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【お笑い芸人 CRAZY COCOさんに聞く!職場のコミュニケーション術】CA時代、困った乗客への神対応が参考になる!

職場によくいる“話が通じない人”とのコミュニケーションは業務より難しい! コミュニケーションのプロ、お笑い芸人のCRAZY COCOさんんにコミュニケーションテクニックをインタビュー。職場での実体験エピソードとともに、話が通じない人と働くコツを教えてくれました。

“威圧的な乗客の対応は日常茶飯事。トレーニングで学んだ対策で乗り切りました”

CRAZY COCOさん

Q.CA時代、困った乗客がいるフライトではどう対応していた?

対応に最も困ったのは、怒って威圧的な態度をとる人ですね。怒りの原因は、希望する機内食が品切れだったことや、スクリーンの不具合など、様々。それらを理由にビジネスクラスの食事や無料アップグレードなど無理な要求をされる、なんてことが日常茶飯事でした。トレーニング期間に学んだトラブル対策の中でも、こういった乗客への対応として最も効果的だったのが、“LEAPS”と呼ばれるコミュニケーション・メソッド。取るべき行動の頭文字から成る言葉で、Listen(聞く)、Empathize(共感)、Ask(質問)、Paraphrase(言い換える)、Summarize(要約)の順に行います。

あるときドバイ→成田便で対応した男性客は、希望する機内食が提供されずに激怒していたのですが、じっくり話を聞くうちに、ドバイまでの別便でぞんざいな扱いを受けた不満が根底にあることが判明しました。フライトの目的などを質問すると、彼がこの旅をずっと楽しみにしていたことも伝わってきたので、せっかくの旅で嫌な気持ちにさせてしまったことを謝罪すると、相手の表情が穏やかになったんです。さらに、おわびとして隣に人のいない空席への移動を提案すると、すんなり受け入れてくれました。オプションを用意して判断を委ねるのも、相手の不満を解消するテクニック。ほとんどの人は選ぶ権利を与えられると優越感を覚え、満足していましたね。

態度には出しませんが、もちろん心の中ではめっちゃイライラしますよ(笑)。でも厄介なお客さんほど、誠意を持って対応するとすごく喜ぶんです。上司にあたるパーサーに私への感謝を伝えてくれたり、感謝状を書いてくれた人も。ピンチはチャンスだ!と自分に言い聞かせて、クレームと向き合っていました。

Q.乗客や上司から学んだコミュニケーションに大切なスキルとは?

ビジネスクラスを担当していたとき、乗客に名前を呼ばれて驚いたことがあって。その人はCAの名前を把握し、何かを頼む際には、“ココ、お願いがあるんだ。手が空いているときでいいんだけど”と前置きしていました。CA一人ひとりに対するリスペクトが感じられて嬉しかったですし、優劣つけるわけではないけれど、そういう方をより、大切にしたいと思った。こういう些細な気づかいで人間関係は格段によくなると、自分自身、とても勉強になりましたね。

上司に感動したのは、CAになりたての頃に私がミスをしたときのこと。警告を受けてビビりながら彼女のオフィスを訪れると、「チョコでも食べながら話そうよ」と笑顔で和ませてくれたんです。さらに、頭ごなしに注意するのではなく、「まずはあなたの口から事情を聞かせて」と説明のチャンスをくれた。一人の人間として私と向き合い、客観的に判断しようとする姿勢に、話が通じる素敵な上司だなと感じました。

Q.話が通じない人と働くことのストレスとどう向き合っていた?

多国籍な同僚とは、文化の違いから通じ合えないことが多々ありました。たとえば、私にとって箸の向きは大事だけれど、欧米人にとってはどうでもいいこと。最初の頃は理解してもらおうと必死でしたが、それは私のエゴだと気づいてあきらめたら、気持ちが楽になりました。理解し合えなくても仕事はできるし、人は人なんだとある程度割り切ることで、円滑に進むこともあるんですよね。

割り切るという意味では、職場を変えてみるのも手。新卒で入社した会社では上司に恵まれず、苦しみながらも、“仕事だから仕方ない”と我慢していました。でも勇気を出して転職したらストレスから解放され、楽しく働けるように。せっかくやりがいのある仕事を、話が通じない人のせいで楽しめなければ本末転倒なので、思い切って環境を変えるのもひとつの選択肢だと思います。

CRAZY COCOさん流“話が通じない人”に一目置かれるコツ3

▶︎相手の話をきちんと聞いて共感する
▶︎オプションを用意して判断を委ねる
▶︎理解してもらうことを求めない

CRAZY COCOさん

お笑い芸人

CRAZY COCOさん


1986年生まれ、大阪府出身。大学在学中にオーストラリアへ留学し、卒業後はタオル商社に入社。転職を考えていたときに外資系航空会社のCA募集を見つけて応募。落ちた悔しさから、CAの予備校に半年間通い再挑戦。27歳で合格し、4年半務める。帰国後は英語学習コンサルタントや総合商社などを経験。2021年、『女芸人No.1決定戦 THE W』に参加したところアマチュアながら準決勝に進出し、芸人の道へ。

撮影/岡本 俊 取材・原文/中西彩乃 ※BAILA2024年12月号掲載

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