今更人に聞けない、大人女子が身に付けておくべきマナー。マナーは、何気ない所作や言葉づかいに現れるものだから気を抜かずにしっかりとポイントを押さえておかないと、知らず知らずのうちにマナー違反になっていることも…!
今回は、大人女子がついやってしまいがちなNGマナーと、正しい対応方法を諏内えみ先生に教えてもらいました。日常からビジネスシーンまで、正しいマナーを改めて身に付けましょう。
諏内えみ先生
「マナースクール ライビウム」代表。美しい立ち居振る舞いや会話術、和・洋テーブルマナーなどの指導に定評があり、婚活カウンセリングや親子向けお受験作法の講座も評判。テレビなどメディア出演も多数。著書にベストセラー『「育ちがいい人」だけが知っていること』(ダイヤモンド社)など。
1.よかれと思ってやってしまいがちなNGマナー
Q.トイレットペーパーの三角折りってした方がいいの?
友達のあとにお手洗いに入ると、トイレットペーパーが三角折りになっていた、ということありませんか?引き出しやすくしてくれたのは分かるけど、これって私もした方が良いの…?
「そもそも、三角折りは『掃除が済みました』というサイン。掃除をした方以外がこの折り方をする意味は実はないのです。何より問題なのは衛生面。たしかに、三角に折られていたほうが引き出しやすいですが、手も洗わないままわざわざご丁寧に折ったとなると、気遣いどころか単なる迷惑行為になってしまいます。特にウィルス感染が問題になっている今、手を触れる回数をできるだけ少なくすることこそがマナーです」(諏内先生)
2.ビジネスの場面で無意識にやりがちなNGマナー
Q.会議中に意外と見られているのってどんなところ?
ムシムシ暑い夏の時期、パンプスのなかの不快指数もMAXなのでちょっとかかとを外すくらいギリギリセーフですよね…?
「机の下に隠れていると思って靴を半分脱いで足をブラブラ。あるいは机に頬杖をついてペンをブラブラ、といったしぐさをしてしまう人、多いですよね。いくら仕事ができても、足もとがだらしなければ好感度はがた落ちです。会議も長時間に渡れば疲れてきて気持ちも姿勢もゆるみがち。そんなときこそ、姿勢やふるまいが美しい女性は『さすが!』と印象も信頼度もあがるはずです」(諏内先生)
3.人間関係でのトラブルを回避!言いにくいことも角を立てない言い回し
Q.会議で上司の言った内容に明らかな間違いが。どう指摘するのが正解?
会議で部長が言った納期の日程に誤りが。これはちゃんと正さねば!と思って指摘したらちょっと機嫌を損ねちゃった…。
「相手に恥をかかせない。機転の利く人はこのことをいちばんに考えます。逆に、大勢の前でズバっと間違いを指摘する人は内容そのものは間違っていなくても、配慮に欠けます。その間違いが会議に大きな影響を与えないものだとしたら、あえて話しを中断して指摘せずに、頃合いを見て『先ほどの件ですが念のため確認させてください』などと切り出すのもひとつの手。“指摘”ではなく“確認”というカタチを取ることに心遣いや思いやりを感じることができます」(諏内先生)
4.食に関するマナー・常識編
Q.高級料亭での食事。やってしまいがちな装いのマナー違反って?
なかなか無い機会でついついおしゃれも気合いが入っちゃうけれど、そこには落とし穴が。
「大ぶりの指輪やブレスレットをつけることは、塗りのお椀などの高価な器を傷つける恐れがあるので避けましょう。お茶席などでも同様に茶碗などの道具を傷つけないようにアクセサリーを外します。忘れがちですがネイルアートにも注意。また、正座をする和室であれば、タイトスカートや丈の短いスカートは自分も周囲も気になってしまうので避け、素足は厳禁。ストッキングや靴下を履きましょう。繊細な味や香りを楽しむ場だからこそ、香水や整髪剤、柔軟剤など、香りあるものは避けることも大切です」(諏内先生)
5.あるある!間違った敬語編
Q.丁寧に聞こえる「お召し上がりになられますか?」 正しい言い方は?
実家から届いたお菓子をおすそ分け。「お召し上がりになられますか?」ってとっても丁寧な言い方のような気がするけれど…。
「『召し上がりますか?』が正解です。お召し上がりになられるは、『お』、『召し上がる』、『なられる』、の3つの敬語が使われた三重敬語にあたります。敬語を重ねて使う過剰敬語はかえって回りくどく、美しい表現とは言えません。『召し上がる』という言い回しで十分に、敬意を示すことができます」(諏内先生)