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【働く30代におすすめの韓国ドラマ】“サイダードラマ”の皮をかぶった社会派学園ドラマ『鉄槌教師』

【働く30代におすすめの韓国ドラマ】“サイダードラマ”の皮をかぶった社会派学園ドラマ『鉄槌教師』

韓国ドラマ大好き! なライターが、ぜひおすすめしたい作品を紹介する連載コラム。
今回は、理不尽な悪に立ち向かう爽快感と、崩壊した学校システムやモンスターペアレントといった現代社会の問題を鋭く切り取った社会派アクションドラマ『鉄槌教師』を紹介します。

CONTENTS

  1. 1.『鉄槌教師』作品概要
  2. 2.配信直後にランキング1位になった話題作
  3. 3.魅力的な教権局チームのケミストリー
  4. 4.悪を倒しておしまい……にはならない中毒感
  5. 5.この“サイダー”、爽快なだけじゃない
  6. 6.あくまでも“ファンタジー”として観る
  7. 『鉄槌教師』の視聴はこちら

1.『鉄槌教師』作品概要

『鉄槌教師』
全10話
出演:キム・ムヨル、イ・ソンミン、チン・ギジュほか
Netflixシリーズ「鉄槌教師」独占配信中




【あらすじ】
ナ・ファジン(キム・ムヨル)は、理不尽や悪に飲み込まれた学校へ出向き、被害者を助ける任務を遂行する教権保護局(通称・教権局)の監督官。教師にすら手をかける、怪物化した生徒たちに、教権局は「権力には権力で」「暴力には暴力で」という方法で報復していく。当然、世論では反発が起き、教権局は窮地に立たされるのだが、次期大統領候補と目される教育部長官チェ・ガンソク(イ・ソンミン) が動いて……。

2.配信直後にランキング1位になった話題作

鉄槌教師:体育館で座学の授業をする生徒とキム・ムヨル

今回紹介するのは、配信初週で非英語1位、48ヶ国TOP10、配信から1週間で大きなムーブメントを起こした『鉄槌教師』です。日本でも、その痛快さが話題となって連日ランキング1位(Netflix)を記録していました。
配信前は、原作コミックに「不適切表現」あるのではないかと、ドラマ化が危ぶまれていた本作。いざフタを開けてみると、是も非もすべて飲み込んでの大勝利!
それでは、見どころを紹介していきますね。



※ここからネタバレあります。



3.魅力的な教権局チームのケミストリー

まずは、ストーリーと主な登場人物の紹介から。

舞台は、体罰禁止で無法地帯化した学校。校内では、教師の権威が失墜し、いじめ・暴力・腐敗が横行していました。そこで、政府は「教権保護局」を新設し、型破りな監督官たちを各校に派遣して、問題解決を図ることに。元特殊部隊出身の主人公・ナ・ファジン(キム・ムヨル)ら監督官チームは、問題生徒、モンスターペアレント、腐敗教師などの加害者に、社会的な“鉄槌(容赦ない真の教育)”を下し、被害者を守りながら学校の秩序を取り戻していきます。

ナ・ファジン(キム・ムヨル演)

学校で起こるさまざまな問題を、自分なりの方法で痛快に解決していく、教権保護局の監督官。元特殊部隊出身で、ポーカーフェイスを保ちながら、相手を調査したり、策略を巡らせる。

鉄槌教師:キム・ムヨル

演じるのは、完璧な筋肉をお持ちのキム・ムヨル(主な出演作は『未成年裁判』『車輪』『Sweet Home2』『Sweet Home3』など)。アクションもキレッキレ、モンスターペアレントには「鬼電返し」で精神的に追い詰めるという、硬軟を使い分ける演技がすばらしかったです。その中でも被害者への言葉が、最高にキレていました。

「『助けて』と声をあげろ。そうしたら、俺が鉄槌を下してやる」
「(委縮しきった教師に向けて)先生の先輩でいてください」
「先生も、誰かの大切な子ども」

チェ・ガンソク(イ・ソンミン演)

教権保護局を立ち上げた教育部長官。ファジンたちの上司であり、教権局チームの精神的支柱。愛娘を学校暴力で亡くした過去を持ち、冷徹なリーダーシップと人間味を併せ持つ“理想の大人”。静かな眼差しと低く響く声からは、威厳が伝わってくる。

鉄槌教師:イ・ソンミン

『ミセン』『財閥家の末息子~Reborn Rich~』『運の悪い日』など、ヒット作だらけの大ベテラン俳優イ・ソンミンが、本作のキーマンであるチェ・ガンソクを演じています。後半では、亡き娘を想う父親としての繊細な姿を表現。“強いリーダー”の“父の顔”に、うるっ。短いけれど、胸に刺さるセリフがこちら。

「いい大人になれなくとも、悪い大人になるな」

イ・ソンミンの卓越した演技からにじむ貫禄と人間味に敬礼!

イム・ハンリム(チン・ギジュ演)

ナ・ファジンの後任として教権保護局に配属された唯一の女性メンバー。特殊戦司令部の一等軍曹。仕事中にトラブルを起こす、何かと危なっかしい“変人”監督官。

鉄槌教師:チン・ギジュ

強い変人(笑)の役を、体を張って演じているのはチン・ギジュ(主な出演作は『偶然出会ったあなた』『アンダーカバーハイスクール』)。殴られたり、号令を絶叫したり、瞬間湯沸かし器のように飛び出していくハンリムを見事に演じきった彼女に拍手を贈りたいです(気力&体力の維持と表情管理が大変そう……)。また、作品を和ませるコメディエンヌぶりも、いいスパイスになっていました。

ポン・グンデ(P.O/ピョ・ジフン演)

教権保護局の“頭脳”ともいえる天才。KAIST(韓国科学技術院/韓国の科学技術・研究分野では最高峰の高等教育機関)出身のホワイトハッカー。ナ・ファジンとチームを組んで奮闘する。

鉄槌教師:P.O/ピョ・ジフン

気弱なグンデを演じているのは、男性アイドルグループ Block Bのメンバーであり、俳優、タレントとしてもマルチに活躍するP.O(主な出演作は『ホテルデルーナ』、『グッド・パートナー~離婚のお悩み解決します~』)。おどおどしながらも驚異的なハッキング力を持つ天才オタク役……のはずなのに、全くそうは見えない、おもしろキャラでした(笑)。一歩引いた位置から、仲間の戦闘力に圧倒され、目を丸くして驚くコミカルな演技が印象的。また、33歳で学ランを着ていても違和感のない年齢不詳っぷりもツボでした(笑)。

4.悪を倒しておしまい……にはならない中毒感

鉄槌教師:ナ・ファヨンの授業に驚く生徒たち

このドラマの最大の魅力は、“加害者”に、真正面から鉄槌を下す、スカッした爽快感! 教権局が圧倒的なパワー(主に物理)で、スクールカーストの頂点に君臨する犯罪学生やら、悪徳教師やら、毒親たちを、大人の力で完膚なきまでに叩きのめします。といっても、「悪そうなヤツを倒して、はい、おしまい」という、解像度が低い痛快アクションではありません。いじめ、教育現場に蔓延する薬物、ギャンブル、試験用紙の流出、さらには子どもだけでなく、教育者や保護者の自殺問題まで……。

実際に韓国で起きた学校問題をもとに、被害者の痛み、加害者の背景、教育現場のリアルをていねいに描いています。それが、弱きを助け、強きをくじく、世直しドラマのような痛快さと人情を生み出しているんですね。その部分は『模範タクシー』&『D.P. 脱走兵追跡官』シリーズと少し似ているかも。

鉄槌教師:会見をする教権局の4人

痛そうなシーンも多いのですが、エンターテインメント作品としての濃度も高いのも、おすすめポイントのひとつ。
クスッと笑わせてくれる教権局チームの掛け合いもあれば、「こ、こんな方法が……!?」と目からうろこの斬新な成敗方法に感心したりと、あまりの見やすさ&おもしろさに、一度見始めたら止まらない! 本作は一話完結のオムニバス形式なんですけど、各話のテーマがはっきりしているうえ、話がトントン進むので、ぐいぐい引きこまれます。

ちなみに自分は、平日の夜に見始めて、「あと1話だけ観たらやめよう」を10回くりかえして、気がつけば朝になっていました……。

鉄槌教師:学生に簀巻きにされているP.O

5.この“サイダー”、爽快なだけじゃない

なぜ一気見してしまうのかを考えてみたのですが、やはり「やられたら、それ以上の力でやり返す」、カタルシス効果が高いからじゃないかと。

ファジンたち教権局チームは、これまでの学園ドラマのような「話し合いによる更生」を選びません。超法規的な権限を駆使し、悪質な加害者たちに対して、肉体的にも、精神的にも、恐怖を与えながら制裁を下します。ヒーロー(ダークヒーロー?)による容赦のない“鉄槌”が生むカタルシス効果は、かなりのモノ。なんてったって、特殊戦司令部出身の設定を活かした、キム・ムヨルによるスタイリッシュかつ圧倒的なアクションは、いじめの描写で溜まりまくった視聴者のストレスを、一瞬で弾き飛ばす「スカッと感(サイダードラマ)」を提供してくれますから!

鉄槌教師:生徒と会話するキム・ムヨル

特に、劇中でキム・ムヨルが見せた数々の「悪質な加害への容赦ない平手打ち」は、その概念を超えて芸術にまで達した傑作演技と言えるでしょう。さらに、40代とは思えないバキバキに鍛え上げられた肉体美で繰り出すスタイリッシュなアクションにもスカッ!

そんなファジンですが、悪人には死神を憑依させたような目で威圧する一方、傷ついた被害者には不器用な優しさを見せてホロッとさせるんですけど、そのギャップが彼の人間味と魅力を大きくしたと思います。

6.あくまでも“ファンタジー”として観る

鉄槌教師:キム・ムヨル

キム・ムヨルの規格外アクションは、「実写化としてこれ以上ない説得力がある」と大絶賛されていますが、チェ・ガンソクを演じるために体重を10kgも落として撮影に挑んだイ・ソンミンの存在も、作品の格を一段引き上げています。
「大人が子どもを怖がっていては世界が滅びる」という、作品の根底にある重いテーマを語る時の、イ・ソンミンの圧倒的な眼光と重厚な演技。これによって物語が単なる「大人が子どもを叩くバイオレンスドラマ」ではなく、社会派ドラマとしての説得力を持たせてくれました。

鉄槌教師:キイ・ソンミン

本作は「現実の学園を描いた物語」ではありません。
第2話で、教権保護局への批判に対して、報道番組でガンソクが放ったセリフが、こちら。

「教権局の相手は学生じゃない。怪物なのですよ」

いじめ等の加害者を、「学生」ではなく処罰対象の「怪物」と見なす……。つまり、更生の余地を否定しているんですが、これは、現代を生きるわたしたちの発想とは、かけ離れています。また、本作は「教育システムからはみ出す者を、暴力的に正す物語」ではありますが、実際には、教権局のような機関は生まれることはないですよね。つまり、限りなく現実に寄せた学園ファンタジーだということ。
ただ、現実でも、この物語の中でも、教育現場のでのいじめは絶えず、加害者と被害者は増える一方だということは変わりません。

鉄槌教師:学校の廊下で笑みを浮かべるキム・ムヨル

なぜ、いじめはなくならないのか。
どこに問題があるのか。
大人は何をするべきなのか。

本作は、ストレス解消にはもってこいですが、「目には目を、歯には歯を」というカタルシスに満足して終わるだけではもったいない作品です。

こんなぶっ飛んだ授業をする先生がいたら……いや、いないですよね(求められる運転技術が高すぎる)。

『鉄槌教師』の視聴はこちら

鉄槌教師:P.Oとチン・ギジュ
『鉄槌教師』の視聴はこちら

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