今年で10周年を迎える「Will Conscious Marunouchi2024 まるのうち保健室〜私の向き合う時間〜」。働く女性たちの声から2014年に誕生し、“自分らしく生きる”未来への選択を応援し寄り添う存在を目指して、10年間で10,000人以上の女性たちと対話を築いてきたこのイベント。会場には、「食・免疫の回復」「適度な休息と運動」「セルフケア・自律神経の調整」「未来を考える対話」の4つのキーワードをテーマにした体験カウンターが登場し、「私と向き合う時間」に導くためのさまざまなツールを展開する企業が集結しました。
その中から今回は、3月8日(金)の国際女性デーと3月15日(金)の世界睡眠デーに向けて「女性の睡眠」をテーマとした、株式会社ブレインスリープによるスペシャルトークセッション「女性の睡眠力の上げ方〜睡眠の質が上がると人生が豊かになる〜」の取材レポートをお届けします。
今回のトークセッションは、放送作家として活躍する野々村友紀子さんの睡眠に関するリアルな体験談に寄り添いながら、睡眠専門医である井坂奈央先生が日本人女性の睡眠課題について解説、アドバイスをいただくという内容。
実際に、株式会社ブレインスリープが開発する「ブレインスリープ ピロー」の愛用者である野々村さんは「睡眠時間にムラがあった時期もあるが、ブレインスリープ ピローに変えてから随分と睡眠の質が変わり、日中のパフォーマンスの変化にも驚いている。女性は年代によってもさまざまなライフステージの変化があり、どのように睡眠と向き合い、人生を乗り越えていくかを考えていく必要がある」と、枕の違いで睡眠の質が変わることを実感されているというエピソードを披露し、トークセッションが始まりました。
Dクリニック東京ウェルネス 睡眠・SAS外来 睡眠センター長として勤務。日本睡眠学会専門医。
日本人女性は世界の中で最も睡眠時間が短い!?
世界(先進国)の中で日本は最も睡眠時間が短く、平均で7時間22分。最も長い南アフリカは9時間13分、平均は8時間28分で、日本は平均よりも約1時間も短いそう。さらに日本国内の男女の睡眠時間を比べると、女性のほうがおよそ13分短く、睡眠課題を抱えている女性が多いということがデータからもあきらかに。家庭と仕事の両立で忙しい毎日を過ごしているバイラ世代は特に、忙しいときは睡眠時間を削る、という選択をしている人も多いのでは?
「私も7時間の睡眠時間が取れていればいいほう。だいたい5〜6時間ですね」とコメントする野々村さんに共感するのも束の間、「睡眠は取らなければいけないものだと認識してほしい」と睡眠を取ることの大切さを訴える井坂先生。
日々のタスクに追われ、やらなければいけないことを優先してしまいがちですが、睡眠もそのひとつ。まずはその意識から変えていくことが大切で、日中のパフォーマンスを上げるためにも睡眠は後回しにせず、意識的に取り入れて自分を休めてあげることが必要なのだと、開始早々、井坂先生のお言葉が心にグサリと刺さりました。
ライフステージの変化による睡眠への影響とは?
月経周期や妊娠出産、更年期などライフステージによって女性ホルモンの量が変動する私たち。女性ホルモンは睡眠にも大きく影響することもあって、睡眠との向き合い方もより一層難しくなりますが、それぞれのフェーズでどう乗り越えていけばいいのか、野々村さんの年表に沿って井坂先生が詳しく教えてくださいました。
キャリアをスタートした時期のことを「芸人としてデビューしたときは、若くてどれだけでも眠れた時期。寝てなくても元気で睡眠に対して特に何も考えていなかった」と振り返る野々村さん。確かに若い頃は、遊ぶことが優先で睡眠は二の次! なんならオールしちゃう! なんて無茶できた年頃。「ただ、放送作家となり、頭を使う時間が長くなったことで睡眠時間が減り、日中のパフォーマンスが格段に落ちた時期が訪れた。睡眠意識が向上したのもこの時期」とご自身の経験から、睡眠との向き合い方の変化も語りました。
「生活リズムを整え、睡眠に意識を向けていた」妊娠出産期の睡眠アドバイス
妊活を経験された野々村さんは「この時期は、生活リズムを整えることに意識を向け、仕事もセーブしていたこともあり睡眠は満足に取れていた」と振り返ります。井坂先生によると「個人差はあるが、女性ホルモン量の変化で睡眠への変化が起きるのも事実。野々村さんのように、睡眠に意識を向けることはとても大切」と続けて、睡眠の質が下がりやすいこの時期におすすめの睡眠アドバイスを教えてくださいました。
「まず一つ目は、日中に適度な運動して、いい疲労感を作ること。二つ目は、お腹の圧迫による睡眠力の低下を下げるため、横向きで寝ること。最後に、入眠90分前に入浴をして、睡眠の質を上げること」
・日中に適度な運動をする
・横向きで寝る
・入眠90分前に入浴する
「特に、入眠90分前に入浴することは睡眠の質を上げるために大切なこと。深部体温(脳や内臓の温度)が下がってくると睡眠の質が向上するということが科学的にも証明されており、深部体温を下げるためには一度上げてあげることが大切。40度〜41度のお湯に15分ほど浸かって深部体温を上げ、元に戻る90分後を目安に寝るのが理想」と睡眠の質を上げるための具体的な方法を伝授。
続けて「どうしても時間が作れず、睡眠直前にしかお風呂に入れないという場合は、少し熱めのシャワーをさっと浴びて寝るのがおすすめ」との助言も。理想通りにいかない日があっていい、そんな気楽な気持ちで、少しずつ質の高い睡眠が取れるよう工夫していきたいですね。
「焼き肉の一言で大号泣!」冷静でいられなくなる、子育て期の睡眠アドバイス
子育て期はとにかく寝る時間がなく、自分でもコントロールができず大変だったと語る野々村さん。「子育て中は短い睡眠しか取れず、まったく眠れない時期だった。睡眠不足と女性ホルモンの関係でイライラすることが多く、「焼き肉を食べてきた」という夫のひと言で大号泣することや、家族で車に乗っているときも、子ども2人が後部座席で大泣きし、その様子を見た夫の「大丈夫?」のひと言にブチギレ。すべてが嫌になり車を降りて逃亡! なんてことも。いつもとは違うことでイライラし、冷静が保てなかった」と当時の様子を振り返ってしみじみ。
自分ではコントロールできないことも増えるのが子育ての時期。井坂先生は「どうしてもまとまった睡眠が取れないこの時期は、時間を見つけて少しでもいいから仮眠を取ることが大切。また、寝る前にリラックス効果のある足湯をしたり、寝室や寝具環境を整え睡眠の質を上げる努力をしたり、体内リズムをリセットするために朝日を浴びたりと、できることを少しずつ取り入れていくのがおすすめ」とアドバイス。
・仮眠を取る
・寝る前に足湯をする
・寝室、寝具環境を整える
・朝起きて日光を浴びる
続けて「寝室、寝具環境を整えるとは、寝室の温度や湿度をご自身が快適だと思う設定にしたり、先ほどご紹介のあったブレインスリーブ ピローなど深部体温を下げやすくする寝具を取り入れてみたり、意識的に睡眠の質を上げてあげることが大切」と睡眠時間をコントロールできないからこそ、質にこだわることが重要だと解説。
2023年度の睡眠偏差値調査でも、時間よりも質の方がパフォーマンスに影響するという結果が出ていることからも、睡眠の質にはこだわる必要があるのだと再確認できました。
「眠れない、夜中に目が覚める」若さでは乗り切れない! 更年期の睡眠アドバイス
キャリアと子育てを両立している現在、今年で50歳を迎える野々村さんは「眠れない日があったり、夜中に目が覚めてしまう日があったりと睡眠にムラがある状態。眠れなかった翌日はパフォーマンスが落ち、日中の調子が上がらない」と、少しずつ更年期の入口に来ているのでは? と不調を感じ始めているとのこと。
井坂先生は「更年期の症状として、まさに野々村さんが感じている、眠れない、夜中に目が覚めるということが多くなる」と、この時期に意識するとよい睡眠アドバイスを4つ教えてくださいました。
・昼寝は避ける
・適度な運動をする
・睡眠計測をする
・更年期の治療を行う
「昼寝を避けるとありますが、15時までの20分の仮眠ならOK。20分以上寝ると深い睡眠に入ってしまい、起きづらくなるので、これ以上の仮眠は控えていただくのがおすすめ。20分程度の仮眠なら夜の睡眠に影響しません。どうしても20分では起きられないという方は、仮眠を取る前にカフェインをとると、ちょうど起きる頃にカフェインが効いてくるので起きやすくなるはず」と、ワンポイントアドバイスも。
続けて「実は眠れているのに、不眠症だと認識している方も少なくない。そのようなことを【睡眠誤認】というのですが、誤認されている方が結構多いのが現状。今は睡眠時間を測れるデバイスなども充実しているので、自分の睡眠を知るために取り入れていただくのもおすすめ。自分の睡眠を客観的にみて把握することで、気持ちが楽になったという方も多い」と、自分の睡眠を正しく知ることの重要性も教えてくださいました。
睡眠に大切な3つの要素とは?
ここまで野々村さんの年表に沿って、その時期に意識するとよい睡眠アドバイスをいただきました。
シンプルにまとめると、睡眠に大切な要素は次の3つ。
・睡眠の量(時間)
・睡眠のリズム
・睡眠の質
この3つが整うことで、よい睡眠と言えるのだそうです。
睡眠のリズムについて井坂先生は「平日と休日の睡眠時間が違うという方は多いのではないでしょうか。実はこれ、自分で時差ボケを作っていることと同じ状況。休みの日はゆっくり寝たいところではありますが、起きる時間の差は平日と休日で2時間未満にすることが理想」と、睡眠の時間、質だけではなくリズムも整えることの大切さを解説しました。
「正しい睡眠の知識を知り、睡眠に意識を向けること」と睡眠の重要性を語る
井坂先生は最後に「今回は、キャリア期、妊娠出産期、子育て期、更年期と野々村さんの年表に寄り添ったお話でしたが、良質な睡眠を取るためのいくつものアドバイスは、どの年代、性別にも当てはまること。今日お話しした内容をすべてできれば理想ではありますが、どれか一つでも刺さるものがあれば、ぜひ今日からでも取り入れてみて。正しい睡眠の知識を知り、睡眠に意識を向けることが非常に大切」と、改めて睡眠の重要性を語りました。
「しっかりと睡眠を取り、前向きに楽しい人生を送りましょう!」と明るく軽やかなコメントで閉幕
「女性はどうしても自分でコントロールできないライフスタイルの変化がある。そのことをマイナスに捉えず、前向きに楽しむことが大切だと感じます。仕事も家庭も100点はできない。できなかったことを気にするのではなく、毎日頑張っている自分を褒めてあげて、人生の楽しさを噛み締めながら歩んでいきたいですね。しっかりと睡眠を取り、前向きな気持ちで、楽しい人生を送りましょう」と、野々村さんの明るく軽やかなコメントでトークセッションは閉幕しました。
今の睡眠に満足できていないという方には、学べるポイントが満載の内容だったかと思います。私自身も睡眠は削るものとして考えがちで、睡眠の重要性をあまり感じていませんでしたが、今回のトークセッションをきっかけに睡眠の正しい知識を知り、少しずつでも改善していこうと前向きな気持ちになれました。しっかり眠れれば、日中のパフォーマンスもUPする! これを胸に刻み、寝室や寝具環境も整え、自分の睡眠としっかり向き合っていきたいと思います。
ぜひ皆さんも、睡眠との向き合い方を改めて考えてみてはいかがですか?
株式会社ブレインスリープとは?
「脳まで眠る睡眠医学と先進のテクノロジーで、人の可能性を目覚めさせる」をパーパスとし、睡眠を通じてパフォーマス向上に貢献し、社会を変えていくための事業を展開する株式会社ブレインスリープ。看板商品である「ブレインスリープ ピロー」は、日本の睡眠医学の権威である、スタンフォード大学医学部精神科教授 西野精治先生の著書『スタンフォード式 最高の睡眠』メソッドを詰め込み、睡眠の質を上げるために欠かせない要素である、深部体温、フィット感、衛生面を重視した究極の枕。このような商品の開発以外にも、睡眠クリニックやコンディショニングスタジオなど、脳と睡眠医学に基づくさまざまな事業を展開しているイノベーション企業です。