住宅の購入は、多くの人にとって一生に一度の大きな買い物のはず。後悔しないために、押さえておきたいポイントをステップ別に紹介。今回は物件リサーチと内見・見学で気をつけることを解説。
ことり不動産 代表
石岡 茜さん
2013年に「ことり不動産」を設立。丁寧なヒアリングと女性目線の物件選びで支持される。著書に『持ち家女子はじめます』(飛鳥新社)がある。
ファイナンシャルプランナー
風呂内亜矢さん
26歳のときにマンションを購入したことがきっかけでFPに。住宅事情に精通しており、現在は夫婦で複数物件を所有し、運用している。著書多数。
【物件リサーチと内見・見学】後悔しないために、シビアに見極めて!
住宅サイトや不動産会社で、希望条件に合う物件情報を収集。気になる物件が見つかれば、モデルルームの見学や物件の内見を依頼する
新築と中古のメリット/デメリットを把握
「現在、新築は以前に比べると4〜5割も高騰中。最新の設備やセキュリティが導入されているという点は魅力ですが、鍵を差し込んだ瞬間に中古物件になるため、金銭面を重視するなら中古が◎」(石岡さん)、「新築と中古で価格差が少ないことは、逆に好立地の目安にもなります」(風呂内さん)
〈中古物件と新築物件のメリットとデメリット〉
内見のときは、マンションの共用部と建物の外観を要チェック
「ゴミ捨て場やポストなど、共用部分が荒れていないかを必ず確かめて。また、入居者向け掲示板や、建物を外からチェックし、物件や入居者に問題がないかも探ってください。駐輪場は、入居者にファミリー層が多いのかを知るのに役立ちます」(石岡さん)
住人のベランダが美しいか外から確認を
ポストまわりやゴミ捨て場、駐輪場が管理されているか見る
日当たり、眺望、アクセスのよさetc.変えられない条件を重視!
「内見では間取りや内装などリノベーションで変えられる部分ではなく、日当たりや眺望、駅からの距離など変えられない点を注視して。将来家を貸したい場合、単身・DINKs向けの家なら駅から徒歩10分以内が必須。家族向けの家なら10分以上でもOK」(石岡さん)
住み替え、投資を考えるなら検索ヒットワードを意識
「投資を念頭においた家選びの際は、物件情報サイトでよく検索される希望条件を意識。『ホームズ』の『見える!賃貸経営』というサイトは便利で、エリア別の賃貸需要や人気の間取りなどを知ることができます」(風呂内さん)
物件だけでなく街の雰囲気が自分にフィットするか散策して確認して
「家を決めるときは、物件の周辺状況が自分に合うかチェックしましょう。できれば、朝、昼、晩、その街を歩いて雰囲気を肌で感じてみてください。また、ハザードマップを確かめることも忘れないように」(石岡さん)
・夜道が明るくて安心
・美味しいごはん屋さんがある
・落ち着いた雰囲気が心地いい
・買い物がしやすい
編集NWとライターKが実際に内見に行ってみた!
家が欲しくてたまらない30代の二人が、実際に都内の中古マンションを内見。目からうろこのチェックポイントを公開!
ことり不動産
松本瑛花さん
見に行ったのは「秀和高輪レジデンス」
※募集は終了している可能性があります
泉岳寺駅徒歩4分
1LDK 49.5㎡
約5000万円
管理費 7500円
修繕積立金 15000円
1 周辺の雰囲気や、外から見た建物の様子も大事
ライターK「管理が行き届いてる感じ!」
建物や共用部分が清潔かどうかや、住人のベランダに放置ゴミがないかを外から見て、マンションの治安を測る
2 さっそく部屋へ。直感を大事に!
松本さん「どうぞー!」
ライターK・編集NW「わー!明るい!」
部屋に入った瞬間の第一印象は大切に。続いて、日当たりや風通し、眺望などの環境条件が気にならないかをチェック
3 物件の「変えられない」要素はしっかりチェック
松本さん「エアコンがつけられる場所や配管は決まっている場合が多いです」
松本さん「時間ごとの太陽の位置もアプリで調べましょう」
松本さん「水回りの位置も動かせない可能性があります」
編集NW「ハリが出ているのが気になる…」
リノベをする予定であれば、構造上、工事ができない部分を担当に聞いておこう
4 「変えたい」と思うところはリノベ可能か確認を
松本さん「浴室とトイレの間にドアをつけることはできますよ」
間取りは、リノベで変えられるので、気になる部分を見つけたら担当者に工事可能か聞くように
撮影/柳 香穂 イラスト/コナガイ香 取材・原文/海渡理恵 ※BAILA2024年1月号掲載