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映画『アンダーカレント』主演! #真木よう子 さん インタビュー「人も映画も、思いが重なり心が震える」

5年ぶりの主演映画『アンダーカレント』。心の深淵をのぞくように自分や他人と向き合う役を演じた真木よう子が語る、人を理解すること、人に理解されること。

真木よう子

人を理解するのはとても難しい。でも、理解したい気持ちは忘れたくない

「そんな難解な質問をぶつけられたら、私はきっと“逆にあなたはどう思いますか?”と聞き返してしまうと思う」

失踪したよく知る男、ふらりと現れた知らない男、そんな男たちに翻弄される女。それぞれが抱える“本当のこと”を描き出す、映画『アンダーカレント』。今作に登場する「人をわかるってどういうことですか?」というセリフ、観た人の心の中にも残るであろうこの質問を真木さんにぶつけると、返ってきたのが冒頭の言葉だった。

「自分がどんな人間かすらもわからなくなるときがあるのに、他人をわかろうとするなんて、もっと難しいことですよね。ただ、誰かのことを知りたい、理解したい気持ちは大切だと思っています。私でいうと、いちばんそう思っている相手が娘です。今は思春期まっただなかで“近づくな!”と言われてしまうような年齢なんですけど。何度無視されようとも、拒絶されようとも、私は彼女の理解者でありたいと思う……。それくらい人を愛さないと、相手のことなんてきっとわからないんじゃないかな」

たとえ家族でも相手を100%理解することはできない。でも「大切な人とは真正面から向き合える自分でいたい」それも真木さんの正直な思い。今作では共演者の永山瑛太さんとこんなやりとりがあったそうだ。

「試写後にこんなメッセージをくれたんです。“あなたが演じたかなえは映像の中でちゃんと生きていた。誰もができることじゃないから、それはすごいことだと思う”って。でも、私からすると彼のほうがすごくって。これからもずっと、私の前を歩いていてほしいと伝えました」

普段から交流のある江口のりこさんに対しても「私の一方的な片思いなんです」と発言。久々の共演の喜びを素直に語りながら「片思いでも私は大好きなんで。これからもラブコールを送り続けます」と笑った。

「人のことを理解するのは難しい、だからこそ、わかり合えたときに感動するのだと思う。それは映画も同じで。物語や登場人物に自分の心が重なったり、誰かと作品を見た感想が重なったとき、思いもよらぬほど心が震えたりして。今作もそんな作品になったら、嬉しいですね」

映画『アンダーカレント』

©豊田徹也/講談社
©2023「アンダーカレント」製作委員会

映画『アンダーカレント』
出演/真木よう子、井浦 新、リリー・フランキー、永山瑛太ほか
監督/今泉力哉 
10月6日(金)より全国ロードショー
ある日突然夫の悟(永山)が失踪。途方に暮れつつ銭湯の経営を続けるかなえ(真木)の前に「働きたい」と現れた堀と名乗る男(井浦)。悟の行方を探るなかで次々と明らかになる真実、そして、それぞれが抱える深層が浮き上がってくる――。

真木よう子

真木よう子


まき ようこ●1982年10月15日生まれ、千葉県出身。ドラマ「SP 警視庁警備部警護課第四係」「問題のあるレストラン」をはじめ、映画『ゆれる』『さよなら渓谷』など出演作多数。心に響く芝居が高く評価される演技派の人気俳優。来年は映画『大いなる不在』の公開も控えている。

ブラウス¥61600/トリーバーチ ジャパン(トリーバーチ)

撮影/nae. ヘア&メイク/石川美幸〈B.I.G.S.〉 スタイリスト/藤井希恵〈THYMON Inc.〉 取材・原文/石井美輪 構成/渡辺敦子 ※BAILA2023年11月号掲載

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