居心地のよい空間づくりに、“らしさ”が表れる家。おしゃれな人は服だけでなく、家も素敵だった! 理想の物件に出会い、2匹の愛犬とともに新生活をスタートさせた、人気スタイリスト・佐藤佳菜子さん。そんな彼女の家選びの決め手や今の気持ちを聞きました。さらに、こだわりが詰まったリビングや寝室も大公開。
さとかなさんが新しい部屋に引っ越したら
好きなものだけを、バランスよく整えた、ノーストレスな空間
「この家はね、ベージュのものしか入れないんです」といたずらっぽく笑うスタイリストの佐藤佳菜子さん。カーペットも、壁も、家具も、そして愛する2匹の愛犬も、見事にシックなベージュのグラデーションを織りなしている。「今日のコーディネートは完全に部屋にそろえました。ニットは『ボッテガ・ヴェネタ』、パンツは『ロエフ』、ルームシューズは『ウーフォス』、ポメラニアンのりっちゃんとチワワのピグミがポイントです(笑)」。
落ち着いたぬくもりがあるけれど“ほっこり”ではない、大人ムードに満たされた空間はさすが。ファッションにおいても、きれいめスタイリングの達人は、インテリアのセンスもずば抜けて洒落ていました。
この家を新居に選んだきっかけを聞くと、間取り図を見ての直感だそう。
「余計な凹凸などがない、直角で構成された明快な間取りが好きなんです。収納もたっぷりあって、リビングの日当たりもいい、なにより、動物を何匹飼ってもいいという必須条件を満たしていました」。一人と2匹の暮らしのために、メインの家具の多くは新たに購入。「例えば、『将来家を買ったら理想のインテリアにしよう、だから今は我慢しよう』みたいな考えはやめたんです(笑)。自分の家は、今、ここで自分の自由な“好き”だけで満たしたい!」。
【Living Room】古いもの、新しいものをミックス
張地をオーダーした白木の「カリモクケーススタディ」のソファとダイニングセット、「HAY」のペーパーシェードの丸いランプ、昭和期の日本製アンティーク食器棚など、すっきりとシンプルなデザインが、さとかなさんらしい。ルーツは様々だけれど、洗練された和モダンがインテリアの基調になっている。
アンティークの流木を用いたサイドテーブルがコーナーの主役に。
「照明は北欧とアジアのものを、丸い形で統一。流木をそのまま用いたオブジェのようなサイドテーブルに、日本の古い家具と新しい家具などをミックスしています。テイストは様々で、心のおもむくまま、惹かれたものだけを集めました。だけど秩序のあるものが好き(笑)なので、色をまとめたり、置く位置の高低差で間のリズムをつけて、バランスをとっています。そうすると、部屋のどこを見ても心地いい。でき上がった空間に、個人的に偏愛する壺や器、アートをディスプレイ、四季折々の植物で、気分に合わせた変化を楽しんでいます」
【Bed Room】寝室は圧巻のベージュグラデ
リネンやサイドチェスト、時計などの小物もベージュで統一。
一人がけソファの足もとには、愛犬たちのベッドも。奥のディスプレイスタンドは、オリジナルオーダーのもの。
撮影/上澤友香 取材・文/久保田梓美 ※BAILA2025年2・3月合併号掲載