国が「貯金から投資へ」とスローガンを掲げ、最近ますます話題の「つみたてNISA」と「iDeCo」。自分に向いているのはどちらの制度? 上手に活用するために二つの制度を比較して、その違いにクローズアップ。
つみたてNISAとiDeCoの違いは?
iDeCo | つみたてNISA | |
老後資金をつくる | 使い分け | 制限なし |
積立時の掛金が全額所得控除 運用益が非課税 受取金額の一定額が非課税 | 税制上のメリット | 運用益が非課税 |
65歳まで(条件あり) (運用益非課税で保有できる期間は75歳まで) | 運用期間 | 最長20年間 |
毎月5000円〜 | 毎月の積立額 | 1回100円〜 ※金融機関により異なる |
14万4000〜81万6000円 ※職業や加入している年金により異なる | 投資上限額(年間) | 40万円まで |
定期預金・保険・投資信託 | 商品 | 投資信託(ETFを含む)のみ ※定期預貯金や保険は対象外 |
60歳以降 ※積立期間により受給開始可能年齢が異なる | 資金の引き出し | 制限なし |
60歳まで原則不可 | 途中解約 | 可能 |
開始時・加入中・受取時 | 手数料 | なし |
それぞれのメリット・デメリットを理解して、自分に合った使い方を!
まず、使い分けに関しては、いつでも資産を引き出せる運用目的の自由度の高いつみたてNISAに対して、iDeCoは60歳まで資金を引き出すことができないため老後資金の準備向き。節税メリットはiDeCoのほうがお得。
手数料は、加入や口座維持のコストがゼロのつみたてNISAに軍配が上がる。選べる商品も異なり、つみたてNISAで選べるのは金融庁が設定した基準をクリアした投資信託(ETFを含む)のみ。iDeCoは投資信託のほかに、定期預貯金や保険など元本確保型の商品も用意されている。
また、非課税枠の上限が年間40万円のつみたてNISAに対して、iDeCoは会社員、公務員、自営業者、主婦といった職業などによって掛金の上限額が決まっているのも異なる点。両制度を併用するもよし、使い分けるもよし。自分の生活スタイルに合わせて賢く活用しよう。
監修/井戸美枝 イラスト/3rdeye 取材・原文/佐久間知子 ※BAILA2022年9月号掲載