京鹿子娘道成寺』はきついだろうから、仲よしの友達に見守っていてもらうだけで、勇気づけられるんじゃないかしら。

尾上右近さん『研の會』取材会の写真

↑横尾忠則さんにお願いした公演ポスターを、この日、右近さんも初めて見ることに。「確認事項などがあるから、本当は途中で見ないといけないんですけれど、鮮度が落ちるのが嫌で、今日までまったく見ませんでした。このワクワクがみなさんにもお伝えできればと思って」ということで、その場でポスターにかかった布を取ってオープン。

小僧 そうですね。それにしても昼の部、夜の部とも、『夏祭浪花鑑』と『京鹿子娘道成寺』の二演目をやるんですよね。『夏祭』は殺しの場面もあって、相当ハードなお芝居だし、『道成寺』も体力的にきついし。右近さん、かなりハードルの高い二演目をセレクトしましたね。

部長 会見でも「自分で決めておいて、途方に暮れるのが自主公演の醍醐味」と言っていたわ(笑)。去年は1回目の公演で、全身がつったらしいけれど、今年もかなり厳しい闘いになりそう。でも、きっと大丈夫。右近さん、毎日、ランニングしているから、体力はあると思う。頑張ってほしいわ。

小僧 そういえば、今回の『研の會』の特別版公演ポスターをアート界の巨匠、横尾忠則さんが描いてくださったそうですね。それもすごいです!!

部長 今年6月に『尾上右近アーティスト対談集 右近vs8人』という本を出版して、そのときに対談したのがきっかけだそうよ。

本の原稿の校正で、横尾さんが、「右近さん、何か一緒にお仕事、しましょうね」という一文を付け加えてきたんですって。それで右近さんが「僕からなにかオファーさせていただいた時は、絶対お断りしないでくださいね」と付け加えたそう。横尾さんにポスターをお願いするのは、右近さんも気後れしたそうだけど、「このやり取りがあったからお願いできた」と話していたわ。

尾上右近さんと『研の會』のポスター

↑出来上がった横尾さんのポスターを見て、興奮ぎみの右近さん。「最初に打合せしたときは、夜のお祭りで、提灯がぱーっと並んでいるところに満開の桜が散っているみたいなミスマッチもいいよね、とおっしゃっていたので、夜っぽい雰囲気の絵柄かと思ったら、違いましたね。透明度が高くて、若さがあって、シンプルで、横尾さんに今の自分、将来の自分を占っていただいたような感覚になりました」。さらに横尾さんから「『研の會』が続く限り、お手伝いさせていただければ嬉しいですね」」というサプライズメッセージも!!  「もう幸せでしかない。人とかかわることが、人生において一番の財産なんだと感じます」と右近さん。31歳でそれがわかっている右近さんはさすがだわ、と惚れ直す部長だった。

小僧 横尾さんのポスターといえば、「状況劇場」とか、アングラ演劇のポスターに代表されるように斬新でキッチュなイメージですけれど、『研の會』のポスターは、色が鮮やかでインパクトはあるけれど、すっきり、さわやか、右近さんらしい、フレッシュさがありますね。すごく素敵です♪

部長 だけど、今回の豪華な出演者にしろ、横尾忠則さんのポスターにしろ、つくづく右近さんって、人との縁を大事にする人なんだなって思うの。出会った人と、ちゃんとその後もつながっていく感じが素晴らしい。そして、そういう人が作るお芝居だから、ドラマに説得力があると思うのよね。

小僧 本当ですね。今回の自主公演、本当に楽しみです。そーいえば、毎年『研の會』って、物販が充実しているじゃないですか。去年、買った『ケンケンカレー』は、すごくおいしかったし、お扇子も重宝してます。今年の 目玉はなんですかね? 横尾さんのポスターも売っていたら買いたいな。

部長 それがね、満を持して、推し活の必須アイテム、アクスタ(アクリルスタンド)が登場するんですって。グッズを買う時間が必要だから、小僧、早めに入場するわよ。8月2日、3日は、みなさんもぜひ浅草公会堂へ!!

第七回『研の會』
第七回『研の會』横尾忠則さんのポスター

尾上右近自主公演

第七回『研の會』


劇場:浅草公会堂

日程:2023年8月2日(水)、3日(木)

昼の部 11:00開演/夜の部 16:30開演


一、

並木千柳 作

三好松洛 作

『夏祭浪花鑑』(なつまつりなにわかがみ)

住吉鳥居前

三婦内

長町裏 


団七九郎兵衛/お辰:尾上右近

一寸徳兵衛/三河屋義平次:坂東巳之助

玉島磯之丞:中村種之助

傾城琴浦:中村莟玉

団七倅市松:羽鳥嘉人

おつぎ:尾上菊三呂

お梶:中村米吉

釣船三婦:中村鴈治郎


二、

『京鹿子娘道成寺』(きょうかのこむすめどうじょうじ)

道行より鐘入りまで


白拍子花子:尾上右近

能力:中村種之助

能力:中村米吉

◆公演詳細

https://www.kabuki-bito.jp/news/8344

取材・構成/バイラ歌舞伎部  

撮影/富田恵

まんぼう部長……ある日突然、歌舞伎沼に落ちたバイラ歌舞伎部部長。遅咲きゆえ猛スピードで沸点に達し、熱量高く歌舞伎を語る。 

ばったり小僧……歌舞伎歴2年。やる気はあるが知識は乏しい新入部員。若いイケメン俳優だけでなく、オーバー40歳の熟年俳優も大好き。

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