従来の婚姻スタイルにとらわれず、ライフスタイルに合った結婚生活を送る夫婦にインタビュー。それぞれが導き出したふたりらしい“結婚の形”とは!? 今回は、キャリアを積むために別居婚を選んだふたりに話を聞いた。
《別居婚》お互いの仕事を尊重し、土日だけ一緒に過ごすふたり
DATA
□出会い 大学時代の同級生
□交際期間 2年
□結婚 2019年
公務員
土井悠路さん(32歳)
キャリアを積むために別居。ゆるやかなルールを設けてお互いに関心を持ち続ける
別居婚には“信頼・寛容・執着”3つのほどよいバランスが大切
千葉と東京の近距離別居婚を始めて6年目を迎える土井さん夫妻。
陽菜花 結婚2年目のとき、私が希望どおりの仕事ができる会社に就職が決まって。お互いの職場の中間地点で一緒に暮らすことも考えましたが、通勤に時間をかけることのメリットを感じられず、千葉への単身赴任を選択しました。繁忙期は隔週、余裕がある時期は毎週、金曜日の夜に夫が暮らす東京の家に帰り、日曜日の昼に千葉に戻る生活。週末に一緒に過ごすときは、ブランチするお店を探しながら散歩を楽しんでいます。
別居生活には、いくつかの暗黙のルールを設けているという。
悠路 ひとつ目は、生存確認も兼ねて毎日電話をすること。ふたつ目は、門限0時。遅くなる場合は、相手に一報を入れることにしています。あと、安否確認にも待ち合わせにも便利な位置情報アプリ「Life360」も利用して、お互いに余計な心配をさせないよう心がけています。別居生活は、信頼と執着、そして寛容さのバランスが重要。信頼が土台にあり、ある程度の執着を持ちつつ、それが行きすぎないように注意することが、うまくいく秘訣だと思います。
離れて暮らしているからこそ気にせず仕事に打ち込める
別居婚にはメリットもあれば、デメリットもあると語る陽菜花さん。今後のライフプランは?
陽菜花 メリットは、自分の時間をしっかりととれるので、落ち着いて仕事ができること。平日の生活リズムのズレが気にならない点はいいですね。デメリットは、とにかく寂しい! その日あったことを気軽に話せないのは、別居婚のつらい部分です。今後も今の会社でキャリアを積んでいきたいと思っていますが、ふたりで暮らすこともあきらめたくなくて。東京支社への転勤や、リモートワークができるような仕組みづくりなど、少しずつ会社にも働きかけていけたらと考えています。
撮影/三浦 晴 取材・原文/海渡理恵 ※BAILA2024年8・9月合併号掲載