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芥川賞受賞の話題作!『サンショウウオの四十九日』をレビュー【バイラ世代におすすめの本】

書評家・ライターの江南亜美子が、バイラ世代におすすめの最新本をピックアップ! 今回は、朝比奈秋の『サンショウウオの四十九日』と、松田青子の『お砂糖ひとさじで』をレビュー!

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江南亜美子

江南亜美子


文学の力を信じている書評家・大学教員。新人発掘にも積極的。共著に『世界の8大文学賞』など。

「自分だけの体を持っている人はいない」特別な二人の普遍的な物語

『サンショウウオの四十九日』 朝比奈秋著  新潮社 1870円

読者は物語の冒頭、不思議な感覚を得る。姉の杏が妹について、「瞬はひどく懐かしく感じて」と感情を断定的に説明するからだ。いい年をして一緒に風呂にも入る。なぜ? やがて彼女らが結合双生児であると明かされるのだ。

脳は二つで、眠る時間に差が生じる。相手の就寝中も体は自由に動かせる。顔貌が左右で異なるので初対面の人は困惑。同じ口で食べ、しゃべり合う。そして記憶や回想はシェアしながら生きている。

そんな彼女らは特殊な出生を持つ伯父の死に際し、何を考え、何に悩むのか。「一人でありたい。心の底からそう思った」。人間を人間たらしめる尊厳について新たな視点をくれる驚きの感動作だ。

『サンショウウオの四十九日』
朝比奈秋著 
新潮社 1870円

瞬と杏は姉妹として誕生する。ただその姿は、それぞれの脳と子宮を持ち、右半身と左半身が完全に接続する「結合双生児」だった。現役の医師でもある著者による、まったく新しい体と意識の物語。芥川賞受賞作。

これも気になる!

『グリフィスの傷』 千早茜著  集英社 1760円

『お砂糖ひとさじで
松田青子著 
PHP研究所 1760円

「自分へのねぎらいモード」機嫌よく日々を暮らすハック
メアリー・ポピンズの「お砂糖ひとさじで」を快適さ探求の指針とするエッセイ集。日常の気づきからストレス軽減法、新しい趣味まで。自己肯定のヒントに。

イラスト/chii yasui ※BAILA2024年10月号掲載

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