韓国ドラマ大好き! なライターが、ぜひおすすめしたい作品を紹介する連載コラムです。
今回紹介するのは、『ヴィンツェンツォ』で知られるソン・ジュンギが主演を務めた『財閥家の末息子~Reborn Rich~』。韓国では2022年冬に放送され、「2023放送通信委員会放送大賞」の最優秀賞を受賞、国際エミー賞のテレビ映画・ミニシリーズ部門にノミネートされるなど、大きな話題を呼んだウェルメイドドラマ(傑作)です。
CONTENTS
1.『財閥家の末息子~Reborn Rich~』作品概要

『財閥家の末息子~Reborn Rich~』
全16話
出演:ソン・ジュンギ、イ・ソンミン、シン・ヒョビンほか
© SLL Joongang Co.,Ltd, Raemongraein Co., Ltd. all rights reserved.
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配信情報:Netflix、Prime Video、U-NEXT、ディズニープラスほか
【あらすじ】
韓国の大財閥スニャングループの秘書ユン・ヒョンウ(ソン・ジュンギ)は仕事に人生を捧げてきたが、あっけなく切り捨てられ、命を奪われてしまう。目を覚ますとそこは、1987年。ヒョンウは前世の記憶を持ったまま、スニャングループ創業者チン・ヤンチョル会長(イ・ソンミン)の孫チン・ドジュンとして生まれ変わっていたのだった。2度目の人生を歩むことになったヒョンウは、自分を裏切った財閥一族への復讐に乗り出す。
2. 財閥家の孫に転生するファンタジードラマ

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ソン・ジュンギ×イ・ソンミンというだけで、韓国ドラマ好きにとっては見る理由が十分すぎる本作。ソン・ジュンギの作品としては、大ヒットを記録した『ヴィンチェンツォ』(2021)の次回作にあたるのですが、放送当時は日本での同時配信がなく、見たいのに見れない! ともどかしい思いをした記憶が。その後、さまざまな配信サービスで取り扱われるようになり、ついにDVD-BOXも登場! いつでも気軽に見られるだけでなく、手もとに置いておけるようにもなりました。ありがたや、ありがたや。
主人公のヒョンウは、貧しい家庭で生まれ育ち、特別なスペックも後ろ盾もない苦労人。しかし、汚い仕事も厭わない熱心な仕事ぶりで、創業者ヤンチョルから会長の座を受け継いだ長男ヨンギの側近にまでのし上がります。そんな折、ヨンギが急性心筋梗塞で倒れ、ヨンギの息子ソンジュンが経営権継承に動き出します。スニャングループのリスク管理を任されていたヒョンウは、裏金用のペーパーカンパニーがあることを知り上司に報告しますが、銃で撃たれて海に転落。忠誠を尽くした財閥一族から、まさかのトカゲの尻尾切りに遭うのでした。

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そんなヒョンウの無念が届いたのか、目を覚ますと1987年にタイムリープ。さらに、ヤンチョルの孫でチン一族の末息子ドジュンの体に魂が乗り移っていました。前世の記憶が残っているため、歴史や時代の流れが手に取るようにわかるドジュン=ヒョンウ。その能力と財閥家の末息子という特権を活かし、スニャングループを買収して乗っ取ることを誓います。
スカッとする復讐劇に、現代から過去へのタイムリープ、魂が乗り移る転生というファンタジー要素が掛け合わされ、世情も一族の内情も知り尽くした主人公が“無双状態”で突き進むストーリーは、極上の爽快感。自分の殺害を指示した“裏切り者”に迫っていくサスペンスもあり、その中でロマンスもあり、見始めたら止まらなくなること間違いなしです。
3.スニャンのモデルは? 没入度を高める“リアルさ”が絶妙!

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ヒョンウがタイムリープした1987年は、ソウルオリンピックを翌年に控え、民主化が幕を開けた年。ドラマは、変化と成長が目まぐるしく起こった1987年から2004年までの激動の時代を背景としていて、韓国近代史における歴史的な出来事を取り入れながら展開していきます。
例えば、1987年の大韓航空機爆破事件。ドラマでは、ヤンチョルがその便に乗る予定であることを知ったドジュンが別便に乗るように伝え、事なきを得ます。また、1997年に起こった金融危機も登場します。IMF(国際通貨基金)から支援を受けたことから、韓国で「IMF危機」「IMF」とも称されるこの金融危機では、銀行や企業が次々と倒産したほか、大量リストラが起こり、多くの人の生活に甚大な影響を及ぼしました。「IMF危機」は『二十五、二十一』や『テプン商事』など、数多くの韓国ドラマで描かれているので、耳にしたことがある人も多いはず。本作でもヒョンウの生い立ちに深く関係する重要なポイントとなっています。
キャラクター設定においてもリアルとリンクしている点が。本作は、作家サンギョン氏による同名のウェブ小説を原作としており、サンギョン氏は韓国メディアとのインタビューで、「スニャンのモデルはSamsung」と明かしています。というのも、韓国の視聴者からすれば一目瞭然なのだそう。ピシっと整えられた髪に眼鏡、方言を話すなど、ヤンチョルはそのビジュアルやドラマで描かれるエピソードなどSamsungの創業者イ・ビョンチョル氏と重なる部分が多数。もちろん「創作の部分が大半」とのことですが、所々にリアルさをプラスすることで、ファンタジーでありながらビジネスドラマとしても見応えがあり、臨場感のある共感度の高いストーリーに仕上がっているというのが本作のすごいところ。
4.これは復讐か、愛情か。イ・ソンミンとの演技合戦は涙必至!

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すでに見どころ盛りだくさんなわけですが、私が本作で一番心を打たれたのが、ドジュンとヤンチョルの関係性。
ドジュンにとってスニャングループの生みの親であるヤンチョルは、いわば復讐計画のラスボス。未来のことをすべて知っているドジュンが圧倒的に有利かと思いきや、さすが一代で精米所から財界のトップに登り詰めただけあり、ヤンチョルがめちゃめちゃ手ごわい。いくら“ビジネスセンスのあるかわいい孫”になったとて、商売においては身内をも切り捨てる冷酷なヤンチョルに邪魔者だと判断されたら終わり。怪しまれないように外堀を埋めていく心理戦は、呼吸をも忘れるほどの緊張感があり、目が離せなくなります。
その一方で、ドジュンの復讐が進むにつれて、必然的に祖父と孫としての絆も深まっていくという。復讐劇として見始めたはずなのに、途中からドジュンとヤンチョルの奇妙で複雑な家族愛に何度も涙してしまいました。特に、ヤンチョルがドジュンに遺したビデオレターの内容には思わず号泣。思い出すだけでも泣けてしまうくらい印象的なシーンです。
ヤンチョル役を演じたイ・ソンミンは当時55歳。実年齢よりはるかに上の年齢を演じたわけですが、威圧感を放つ冷徹なスニャングループのトップだったヤンチョルが老いていく過程を表現する繊細な演技がすごすぎる……! イ・ソンミンは枕詞のいらない名俳優ですが、本作での演技はちょっと格別。「第59回百想芸術大賞授賞式」で男性最優秀演技賞に輝いたその素晴らしい演技を、ぜひご覧ください。
5.『財閥家の末息子~Reborn Rich~』のDVD-BOXはこちら
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価格:18,260円(税込)
発売元・販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング





























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