いつだってそば(冷蔵庫)にいてくれる卵。安心感200%だからこそ、ワンパターンなつきあいしかできていない…。愛を長続きさせるため、スパイスやテクニックも必要。料理界最高峰と噂の、卵ラバーでテクニシャンのツレヅレハナコさんに伺いました。
ツレヅレハナコさん
強靭な胃袋を持つ女性編集者。お酒やお酒に合う料理への執着もさることながら、卵料理にも並々ならぬ愛を注ぐ。インスタグラムのアカウントは@turehana1。最新刊は『女ひとり、家を建てる』(河出書房新社)。
たかが卵、されど卵。表情多彩な、懐の広い食材です
「一人暮らしでありながら冷蔵庫に最低20個ないと不安になるくらい卵を愛しております。安いし、保存もきくし、糖質が低いのに満足感も充分と、いいことずくめ。食材としてのポテンシャルも非常に高く、火の入れ方や調理法によって表情をガラリと変えるし、あるときは主役、またあるときはほかの食材とのつなぎ役や物足りなさを埋める名脇役にもなる。今回はこれまでのマンネリなつきあい方を改め、いろいろなレシピに挑戦し、あなた好みの卵の表情を見つけてみてはいかがでしょう?」
1.エッグスラット
マッシュポテトと半熟卵を二層にして湯せんした、ロサンゼルス発祥のメニュー。パンでディップして♡
【HANAKO】
お好みでカレー粉や明太子、粉チーズを加えても
酒と卵と男と女──それは人生最高の卵ランデブ──
●材料(2人分)
卵……1個
じゃがいも……1個
(A)牛乳……1/4カップ
(A)粒マスタード……小さじ1
(A)塩・こしょう……各少々
バゲット……適量
パセリ(みじん切り)……適量
●作り方
①じゃがいもは皮をむいて4等分にし、耐熱ボウルに入れる。水1/4カップを加え、ラップをかけて電子レンジで5~6分加熱する。竹串がすっと入るまでやわらかくなったら水分を捨て、フォークなどでつぶす。バゲットは細長く切る。
②①のじゃがいもにAを加え混ぜ、耐熱容器に入れ、卵を割り入れる。
③耐熱容器がすっぽり入る深さの鍋かフライパンに耐熱容器を置き、半分ほどの高さまで水を入れる。鍋にふたをして中火にかけ、白身が固まるまで5~6分加熱し、黄身が半熟の状態で取り出す。
④お皿に③をのせてバゲットを添え、パセリをふる。バゲットで全体を混ぜ、すくいながら食べる。
※今回の容器サイズは内径8cm(底は6cm)×高さ9cm
2.和風のり卵バタートースト
カリカリに焼いたトーストにバターが香るとろっとろの卵をオン☆ のりと味噌がいい味、出してます!
【HANAKO】
トースト=洋風の概念を覆す美味しさです
オープンな関係、憧れちゃう!
●材料(2人分)
卵……4個
牛乳……大さじ4
味噌……小さじ2
焼きのり……1/2枚
バター……20g
食パン(8枚切り)……2枚
万能ねぎ(小口切り) ……適量
●作り方
①ボウルに卵を溶きほぐし、牛乳を加え混ぜる。
②パンをトーストして味噌を塗り、ちぎったのりをのせる。
③フライパンにバターを入れて熱し、①の卵を入れてゴムベラでゆっくりかき混ぜる。半熟状になったら②のパンにのせ、万能ねぎを散らす。
3.厚切りフレンチトースト
耳を切り落とした 4枚切りの食パンを使用。アパレイユにはできるだけ長く浸すと、とろとろ&ふるふるの贅沢食感に。
【HANAKO】
厚切りパンで作るホテルメイドの味をおウチで♡
ときには、甘い関係になりたいの♡
●材料(2人分)
卵……2個
牛乳……200㎖
砂糖……大さじ2
食パン(4枚切り)……2枚
オリーブ油……大さじ1
バター……20g
いちご・ブルーベリー・ メープルシロップ……各適量
●作り方
①ボウルに卵を溶きほぐし、牛乳、砂糖を加え混ぜる。密閉式の保存袋に卵液を入れ、耳を切り落として半分に切った食パンを入れて2時間~ひと晩漬ける。
②フライパンにオリーブ油を熱し、食パンを並べ入れる。ふたをして弱火で2分ほど焼き、裏返してさらに2分ほど焼く。
③器にフレンチトーストをのせ、バターをのせ、メープルシロップをかける。食べやすく切ったいちご、ブルーベリーを添える。
4.ピリ辛マヨ卵ピタサンド
外食がしにくい今、出先でさっと食べやすいポケットサンド。大人味の卵と野菜を、持ち運びやすいピタパンに詰めて。
【HANAKO】
ゆずこしょうを加え風味豊かに。食欲も刺激する★
私たち、外でも一緒にいたいじゃない!?
●材料(2人分)
卵……2個
玉ねぎ……1/8個
マヨネーズ……大さじ2
ゆずこしょう……小さじ1
きゅうり(斜め薄切り)……4枚
レタス……2枚
ピタパン……2個
●作り方
①鍋に湯を沸かし、冷蔵庫から出してすぐの卵を熱湯に入れ、中火で10分ゆでる。すぐ冷水にとり、粗熱が取れたら殻をむく。玉ねぎはみじん切りにして水にさらす。
②ゆで卵は粗く刻み、ボウルに入れる。ペーパータオルで包んで水けをしぼった玉ねぎ、マヨネーズ、ゆずこしょうを加えて混ぜる。
③ピタパンをオーブントースターなどで温め、レタス、きゅうり、②の卵フィリングを挟む。
5.梅ディル 卵かけご飯
ディルが和食と溶け合って驚きの美味しさに。しょうゆの代わりに梅干しを使用、オリーブ油でまろやかさUP。
【HANAKO】
ディルは和の食材とも好相性。卵が最高のつなぎ役に
ズバリ、主役は“黄身”なんです
●材料(2人分)
梅干し……2個
ディル……2本
卵黄……2個分
ご飯……茶碗2杯分
オリーブ油……大さじ2
●作り方
①梅干しは種を取って包丁でたたく。ディルは葉を摘む。 ②ご飯に梅肉、ディル、卵黄をのせ、オリーブ油をかけ、よく混ぜて食べる。
6.しらすクレソン釡玉うどん
お肉に合わせることが多いクレソン。刻んで香りを立たせ、薬味として使って。黄身を全体にからめて召し上がれ!
【HANAKO】
クレソンの食感と香りでさっぱりお夜食にも
遅く帰宅した夜も、やっぱり“黄身”が恋しいの…
●材料(2人分)
しらす……40g
クレソン……4本
卵黄……2個分
冷凍うどん……2玉
しょうゆ……大さじ2~3
オリーブ油……大さじ2~3
●作り方
①クレソンは茎も含めて粗く刻む。
②うどんは、袋の表示に従って電子レンジで解凍し、器に入れる。熱いうちにしらす、クレソン、卵黄をのせる。しょうゆとオリーブ油をかけ、よく混ぜていただく。
7.明太アボカド 目玉焼きご飯
ごま油で白身はカリカリ、黄身はとろっと焼いた風味よい目玉焼きをオン。アボカド、明太子との組み合わせの妙に衝撃!
【HANAKO】
大好きな食材をのっけ丼に。目からウロコの味です
ねぇ目玉焼き、いつもとは違う姿を見せて
●材料(2人分)
卵……2個
アボカド……1/2個
明太子……1はら
ごま油……大さじ1
ご飯……茶碗2杯分
白ごま……適量
●作り方
①アボカドは1cm角に切る。明太子は包丁で中身をかき出す。
②フライパンにごま油を熱し、卵を割り入れる。ふたをせず弱火でじっくり焼き、黄身が半熟の状態で取り出す。
③ご飯にアボカド、明太子、目玉焼きをのせ白ごまをふり、よく混ぜていただく。
8.卵ハーブ サラダ
じゃがいもの代わりにゆで卵をベースにしたポテサラ風。ビネガーやハーブを効かせたさっぱりバージョン。
【HANAKO】
ポテサラのベースをじゃがいもから卵にスライド
ずっとヘルシーな関係でいたいから
●材料(2人分)
卵……2個
紫玉ねぎ……1/8個
ミニトマト……6個
きゅうり……1/2本
イタリアンパセリ……2本
オリーブ油……大さじ1
白ワインビネガー……大さじ1
塩・こしょう……各少々
●作り方
①鍋に湯を沸かし、冷蔵庫から出してすぐの卵を熱湯に入れ、中火で8分ゆでる。すぐに冷水にとり、粗熱が取れたら殻をむき、4等分にする。
②紫玉ねぎは薄切り、ミニトマトは半分に切る。きゅうりは小口切りにして塩を混ぜ、約5分おいて水けをしぼる。イタリアンパセリは粗みじん切りにする。
③ボウルにすべての材料を入れ、かるく混ぜ合わせる。
9.スタッフドエッグ
ゆで卵を半分にカットして黄身を取り出して調味し、へこんだ白身に飾りつけ。前菜にもなる映えメニュー。
最近マンネリぎみよね!? たまには刺激、欲しいかも♡
●材料(2人分)
卵……2個
アンチョビ……1枚
黒オリーブ……2粒
パセリ(みじん切り)……小さじ1
オリーブ油……大さじ1
レモン汁……大さじ1
ピンクペッパー……適量
●作り方
①鍋に湯を沸かし、冷蔵庫から出してすぐの卵を熱湯に入れ、中火で10分ゆでる。すぐ冷水にとり、粗熱が取れたら殻をむく。アンチョビと黒オリーブは粗みじん切りにする。
②卵を半分に切り、黄身だけをボウルに入れる。卵の白身とピンクペッパー以外のすべての材料を混ぜ、白身に戻し入れる。仕上げにピンクペッパーを飾る。
10.ナンプラー 味玉
ベーシックな漬け卵にナンプラーとパクチーをちょい足しするだけで、一気にエスニック料理に!
【HANAKO】
調味料に+αするだけでお酒に合うおつまみに
●材料(作りやすい量)
卵……6個
(漬け汁)
酒・しょうゆ……各50㎖
砂糖・ナンプラー……各大さじ1
パクチー……適量
●作り方
①鍋に湯を沸かし、冷蔵庫から出してすぐの卵を熱湯に入れ、中火で8分ゆでる。すぐ冷水にとり、粗熱が取れたら殻をむく。
②鍋に酒を入れて1分ほど沸かし、アルコール分を飛ばす。火を止め、ほかの漬け汁の材料を加え混ぜる。
③漬け汁が冷めたら密閉式の保存袋に入れ、卵を加えて1時間以上漬け、パクチーを添えて盛る。冷蔵庫で約5日間保存可。
11.韓国風茶碗蒸しケランチム
うまみたっぷりのかに風味かまぼこを入れるのがコツ。スフレのようなふわふわの口当たりとだしのうまさに心酔。
【HANAKO】
だしが効いた韓国風茶碗蒸しを電子レンジで手軽に
今こそ卵で海外旅行しちゃわない?
●材料(2人分)
卵……2個
かに風味かまぼこ……2本
鶏ガラスープの素(顆粒) ……小さじ1
塩・ごま油……各小さじ1/2
万能ねぎ(小口切り)……適量
●作り方
①耐熱容器に卵を溶きほぐし、鶏ガラスープの素、塩、粗くほぐしたかに風味かまぼこ、水200㎖を加え混ぜる。
②①にラップをかけて電子レンジで約2分加熱する。ごま油を加えて全体を混ぜ、さらに2~3分加熱する。真ん中まで火が通ったら、万能ねぎをのせ、しぼむ前に食べる。
撮影/衛藤キヨコ スタイリスト/郡山雅代〈STASH〉 調理/ツレヅレハナコ 取材・原文/広沢幸乃 構成/渡辺敦子〈BAILA〉 ※電子レンジによる加熱時間は600Wを目安にしています。500Wなら1.2倍に、700Wなら0.8倍にしてください ※BAILA2021年3月号掲載
【BAILA 3月号はこちらから!】